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これからのまちの持続化戦略は、若者の意見を反映させていくこと一択。

いまの世の中はVUCAの時代だと言われています。VUCAは、Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)の頭文字からくる造語で、予測困難な社会の状況を指しています。

VUCAはもともと1990年代に軍事用語として使用されていましたが、2010年代頃からビジネスの業界でも取り上げられるようになり、いまの時代を考える重要なキーワードになっています。

つまり従来のようにモノをつくれば売れた時代はとうに終わっていて、新しい時代に合わせたビジネスが求められるようになっています。これは自治体の政策にも同様のことが言えるでしょう。

とくに人口減・首都圏への一極集中が進み、税収減のまっただなかにある地方自治体にとって、いまの舵きりが将来のまちの持続性と大きく結びついます。

例えば、新しいハコをつくるのがメインストリームだったハコモノ行政は、既存のハコを新しい形に変えていくリノベーションが当たり前になりつつあります。そう、これまでの当たり前が変わりつつあるのです。

ちょっと教科書的な話が多くなりましたが、いまどんな時代にあるかはなんとなく理解いただけたのではないでしょうか。

では、そんな時代に自治体が取るべき戦略はなにか。

それは若者の意見をまちに反映させていくこと一択だと自分は考えています。若者が未来を感じられないまちに未来はありません。

まちのなかで活動していると様々なしがらみと直面することがあります。政治がらみだったり、人間関係だったりするんですが、これが本当にめんどくさいのです。そして、それが非論理的な意思決定に結びついてしまいます。

うまく振る舞っている大人の方からは「まあ、あと5年、10年もすれば上の人はいなくなるから」とよく言われます。でも、ぼくはそんなことしてる間に取り返しのつかないことになってしまうようで仕方ありません。

これはきっとどの自治体でも起こっていることだと思います。

現状に満足できない若者が色々提案して潰される。しがらみに負けて、まちから出て行く。これは起こってしまっていることです。つまり、既に未来を失ってしまったまちは多くあるということでもあります。

しがらみの渦中にいる方は、自分自身の保身だったり、なんらかの事情があってそう振る舞っているかもしれません。でも、コロナでより不安定性が増したこの時代に、その振る舞いは未来を失う態度そのものです。

活気のあるまちには、活気のある人がいます。その人たちが様々な形でまちの中で思いを実現し続けているから、まちの活気に繋がっています。

裏返せば、自分自身の思いを形にすることができないまちは活気がないし、住みたいとも思えません。

自分の思いを形にできそうか、思いを話して響きそうな人はいるか、思いを応援してくれそうな方がいるか。そのまちが活気付くポイントって、結構シンプルなことだと僕は考えています。

その意味で、まちの姿勢として若者の意見を聞こうとしているか、それを応援しようとしているかが重要です。これは制度として確立できることであり、市民ひとりひとりの思想として根付かせていく必要があるものでもあります。

ぼく自身が全国でお手伝いしている若者参加政策はまさにこのことを、実体化していく営みだと考えています。

もちろん思いを形にできるまちの方が良いというのは、若者に限った話ではありません。しかし、高齢化が進む社会では、まちに住み続ける若者の存在は極めて貴重です。若者に移住・定住してほしくないまちは、この世の中にはないと思います。

そして、さらに重要なのは、ただ住み続けるだけでなく、まちの主体として動く若者の存在です。行政規模は確実に縮小するので、行政が担っていた公共サービスには、必ず抜けが出てきます。それを埋めていくのが市民のチカラです。

若者は未熟であるとよく言われますが、未熟とは新しいことであります。その新しさを生かし続けられるまちになるといいなぁと思うのです。


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