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東北旅 お土産話 その3

実家に戻ってから、
ずっと気になっていた
父方の家のお墓参りに行った。

母は妹の世話、
父親も病院があって、
なかなか
お墓のことまで
出来なかったのだろう。

仕方のないことだけど、
お墓は荒れていた。

両親は、
管理会社がいけないのだと
ずっと言っていたけど、
結局のところ

墓参りに行ってない。
そして、
お墓は、荒れていた。

この事が真実。

母親に
なんでこんなことに
なってるの!って
怒りながら、
墓の掃除をした。

墓だろうと区画内は
持ち主が綺麗に
するものなのよって

言った所で、
両親には
伝わらなかった。

その後、父も一緒に
墓参りをした。

私が実家に戻って、
半年くらい
かかっただろうか。

10年ぶりくらい
家族揃っての墓参りだった。

少しずつ、
少しずつ、

私の心が整うように
両親の心も整ったのかも
しれない。

亡くなった祖父は、
お酒が大好きな人だった。
裕福ではなかったけれど、
愛に溢れた人だった。

幼い頃、遊びに行くと
上機嫌で私はおじいちゃんの
膝の上で、ただただ
嬉しかった記憶がある。

父親に言わせると
酒飲みで、周りに迷惑を
かけてってよく言って
いたけれど、

私には優しかった。

どんなことにも
正解も不正解もなくて

私には、
それがおじいちゃんの姿だった。

おじいちゃんのお葬式の記憶は、
うっすらだけどある。

団地の集会場、
それなりに
立派なお葬式だった。

外構工事の職人だった祖父。

工事現場の人が
参列していたことを
覚えている。
お葬式に合わない作業服。

それが私の片隅に
残っている。

ある人が、

ふる里を離れる時、
人はそれなりの傷を
負っている。

そんな事を
言っていたけれど、

祖父もそんな一人
だったようだ。

東北旅行の土産話を
していると、
父がそんな話をしてきた。



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