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#何気ないツイートから始まる物語 (11話)〈クラウドファンディングのリターン〉

何気ないツイートをきっかけに、スポーツビジネス界の大物と地方都市に住む一般人であるぼくがイベントを企画・実施することになり、その後の人生に大きな影響を与えることになったことを記した、ちょっとした物語。

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前回まで
クラウドファンディングのサイトの選定が終わった。あとは支援に対するリターンを考えなきゃならない。何せ、三サイトもあるし、何よりも支援が多く集まってしまったら、と期待に胸が膨らむも...。

返礼品(リターン)をどうするか

クラウドファンディングは支援を募集するものだが、同時に、その支援額に対して相当額の返礼をする必要がある。その返礼は有形の品物や製作物なのか、それとも無形のサービスなのか。それはクラウドファンディングの起案者が決めるものであり、そのクラウドファンディングを「求めている人たち」は「何をリターンにされたら嬉しいのか」を考えることが必要になる。

正直に書けば、クラウドファンディングを起案する側は「資金的に困っていること」があるからこそ、クラウドファンディングで情報をオープンにしてまで支援を募ろうとしているのだから、可能な限り出費は抑えたいところだ。

クラウドファンディングを利用するケースとして、製作物がある場合には商品の開発や工程に必要な資金をクラウドファンディングで調達を目指すことを目にすることもある。その際のリターン設定例としては、製品が欲しいと願う人たちに対して製品を通常購入するよりも安価に設定した上で返礼品として届ける。つまりは先物買い契約を結び、まだ市場に出ていない製品を受け取れる権利を与えるのだ。

中には社会的に意義のある取り組みに対して支援、たとえば花火大会や祭りなどに「すでに開催実績がある」催事に対して支援を募るケースなどもある。クラウドファンディングで資金調達を目指す取り組み全般に共通して言えるのは、製品だろうが、サービスだろうが、催しだろうが、「未来のこと」を語り、それに対する賛同者を募ることにある。

起案者が語る未来が具体的であればあるほどに、支援をする側が現実的なものだと判断できればできるほどに、支援のしやすさが変わるもの。それがクラウドファンディングだ。

リターンの内容を決める

今回のぼくがクラウドファンディングする目的はたった一つ。イベントを無事に開催することだ。

この取り組みはぼく個人での取り組みであるため、組織的な後ろ盾は何もない。ましてや、スポーツの世界から抜け出て早4年は経過しており、誰に何の協力を求めていいのかを考えなければならなかったところからのスタートだったから、福田拓哉さんに協力を要請しているぐらいだ。人に協力を仰ぐことはできても、資金面での協力を申し出ることなど容易ではない

容易ではないのだが、やる(開催する)ことは決めたし、やることによってぼく自身に何かしらの変化が訪れるのかも知れない、と自分自身に対しての期待値もある。何よりスイスから「来る」と言ってくれる岡部さんの気持ちを大事にしたいと心底思っていたからこそ、投げ出すわけにはいかない。

ただ、資金はない。それこそ0円ベースで企画をしなければならない中でも、今回の「ことの起こり」はWEBっぽい雰囲気のある、ちょっと面白い話だと思うからこそ、クラウドファンディングでの支援を募集することを踏ん切ることができた。

繰り返しになってしまうが、今回ぼくが手掛けるクラウドファンディングはイベントの開催に向けての資金調達を目的にしたもので、リターンの多くはそのイベントへの参加にまつわる権利を設定することになる。

当日、会場へ足を運んでいただいた上で参加していただく権利や、イベント終了後にコミュニケーションを図ることができるパーティーへの参加権など、ぼくが媒介することによって、容易に会えるものではないと言ったら語弊があるかも知れないけれど、「新潟」という土地へ足を運んだことがない岡部さんはもちろん、それ以外のゲストとも参加者が会場へ来てもらうことによって「会える」「話を聞ける」権利をリターンとして設定した。

それと同時に、どうしても外したくないものがあった。それはライブ配信と動画のアーカイブだ。

新潟は、東京に近いと言っても新幹線で早くても2時間半はかかる。何かしらのセミナーやイベントへの参加を考えても、それなりの時間と交通費を覚悟しなければならないため、諦めざるを得ないものが多々あったし、それをアーカイブ化された動画で見れる機会が少ないことにも不満を抱いてきた。

せっかくインターネットが普及し、YouTubeなどをはじめとした動画再生サービスが提供されているにもかかわらず、それを利用したイベントやセミナーが多くはないことに対して、大いに不満を抱えていたし、それによって参加できない人たちと、現地に参加できる人たちとの「差」が許せなかった。

だからこそ、今回のイベントはライブ配信をすることはもちろん、支援をしてくださって権利の取得を選択してくださった方にはライブ配信したものをアーカイブとして確認できるようにした。これは、後に取り組むイベントでも同様のやり方を取ることで離れた地域の人たちから喜んでもらえることが多かったことも踏まえると、やってよかったとぼく自身も思うことの一つだ。

リターン面の交渉

イベントの資金調達を目指すクラウドファンディングを手掛けるのであれば、リターン設定をするにもゲストの人たちに交渉しなければならないことも出てくる。

イベントへの参加だけならばまだしも、ライブ配信をするためにもゲストの方々に配信する旨を伝えなければならない。それは主催者として当然の姿勢だと思っていて、配信が「ある / ない」で話をできる内容にも「オンとオフ」があるだろうし、それを前提に準備をしてもらえるのかどうかをゲストとして登壇してもらう交渉の段階から話をしておきたい。後出しジャンケンはしたくないからだ。

根本的に岡部さんから「本にサインも書くし、個人面談もやろう!」と非常に前向きなやりとりをさせてもらった中で、早急ではありながらも、それなりの形を整えたリターン設定ができたように思う。サイン本は、結果的に岡部恭英さんだけでなく、本を書いていないゲストも岡部さんが共著で出した本へサインをすることになったため、体としては豪華なサイン本になった。岡部さんとの個人面談も、当初はイベントからパーティーへの移行時間の中で短い時間だけ(5分間)の予定だったものの、岡部さんが力を込めて面談をすることになり、15〜20分ほどの面談となったため、リターン希望者からは非常に喜んでもらえた。

諸々を考えればリターン設定はもう少しアイデアを出す必要があったようにも思うが、「参加できること」に「+α」ができていたことを考えると、最低限のリターン設定はできていたのではないかと思う。

なぜなら、結果的ではあるものの、このクラウドファンディングは目標額に対して140%もの支援を調達できたからだ。

今となっては、そうやって誇らしく書くこともできるが、そんなことを想像もできないぐらい、絶望に近い形で自腹という腹を括ってもいた。募集開始の2日目までは。


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地方に住む「普通の人」であるぼくが、ある業界の大物に何気ないツイートで絡んだところから、イベントを企画・実施するところまでを追ったちょっと…

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