映画レビュー「パラドクス」
ポスターが全く作品を表現できていない摩訶不思議な哲学的SF作品
★3.5/5
タイトルからしてタイムリープものかなぁと思いつつ
ポスタービジュアルの安物臭さが気になって
あまり観る気がしなかったのですが、
秋の夜長に鑑賞してみました。
そしたら・・・
いや!
まず何よりポスタービジュアルが酷いな!!(笑)
作品の良さを1ミリも表現できてないやん!(笑)
このビジュアルを作った人は一体誰なんだろう??
この作品を多くの人に見て欲しいとちゃんと思って作ったんだろうか??
そっちの方がかなり気になってしまうほどに酷い
ビジュアルと作品の中身の不一致ぐあいです。
ちなみにポスターにいる女性は全く映画に出て来ません・・・。
それはさておき、
この作品、本当に不思議な味わいですね〜。
2016年、メキシコ映画。
基本的には
無限ループに閉じ込められてしまう人たちの
顛末を描くSFなんですが、
メインは2つのストーリーから構成されていて、
最後の最後にそれら全てが繋がっている事が示される
という流れになっています。
一体何がどうなっているのか、
作品内で登場人物が割と丁寧に説明してくれるのですが、
これがまた難解で一度聞いてもほとんどわかりません(笑)。
どうやらこういう事なのかな?という
おぼろげなイメージはなんとなくは掴めますが。
ざっくり言うと
人が生きている「通常の人生」の裏には
それを支えている「裏側の人生」があり、
その裏側の人生は表の人生を支えるためだけに
ループしながら存在している。
という構造がストーリーのキモになっているようです。
うーん、でも、この作品を見たからといって
誰かが自分の人生を支えてくれている、とか
自分の人生を大切に生きよう、とか
そういう事はあまり思わないんですけどね。
1時間40分ほどの尺ですが、
後半の種明かし的展開になるまでは
割とダレてしまう所もあります。
途中までは説明がなさ過ぎて
これは物凄い三流の極み的作品なのか?
と思ったりもしますが、
途中まで感じていたよりは
後半はかなり斜め上を行く展開を見せるので
「おおっ!」となる事はなりますね。
長い年月を表現するための
映像描写がとても面白いです。
摩訶不思議な世界を味わいたいなら
ぜひ観るべき作品だとは思いますけど、
まあ観なかったら損するというレベルでもありませんかね。
とにかく本当に独自の人生哲学を表現している
不思議な不思議なSF作品でした。
しつこいようですが、
今からでもポスタービジュアルは変更した方が
この作品が幸せになると思いますよ(笑)。
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