『自己肯定感』ってそういうことじゃない

こんにちは、犬です。

全部同じ文字だと工夫がないと思って太文字にしてみました。
僕の画面では太いのかよくわからないです。


皆さん、勘違いをしたことはありますか?

僕はつい去年まで、カトラリーのことをカラトリーだと思っていました。

こういうの、あるあるですよね。

ルパン三世の「Lupin the third♪」を
「ルパンルパーン」だと思ってたり

貞子の映画「リング」のテーマ曲を
「来る~きっと来る~」だと思ってたり
(正しくは「Oooh、きっと来る」)

YシャツのYは両手を広げた形のことだと思ってたり
(正しくは「White shirt」が訛ったもの)

勘違いにもいろいろあります。

さて、
皆さん、この言葉はどんな意味だと思いますか?


「自己肯定感」


ここ2,3年でよく目にするようになりました。

自分を好きでいられること。
自分に自信が持てる気持ちのこと。
こんなイメージでしょうか。

自己肯定感が低くて生きるのがつらい…
なんて思う人も今では少なくないでしょう。

雑誌やネットなどの記事で、
自分に自信が持てない人に向けた
「自己肯定感を上げよう!」
という特集もよく目にする気がします。
大体ついてまわるフレーズは
「自分のことを好きになろう!」
です。


それ、全然違います。


すみません、もうやめますね。

では、一体なにが違うのか。

自己肯定感とは
「ありのままの自己を自己と肯定する感覚」
のことです。

肯定というのは
「そのとおりであると認める」という意味です。
「好意的に受け止める」という意味ではありません。

自分のことが好きか嫌いかは、
自己肯定感とはあまり関係ありません。
むしろ、自分を好きになれないと自己肯定されないと思うことの方が大きな問題です。

これはとあるカウンセラーさんの受け売りなのですが、
「自己肯定感」という言葉自体が誤解の原因となっていると思われます。

自己を肯定できなくて苦しんでいる人の状態を正しく言い表すと、
「"自己肯定感"が低い」ではなく
「"自己否定感"が強い」です。

自己否定が強い状態と聞いて頭に浮かぶのは
「僕はなんてダメなんだ」
「私はこんなことすらできない」
といって落ち込む姿だと思います。

しかしその姿は表面上のもので、
自己否定はこの言葉の裏側にあります。

それは、
「こんなにダメな僕は僕だと認めない」
「これができない私なんて私じゃない」
これこそが自己否定の根幹です。

自己肯定とは
「ありのままの自己を自己と肯定する感覚」であり、
自己否定とは
「ありのままの自己を自己ではないと否定する感覚」です。

だんだん、自分のことが好きか嫌いかは自己肯定感と関係ないといった意味がわかってきましたでしょうか。

たとえ自分の顔、自分の性格、自分の能力が嫌いでも
「それが自分である」と肯定できることが自己肯定です。

逆に、どれだけ自分のことを好きになったとしても
「こうじゃないと自分ではない」と思ってしまえば自己否定です。

なので、
自己肯定感を上げようと言いつつも、
そのためにあれをしろこれを考えろ等と条件や課題を課す主張を僕は全面的に否定します。
裏を返せば、それができないと自己を認められないという自己否定にしかなりません。

自己肯定に複雑な条件は必要ありません。
ただ、自己を自己であると認めるだけです。

早い話が「自分磨き」と混同されているわけです。

自分磨きが悪いというわけではありません。
より良い人間を目指すこと自体はすばらしいと思います。

しかし、自己を肯定できていない人間がそれをやっても
「磨かれていない自分なんて自分じゃない」に陥るだけです。

また、よくある勘違いですが
「別に俺は俺なんだからいいじゃん」とか、
「ミスや失敗なんて気にしない」など、
開き直れることも自己肯定感と混同されがちですが
実際はあまり関係ありません。

この話は「ダメな自分でも良い」
という意味ではありません。

「ダメな自分でも、それが今の自分であると認める」という話です。
良いか悪いかはそのあと自分で決めることです。

肯定と否定を「良い」「悪い」と言い換えてしまうと誤解しやすいです。
良かろうが悪かろうが、まずはそれが自分だと受け止めるまでの話です。

そして受け止めた先にあるのが、
美意識です。
こんな自分が好き、こんな自分は嫌い、
という尺度のことです。

自分を自分だと認めた上で、
今よりもっと好きな自分になりたい。

ここまできて初めて自分磨きができるわけです。

なぜこんな話を書いているかというと、
僕がとあるパーソナリティ障害で自己否定に悩んだ経験があるからです。

詳しい話は割愛しますが、
自身の異常を自覚してから、
専門家に見てもらうよりも、自分が専門家になった方がいいと思い、
病院に通うのではなく、メンタルケアの資格を目指して心理学やカウンセリングについての勉強をしました。

そして昨年に第一段階の試験に合格し、
来年はさらに上級の試験を受ける予定です。
ここまでの話も、ズブの素人の意見というわけではないと思っていただけると幸いです。

自分語りはこの辺にしておきまして。


「自己肯定感」という言葉。
皆さんは正しく認識されていましたでしょうか。
流行り言葉のようになってしまっているので、
正しい意味とかそんなのどうでもいいわいって人も少なくはないと思います。

しかしその流行りによって、
自己肯定感を高めようと思ったのに結果的に自己否定感が強くなってしまう人も多いのではないかと危惧して、
遅ればせながら警鐘を鳴らしたいと思いました。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

もし、これを読んでも心のもやもやが晴れない、
なんかスッキリ理解できないという方がいらっしゃったら、
お気軽にご連絡ください。頑張って一緒にもやもやを解きほぐします。

これを読んで心のもやもやが晴れた、
スッキリ理解できた!という方も、
お気軽にご連絡ください。祝杯をあげましょう。

それでは。

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