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オーストラリアの小学校への感想

我が家が日本からオーストラリアに引っ越してきたのは2016年末だから、もう6年半も経つことになります。改めて考えてみると時の流れの速さを感じます。子どもが小学校に入学したのはプレプライマリー、いわゆる年長さんの歳からでした。

学校教育のシステム

オーストラリアも日本と同様、小学校から義務教育が始まります。でも、年長さんの歳から開始となるので、実質7年間は小学校に通うことになります。そして義務教育の終わりは高校1年生の歳です。日本の義務教育は9年に対してオーストラリアのそれは11年と、ちょっと長いですね。学校の年度は1月〜12月となっていますが、学年の区切りは7月生まれ〜6月末生まれが同学年という決まりがあります。めっちゃくちゃややこしい。最初はなんの話をされているのかさっぱり分からなかった思い出。噂によるとこの区切りは州によって変わるから、オーストラリア人も混乱するとか・・?

良かったと思うところ

では早速いってみましょう。オーストラリアの公立小学校で良かったなと思うところ。こういうのって個人差あると思うし、親が生きてきた年代にもよると思うし、何なら学校によっても違うと思うので、あくまでも「あ、こんな感想もあるのか」程度で流し読みしてください。でも、もし、ちょっとでも賛同を得られたり、お役に立てたりしたら嬉しいなぁと思ってたりします。

  • 可能性のある子を活躍させる土壌がある

例えば音楽だと、音楽の先生が伸び代がある子を各学年で何人か選びます。
その子たちは先生から指定された楽器をタダで習える。低学年はバイオリン、高学年になってくるとチェロとかクラリネットとかトランペットとか入ってきます。でも、毎週一度のレッスンは必ず授業中に行われ、それが何の授業であろうと抜け出してレッスンに行く義務があります。たとえテストの時間であっても、レッスンを優先させないといけないことになっています。
スポーツだと、運動会とか水泳大会、クロスカントリー(イメージは持久走大会)がある度に体育の先生が記録を出した子を選抜して、今度は学校対抗の大会に連れて行きます。
勉強面だと、英語や算数に関してはクラス内でレベルのグループ分けがあり可視化されるので、自分の位置が分かりやすいというメリットがあります。年度によっては、選抜された子たちは通常の授業中に別の教室で別の専門の教師から授業を受けるということがあったりもします。

  • アプリで完結

学校でアプリ導入を求められます。
でもって、行事とか保護者へのお願い事なんかは全てこのアプリに連絡がきます。欠席連絡もアプリ。何かの支払いも全部アプリです。
だけど2週間に一度のNews Letter(学校通信みたいなの)はなぜかメール。
情報が多いからかな。
とても便利だけど、時々埋もれて探すのが大変になったり、多分サーバーとかの関係だと思うけど古い情報が削除されていて、もし読みそびれていたらアウトです。他のお母さん達から聞かないといけない。
でも学校関連の情報は全部そこ!って考えたらやっぱり便利。

  • 全員が褒められる

毎週とか隔週で全校集会が開かれます。
大体一回が30分くらいで、そのうち最初の15分くらいは各クラスの持ち回りで学芸会のような学習発表会のようなことを行います。
後半の15分で校長先生のお話と賞状授与があります。
この賞状は学校の生徒全員必ずもらえます。必ずです。
毎回クラスごとに数人ずつ選ばれて、どんなことで賞状をもらうのかが発表されていきます。
例えば、「算数頑張りました」もあるし「グループワークで活躍しました」もあるし「優しくてフレンドリーです」もあったり。
担任の先生がそれぞれの生徒の強みを見つけて手書きで賞状を書いてくれます。
基本的に全校集会は自分の子供のクラスがメインの時しか見に行かないのですが、賞状授与があるときは担任の先生からダイレクトメッセージが届くので、逃すことなく見に行けます。

いまいちだなと思うところ

日本と比べて海外の教育の方が全部優れてるなんてことはやっぱりなくて。
両方の良いところを取れたら最高だなと思うのですが、もしそれをやろうとすると、どちらの良いところも潰れてしまうのかもしれないですね。

  • 掃除の時間がない

日本の学校は放課後にみんなで掃除しますよね。
だから掃除の大変さも分かるし、ゴミはゴミ箱に捨てるっていう習慣がつきやすいですよね。整理整頓だって、やっておかないと後が大変なのが分かる。
でも、ここではお掃除はお掃除屋さんがやります。
そのせいか、みんなゴミはその辺に捨てるし元通りに綺麗に整頓するなんてこともしません。トイレにサンドイッチやフルーツを捨てることもよくあるし、衛生観念も低いです。
年に数回校庭のゴミ拾いがありますが、そんなのなんの役にも立ってないと思う。

  • 姿勢が悪くなりやすい

教室では椅子に座って机で勉強することもありますが、床で胡座をかいて過ごす時間も多いです。ランチも外の地面に胡座で食べます。
そんな生活を毎日していると姿勢が悪くなるんだなぁと思って見ています。
そしてそれを注意する人も誰もいません。そして姿勢が悪いからみんなこんなに字が下手なのかな。
姿勢をうるさく言われたり、習字の授業があったりする日本とはだいぶ違うなと思います。
でも、姿勢はやっぱり良い方がかっこいいですよね。

  • やりたくないことはやらなくてOK

これはどちらが良いのか分かりません。
でも、たとえば体育の授業でサッカーはやりたくないなぁっていう場合、
参加しなくても文句言われません。
ただ成績に反映されるだけで、努力を促されることもないし、まずはやってみようかという声がけなんかもないです。
個人の意見が尊重されるというか、放置されるというか。
できる子だけの世界ができあがります。
日本のように全員でやりましょうという文化ではないので、強制力は全くないんですよね。
私も運動神経は良くないので、体育の授業は種類によっては地獄だったんですが、経験値が増えたり、練習したらできるようになったという成功体験もあるので、こうして最初から「やりたくない」という意見を尊重しすぎるのってどうなのかな。。と感じています。

親の参加度

各クラスで取りまとめ係を2名ほど決めています。
これは先生に直接お願いされたり、立候補だったり。ある中国人のお母さんは、こういうのに参加して先生と仲良くなっておくと色々特典があるからという理由で手を挙げていました。
年間行事はそれぞれ持ち回りの学年が決まっています。
例えば運動会は4年生の親が中心になってやってねとか。そういった時にこの取りまとめ係が中心となってイベントの準備に参加していきます。ただもちろんそれでは人数が足りなさすぎるので、それぞれのクラスにボランティアを求めるところから始めます。みんな協力的で、あっという間に人数が集まるのは良いなと感じます。
他にも、それこそボランティアでお父さん達の会もあって、年に1度か2度は夕方に学校でホットドッグを売りながら子供達を遊ばせるような事をしています。だけどこれはきっとお父さんたちの飲み会がメインですね。

まとめ

色々思いつくままに書いてきましたが、他にも多分たくさんあります。
年間の行事に関してもまとめていこうかなと思うので、続編を書くかもしれません。
お金持ちの多いエリア、アフリカ系の多いエリア、モスリムの多いエリアなど、場所によってカラーが違うので一概には言えませんが、個人の意思を尊重して得意なことを伸ばしてあげるという方針は同じだと思います。
そのせいなのか自己肯定感が高い子が多いです。でもこれって、実際の自分がどうかは関係なく「自分できる!」っていう感覚のようで、なかなか現実とのギャップを埋めるのは親としては苦労するところです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!





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