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#えんどうnote 「自分にしかできない仕事」なんてあるのだろうか会議

どうも、えんどうです。

なんでかわからないんですが、結構、こうみえて転職とか就職とかの相談を受けることがあります。

「所属歴の最も長い組織は小学校です」

なんて豪語してしまうぐらいだから、転職の機会が多かったヤツなんだろうと認識されているのと、「転職ができているってことは採用されてるってことだ」と認識されているのでしょう。

我が家の妻さん的には「人生フラフラの権化」だといわれてしまうぐらいに情けない人間です。

それに転職の回数が一般的な同世代の人たちからすると多い(5、6回はしてる)からといって、ボクに確固たる「転職・就職ノウハウ」があるわけでもありませんし、特に意識もしていません。

あるとしたらウソをつかないことぐらいなものです。

そんな風に相談主からは肩透かしな内容を提供することしかできないボクなのですが、相談してきてくれた方の中に「自分にしかできない仕事がしたい」って猛者、勇者がいたのです。

ほえ〜、、となりました。

その心意気やよし、と思ったのと同時に、「そんなもんあるんかな」と素朴にポロっと口から出したのはいい思い出になりました。どうやら、ボクは人間に希望などないという気なのかもしれません。

そんなわけで、今回の雑談は #ひとり会議 シリーズで、「自分にしかできない仕事」なんてあるのかな会議です。

唯一無二のスキルってなんだ

"自分にしかできない仕事"

これを聞いてどんな姿を想像しますか。

ボクの場合、ノーベル賞を受賞するような人たちが持つ「他人が見つけられない機会」や「他人がどうがんばっても出せない成果」、前提認識が覆されてしまうような結果が成し遂げられることです。

そう考えると、そもそも会社組織に属して行う仕事の類で「唯一無二のスキルを持って達成しうる成果や結果」とはなんぞや、となります。

ありません。そんなものはないのです。

会社や組織は、いかにして個人に依存することを仕組みとしてなくしたうえで再現性を高めるのか、高めた再現性を転用する機会を創出するのかといった「仕組みを構築するもの」です。

「仕組み」」とは「システム」であり、システムとは仕様を決めて構築し、適格に動作・挙動することを確認し、それで問題がなければ制度や規則として守るべき前提条件となります。

組織では常に業務に関わる事柄・情報をシェアする必要があるし、シェアした内容を精査・読解し、組織の中にハメ込める材料を模索しては試験していくことが必要となります。

ところが、まったく再現性のない唯一無二で固有のスキルや能力を保持していることが組織運営的に喜ばしいことなのかというと、そんなことはないでしょう。

大抵の組織が欲しいのは「望む業務や成果に関係した知識や経験を有している代替可能な人」です。書き方が悪い気もしますが、間違ってはいないと思うので、これでいきましょう。

組織に属せない・属さなくていい問題

何より、唯一無二のスキルや能力を持っているのであれば、組織に属する必要もメリットもありません。会社組織では自分のやりたい業務はほんの少しで、大抵の業務はやりたくないことや面倒なことが大半です。

そこにおもしろみを見出せたり、実感したりすることもあるでしょうが、あくまでもそれは個人の嗜好や経験や知識の蓄積による処理能力の向上によって気にしなくてもいい領域に達している場合です。

ところが、今回の雑談で主題においているのは「唯一無二の固有スキルや知識」を有しているケース。

属さなくていいじゃないですか。

単独で資金を調達し、自らの学術的な意義を見出せる人から出資してもらい、世界を変えるようなすばらしい成果をあげればいいのです。

むしろ、属せないのです。

唯一無二のスキルや経験、知識を有していることは人類にとっては素晴らしいかもしれませんが、会社組織にとっては優先事項として上位には上がってきません。むしろ、いてもらっても困るレベルです。

会社がやって欲しいことの中に、唯一無二を利用することが叶うのであれば問題はなさそうですが、そんなものを大抵の会社が望んでいるわけもありません。

唯一無二の知識や経験から「はじめて」を「成型」して汎用的に落とし込まれたものが転用できる「場所」や「機会」を用意しなければならないのですが、それを0からやれる余裕のある会社なんてないのです。

だから、繰り返しになりますが、唯一無二の固有スキルを持つ人材は、企業側からしたら「持て余してしまう」ので、席を用意することはできないのだろうと納得せざるを得なくなってしまいます。

自分"に"できることはあるっぽい

それではあまりにも希望がない、という意見もわかるのです。

ところが、あなたが会社の採用担当だったとして、ips細胞の山中先生が応募してきたら採用するでしょうか。おそらくしないはずです。

製薬会社や医療機関であれば、まだ余地はあるかもしれませんが、少なくとも物流の会社では雇用できないでしょうし、商社であったとしても手に余る人材のため、採用することはないでしょう。

ただ、会社の目標は大きな成果を上げることもそうでしょうし、販売収益を伸ばし経費を削って粗利を高めていくこともそうですが、それらを達成した上で「継続すること」が至上命題です。

世の中の困りごとを解決するために創業し、事業を展開しているわけですから、少なくとも即座に潰れてしまう会社は「みんながそれほど困っていなかった」か、「困ってはいるんだけど届けられなかった」のどちらか。

もし、小さくても困りごとを解決する手段を提供できるのであれば、それを継続して取り組める状況にすることこそが会社がやって行かなければならないことだったりします。

そこに唯一無二の固有スキルや知識が入り込む余地はかなり少なく、「他の会社でも雇用されうる汎用的な知識や経験を有している人」こそが必要なのです。

じゃー、何もできないし働くことは不可能なのかといえば、そんなこともありません。

会社は持続的に成長していくため、目標を定めたら従業員を雇用し、達成するための行動をとってもらいますが、それを従業員側でいうと「業務」といいます。

どの会社にも業務はあるものですが、それを誰かがやらなければなりませんし、誰かにやってもらいたいと思ってはいるのです。

これは考え方の話になるのですが、どこかの会社が求める担当してほしい業務の中には間違いなく自分の知識や経験が活かせるものがあります。

それを担当することで「自分にしかできないこと」ではありませんが、「自分にできること」であることに違いはありません。

その担当する領域のスキルを深くするのか、別の領域にまで踏み込み広くするのかは人によって異なるでしょうし、その掛け合わせがオリジナルだといえます。

それを「自分にできること」だと捉えることで、貢献できることを実感すること自体は、ボクも大切なことだと思うのです。

ところが、それを「自分"しか"できない」と奢(おご)ることは違うだろう、と。こんなところですかね。

ではでは。

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著者の紹介

えんどう

人事/広報(PR)ディレクター/ 株式会社アシスト(新潟エナジー) http://niigatadenki.com (新電力)【これまで】PR/ Maketing / SNS /オフィスえんどう(個人屋号) 【ほか】 #えんどうnote

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