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東北旅 最終日

あなたにとって、
気の済むまでの時間は
どのくらいですか?

私は、ゆっくりと味わう
お茶、2杯分。
それがその時の私が、
気の済む時間だった。

おばあちゃんの言葉だけで充分。
これこそ、愛だ。

そして、その余韻を噛み締める時間。
お茶2杯と沢庵一枚。
じっくり味わう。

本当、それだけでよかった。

しばらく、牡蠣の作業を
ガラス越しに見て

ドアを開けた。

ご馳走様です。
ありがとうございました。

番屋を出る。

若い男の子が、

おー、また。

うん、またね。

漁村の未来は明るい。
また、来るよ。本当に。

そう思った。

震災後、出来ただろう
高くそびえる堤防は、
暮らしを守る。

そして、豊かな海を
もっと高くから
見下ろせる場所になった。

それに、ちゃんと
大切なものを守ってる。

しばらく、堤防から
海を見てそんなことを
思った。

さて、帰ろう。

今回の旅は、海に救われた。
そして、あの人も
この自然に心から
愛されているんだ。

だから、大丈夫。
きっと、大丈夫。

帰りの駅から
海を眺めて、
そう感じた。

魂、半分。
駅のベンチに置いてくね。

そこで私は、
ずっと海を見てる。

あなたが愛して
止まないこの海を。

ありがとう。





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