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You, saving me so many times



 白いお犬に原因不明のアレルギーが出て、毛が抜けあちこちが禿げるなどした。痒がって一晩眠らなかったことがあって(それを知っているということは、わたしも眠らなかったということだ)、その姿がひどくこたえた。
 幸い治療が功を奏し、元気印の旗を翻して暴れては、ひっくり返っていびきをかいている。うっすらと新しい毛も生えてきた。
 早すぎるいきなりの猛暑と湿気、お犬なりに体のバランスが崩れていたのかもしれない。暴れん坊でも人間に換算すれば六十歳を越えている。
 かくいうわたしも、同じ頃から身体がしっくりしない。アラフィフよりアラカンの方がはるかに近くなって、もっと労ってやらないといけないのかもしれぬ。
 そう思っているところに。

 有料マガジンだったけれど吸い寄せられるように購入。
 料理があまり好きではない。つくるよ、ひと通りのものは、まあ。でも好きじゃない。ライフハックだと思うだけ。あるいはお犬に手作りごはんを食べさせようと思って、もうねすごい喜ぶから。ついでに自分のものをつくる、そんな感じ。
 そんなわたしが、ハマった。とてもやさしい味がして、旬のエネルギーがうつしだされて、食べるそばから身体に沁み込んでいく感じ。
 あ、これはわたしを救ってくれるのだな。


 今朝、二周年の記事を拝見してから二時間くらい、本を繰る手が止まらなくなるみたいに、この方の記事を読み続けた。


 娘さんのことを語られる眼差しに、わたしは不意に泣きそうになる。多分、自分が母からこのように思われたかった、ということがそのままそこにあるから。
 アラカンが近づいてなお。
 自然治癒したもの、縫い合わせたもの、漏れ出ないよう埋めたもの。
 Marmaladeさんが子育てについての思いを綴られているものに触れながら、ああ、そうかと腑におちた。
 わたしは自分がそうされたかった、と思うままに白いお犬を育ててきたのだな。
 パピヨン子ちゃんはママの宝物、あなたのことが大好きよ。
 お犬は抱きしめられることを好む生き物ではないから、撫でて、といわれた時にいそいそ、わしゃわしゃわしゃとおつきあいする。
 これはわたしの娘であり、わたし自身でもあるのだな。そうやって、お犬を迎えて十一年の間、いろんなものを塗り替えて治そうとしてきたのだな。
「あんたはきつい母親になる」
 わたしは結局子供というものを持たずにきたけれど、母の予言はきっと間違い。
 こうやって、また一つ、わたしを救ってくれるのだな。

 


7.11のつぶやきより再掲

 七月の初旬に巨頭会談が実現した。
 あんこ大臣はgeekさん、クッキー大臣はMarmaladeさん。
 クッキーはもう、全てわたしの一部に。あんこは半分を冷凍したので、上新粉こねてお団子にして、冷やしぜんざいができる予定。
 皆さん書かれているように、noterさんは会った瞬間から懐かしい。大人になってから、年齢も性別も仕事もぶっとばしたところに、新しい友人ができる。
 miracle! 



 勝手な想像によると、geekさんの仕事とわたしのそれとは多分、名刺とかに刷ったら全然違うものだろうと思う。けれども、根底のところに科学があって、ノーベル賞を狙っちゃうというか。
 ちょっと何を言っているのかよくわからぬよ(笑)。



 わたしはもうノーベル賞はやめて(しつこい)、次の三十年はもの書きを目指すべく使おうと思っていたりする。
 ところへこんなものを投げ込まれて、もう爆弾に等しい。
 分析という手法を用いて短編小説を書いてしまう。
 これは科学だ。弱点だとわかってはいたけれど、こういう分析的思考が希薄な自分はやはりノーベル賞に向かないと思い知らされて(しつこい)。
 もの書きとしても頼りないではないか、登場人物の姿を追ってうろうろしているだけでは。
 テーマと小道具の扱いの強弱もいいのかこのままで。
 しばらくgeek materialに感電して気絶していたけれど、気づくのである、この爆弾が、いつかわたしを救ってくれるのだな。



 夜、お犬が撫でてといってきて、ついでに口元にチューをしてくれる。親愛の情というやつだ。
 でもわたしは知っている。
 さっきまでおちり舐めてたよね。
 だからそっと後ろを向いてTシャツの袖で自分の口を拭う。


 ありがとう、わたしは救われて救われて、まだ歩いていけそうです。


 p.s.


クッキー大臣会見


あんこ大臣会見


お気持ちありがとうございます。お犬に無添加のオヤツを買ってやります。