件の比較広告から
どうも、(おはよう!会えなかった時のために、こんにちは!こんばんは!おやすみなさい!)えんどうです。
Family Martが仕掛けた下克上なのか
10/18の読売新聞朝刊に掲載された、ある広告がネット界隈というかTwitter上で大いに話題になっていた。話題になっていた、というよりも広告やマーケティング界隈(に属する称する人たち)が評価・称賛していたのだ。
内容はFamily Martがプライベートブランド(PB、自主企画品)「ファミマル」を10/19から発売するのに先駆け、読売新聞の朝刊(全十五段、つまり一面すべて)に「負けていたのは、イメージでした。」と題する広告を出稿した。
渋谷駅には「そろそろ、No.1を入れ替えよう。」と交通広告も掲出し、発売した今後はさらに訴求するための広告出稿が目につくことだろう。
業界三位のFamily Martが「そろそろ、No.1を入れ替えよう。」とした今回のメッセージは広告界隈の人たちから大絶賛されている印象だ。少なくとも、ぼくが観測していた範囲では否定的な意見よりも肯定的な意見が多く見受けられたわけだが、まぁ、ぼくの観測範囲だから当てにはならないのはご存知の通りだろう。
肯定する彼らの意見を拝見していると、概ねこうだ。
「業界二位のLAWSONではなく、Family Martが出すことに意義がある」
「Family Martが出すことによって2位以下はすべて同列であり、生活者に対して結果的に巨人であるセブンイレブンに対抗しうる存在であることを強烈に印象づけることに成功した」
「その根拠として読売新聞へ出稿した比較広告により、品質的な課題ではなく、あくまでも第一想起されるかどうかなどのイメージが課題だったことを強調していることと、こうやってSNSで話題になっている点が後押しするだろう」
こんなところだ。
ふむ。確かに、ここまで体勢をひっくり返しにかかるぐらい大掛かりな広告出稿を手がけるのにかけた工数はモノすごいものだったのだろうし、中の人たちはこれらの反応を見て大層喜ぶのと同時に、「勝負はここからだ」と帯を締め直したに違いない。
そう、本当に大切なのは、現状のイメージをどうやって払拭するのか。逆転するのかであり、実際にそれを成すことができるかどうかだ。ここまで大々的に打って出たのだから、数年後に成果が出ていなかった際に大きなバッシングにつながる可能性すらある。
そう、今回の広告出稿は諸刃の剣なのだ。
しかし、それを踏まえてでも今回の攻勢を仕掛けることは、少なくとも自信と戦略的な意義があるのだと判断したからであり、たとえ失敗に終わったとしても後悔はないという、むしろ潔い姿勢だと見ることもできる。
そういう意味では背に腹はかえられぬ、とでも言わなければならないほどに追い込まれているのかとも。
いずれにせよ、今回のFamily Martが一位を獲得しうるのかどうかを冷静に判断するためには、彼らが置かれている状況を見る必要があるだろう。
業界一位の巨人は本当に巨人である
結論から述べると、業界大手の巨人は圧倒的な力量と存在感を誇っている。
以下、株式会社デジタル&ワークスが運営する「業界動向サーチ」から見ていこう。常々、参考にさせてもらっている。
セブンイレブンはセブン&アイ・HDとしての数字であり、海外コンビニ事業の数字も入ってるためあくまでも参考程度に見るべきではあるものの、そんな時はセブンイレブンジャパンの損益計算書や貸借対照表を見れば済む。
こうなってくると、他のコンビニも見るべきかもしれないが、流石に面倒なのでやめておく。もう少し時間がある時にゆっくり時間をかけてやることとしよう。
しかし、一つ言えることはFamily Martがこの差を覆すには「相当な努力」では足りないということだ。
今回のFamily Martからの徹底抗戦と下克上を表現した態度に対し、セブンイレブンの立場に立って考えてみれば「いなすだけ」で十分だろう。
「え、いや、うちはお客さんと真摯に向き合うので...!他の競合を見るよりも大事なのはお客さんが満足することですから!」
これを笑顔でいうだけでセブンイレブンの評価は「さすが巨人!」となり、この闘いに終止符を打つことができる。いや、この時点で闘いにすらなっていない。
そう、闘いにすらなっていないのだ。
セブンイレブン側は何も気にすることはないかもしれない。むしろ、気にするのは業界二位とされるLAWSONだろう。しかし、だとしてもセブンイレブンは鼻にもかけないことを想像することは難くない。
巨人はいくらアリが懸命に噛み付いてきたところでダメージは受けない。気にすることはあるかもしれないが、デコピンして終わりだ。
蛮勇にすらならないことが怖い
勇敢と蛮勇は異なることを多くの漫画を読み、ぼくは知っている。時として蛮勇を誇る仲間には死亡フラグや大ダメージフラグが立つものだ。
それを考えると、今回の比較広告で勝負に出たことで一番怖いのは「何も起きないこと」である。すぐさまに忘れ去られ、比較されることもなく、ただ時が流れてしまい、巨人が巨人のまま君臨するという状態を見ることが一番の恐怖だが、もしかしたら可能性が高いのではないか。
それほどにセブンイレブンの持っている「コンビニ=」のイメージは大きい。
比較広告内で行われたイメージ調査で、先に出したのがセブンイレブンの商品だ。先に出した側は基準となってしまうため厳しめに評価されることを考えると、本当に勝負したいのであればFamily Martは自分たちの商品を先に出すべきだった。
いずれにしても、こんな風に地方在住の田舎者が考えるだけの機会と話題を提供してくれたことには感謝しかない。
ありがとう、Family Mart。ファミチキはおいしい。
ではでは。
えんどう
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