2020映画ベスト(新作・旧作)

 2020年は116本の映画を観た。内新作は29作で、正直もう少し新作を見られたら良かったのにとは思うが、この出不精な性は、如何ともしがたいものです。来年はどうにかしていきたい。そして旧作も、わりかし有名な作品を中心に鑑賞した一年だった。もう少し来年は知識を身につけながらも、良い文章が書けるよう、そしてその頻度も上げられるよう、努めるぞ。

以下、新作・旧作に分けて、個人的今年のベスト映画を挙げる。

新作(ベスト5)

1. パラサイト

 1月に観たパラサイトであるが、結局1位になった。パラサイトを見たのが本当に今年であったのか、俄かに信じられないが……。不気味なまでに徹底された階層対比、犯罪に動揺することもない、こちらもかなり気味の悪いほどの東アジア的な家族の団結、隠し扉の出現などのストーリーの予想不可能性、サスペンス的要素……枚挙にいとまがないが、圧巻だった。後ジャージャーラーメン超食べたい。1月8日の吹き替え版の放映もとっても楽しみである。ということで一番。

2. ブックスマート

 お互いをトコトン褒めまくる、ここまでのシスターフッドな関係を持つモリーとエイミーを見ていると、まあ非常に痛快である。アップデートされた価値観に基づく表現の数々も、魅力の一つであった。一方で、ポリコレど真ん中の作品性として、その中に潜む、上流のリベラルな生徒集団を中心に描くことに対する、排除の論理・欺瞞を指摘する批評もあり、こちらの述べるところにも鋭いものだと首肯した。ただ、コメディ映画としてのコメディ要素が非常に充実していたことは、やっぱり特筆に値するとも思う。また、モリーが自室の壁面にポスターを貼るほどに信奉してやまなかった最高裁判事のRBG(ルース・ベイダー・ギンズバーグ)は今年亡くなり、そうしたRBGとそれを信奉する若者という側面でも、思いを馳せる映画となった(こうしたRBGと若者の関係性は「RBG 最強の85歳」でも具体的に描かれている)。

3. 魔女見習いをさがして

 感想はこちらのnoteに記したので多くは割愛するが、自分がアイドルなどのオタクであること、また最近成人し、自分が何をしたい人間なのか、考える機会が深まり悩むことが多くなった中で、この映画はどこか自然に、深くまで染み込んできた。またキネマ旬報12月上旬号の関弘美プロデューサーへのインタビューにも現れていたが、おジャ魔女どれみ放送当時子供だった人たちの徹底的なリサーチに基づく制作姿勢も、なかなか胸を打たれた。

4. his

 今泉力哉監督作品。ゲイ男性カップルが地方に移住して、片方のパートナーが連れた子供を自然の中で育てながら、その元妻との間の子供の親権をめぐる裁判、地元での風当たりの強さに直面したり、新たに芽生える恋がありながら、これからの生き方を見つめてゆく物語。端的に、非常に巧みなストーリーで、ストーリー中の風当たりはある一方それとは別に確かに存在する地元の温かさ、また岐阜の山中の田舎という自然のロケーションという意味でも、随所に温かみを感じる。そしてキャストが漏れなくいい。。

5. 私をくいとめて

 ナイブズ・アウト、ソウルフルワールド、ヴァイオレット・エヴァーガーデンと迷ったが、結局こちらを選んだ。感想はこちらのnote。自分が何を隠そう「おひとりさま」上等の人間であるから、今の自分、そして未来の自分を重ね合わせながら観ていた。兎にも角にものんの演技に脱帽である。

 旧作(ベスト10)

以下、タイトルだけを紹介。余裕が出てきたら、また今度一言感想を付記しようと思う。

1. 母なる証明(2009)

2. 東京ゴッドファーザーズ(2003)

3. The Witch 魔女(2018)

4. ロケットマン(2019)

5. パディントン(2014)

6. オクジャ(2017)

7. Search サーチ(2018)

8. バーフバリ 王の凱旋(2017)

9. プロメア(2019)

10. 日々是好日(2018)

~殿堂入り~

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序、ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破、ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

 来年はシンエヴァが控えているので、ハートを痛めないように1月はつとめて穏やかにすごそうと思う(既に毎日本予告を数十回再生する日々なので、もうバキバキのハートだが)。ダウントンアビーを少しずつ消化しつつ、未視聴のディズニー映画でも観て、心の平穏を保ちたい。シンエヴァ公開以後のぼくの人生に関しては、一旦括弧に入れることにする。

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