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マイナポイントで釣ろうとするのは違う

はじめましての方から頻繁に起こしいただく方まで、ようこそ。 どうも、ゑんどう @ryosuke_endo です。

このnoteでは、特に読む必要がないと感じられることかもしれないけれど、ぼくがだれかと対面して話したい”雑談”を文字化するものなので、そんな雑談にお付き合いくださる方は、ぜひ読み進めてください。

はじめに

河野太郎デジタル担当大臣が吠えていて、随分と心地のいい状態になってきたなって客観的に見ています。

マイナポイント「邪道」 河野デジタル相

片や、同じようなタイミングで元P&GでStrategy Partners代表取締役の西口一希さんがマーケティングやブランディングについて解説する有益な記事を読んでいたのだが、双方のコメントは本質的に通ずるものがあった。

そんな雑談をしていくこととする。

生活者側に受入れられる便益がない

マイナンバーカードの普及率は約45%だと財務省の「予算執行調査」の結果からわかっている。

「マイナンバー」という名称自体の知名度は高そうなものだが、実際に保有している生活者は日本の半数にも満たないのだそう。

上記のNHKニュースの一節にも記載されているが、普及率の高い自治体はカードを活用した独自の行政サービスを取り組むなど、取得した生活者側に便益がもたらされている。

具体的には、宮崎県都城市ではマイナンバー取得者への特典として、地元信用金庫での定期預金の金利を引上げや地元銀行の子育て応援ローンの金利を引下げるなど、金融施策の面からアプローチしていたりする。

また、群馬県前橋市では、母子手帳での情報管理ではなくICTを活用したサービスを活用することで予防接種のタイミングや健康診断の情報を取得できるようにしている。

こういった自治体のみでの普及活動ではなく、民間事業者と共に便益を提供することで利用するインセンティブを構築しなければならない。

しかも、それは行政視点からの便益ではなく、市民・生活者視点での便益である必要がある。

iPhoneはプロダクトがいいから売れた

冒頭で紹介した日経X TRENDの記事の内容に触れるが、西口さんはP&Gでヴィダルサスーンやパンテーンのマーケティングを担当し、商品のブランディングをするためのクリエイティブをたくさん生み出した。

CMや制作物は広告賞を受賞し、華々しくプロモーションやブランディングができたと思っていたが、まったく商品が売れなかったそうで、それを惜しげもなく理路整然と自身の失敗を明文化している点で、この記事は本当に有益なものだった。

以下、少し長くなるが記事冒頭に出てくるブランディングを履き違えないための前提が語られている部分を引用する。

消費者はプロダクトやサービスを買っているのではなく、具体的な便益を買っています。ブランディングと呼ばれる表面的なデザインや広告表現だけでは継続的に購入してもらえる要因にはなりません。Appleですら、同じブランディングの下で数々の失敗を積み重ねています。

機能的な便益が弱く消えていった、「Apple III」「Lisa」「Macintosh TV」「Newton」「Power Mac G4 Cube」といったApple製品をご存じでしょうか。すべて知っている方は少ないと思います。なぜなら、広く認知されることもなく、消えたからです。一方で、売れた商品やサービスは記憶に残り、多くの人に「ブランド」の成功と語られます。これが原因と結果の履き違えをますます加速させるのです。

日経クロストレンド「P&Gでの失敗で気付いたブランディングの誤解 顧客は便益で買う」

「顧客は便益を買っているのだ」という、もっともな意見だ。しかし、十分に勘違いしてしまいそうになる本質をしっかりと見抜いてる。

つまり、本質的な価値や便益を提供するからこそ商品やサービスを利用するのであり、表面的なデザインや広告表現で注目を集めたところで持続的・継続的に購買・利用されるようなものにはならない。

今回、河野太郎デジタル担当大臣が「邪道」と表現していることも上記の西口さんの主張と相通ずるもので、本質的にはマイナンバーカード自体に機能的な便益があるからこそ普及するものだ。

いくらマイナポイントを配布したところで、その先の生活上の便益や利用想定がみえない限りは普及しないだろう。

おわりに

ぼくは既にマイナンバーを保有し、確定申告や給付金の口座登録、健康保険証化やねんきんネットとの接続など出来得る限りのことは既にやっており、マイナンバーカード保有者の鏡(!)であると自負している。

ぼくなりに便益を感じているからこそ取得しようと思ったが、取得直後は利用の想定がまったくできなかったことを思い出す。

もちろん、国から出ている情報を見ていたし各種報道によってマイナンバーカードが描き出す未来などをわかっていたからこその取得だったわけだが、それにしたって早期でのメリットは何も感じられなかった。

いま取得が滞っているのは、そうやって個人の便益に何も添い遂げられていないからでしかなく、それは国のミスであり各自治体のミスでもある。
どんな便益を提供し、どんな場面での利用が簡略化され、生活が豊かになるのかを具体的かつ実利的に構築しない限りは今後も普及なんてしていかないのだろう。

まぁ、マイマンバーを保険証化するのはいいとして、協会けんぽなど国民健康保険以外の保険証との兼ね合いを説明するなどしてほしいものではあるし、それに困る人たちもでてくるだろうからブッキングするような場面も想定してほしい。

よし、以上である。ここまで34分で書きました。

ではでは。

ゑんどう

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