分子標的薬 さりげなく飲む

2020年11月16日より、タグリッソという分子標的薬を開始した。一日一錠内服するとのこと。ただし、よく読んでみると、食前なのか食後なのか、朝昼晩いつ飲むのかは書いていない。。見逃したかと色々情報を読んでみたが、見つけられない。

私の整形外科的浅学知識では、吸収率の悪い薬は起床直後に飲む、である。吸収は良い方が良いに決まっている、なので起床時に服用することに決めた。ベットサイドに置いて、目覚ましと同時に内服。正しいかどうか分からないが、決めたのそうした。

腸の吸収に頼るなら、腸の管理も必要なはずだ。こちらも非専門的医学的知識の中で、酪酸菌と乳酸菌がきっと効果あるだろうと判断した。免疫機能も、がんの治療では必要であり、腸内細菌が免疫応答に寄与しているとも聞いた。飲んだ方が良いだろう。主治医に処方をお願いした。「良いと思うことはなんでもしましょう。」いつもポジティブな主治医、そうならばと、ビタミンCとEもお願いした。

タグリッソを飲んでから、腫瘍マーカーが減少した。CEAが110くらいあったのが、1ヶ月で二桁まで減っている。肺のX線検査では胸水が減り、右下葉の主病巣の陰影が小さくなり、左右に点々とあった陰影も消え始めてきた。そして副作用も殆どない。医学の進歩に驚愕した。

この種の他の薬剤で、全身に転移した肺がんの患者さんの本も読んだ。こんな奇跡があるのか。でも、どうも自分の遺伝子異常の型では無いらしい。自分の場合ではほ起こらない奇跡。

スポーツ観戦に熱くなる気質の自分は、オリンピックの試合をテレビでみていると、正座して祈りながら応援していた。奇跡とも言える勝利を期待し、逆転を祈り、ご飯も食べず、正座で痺れた足と空腹との引き換えに、チームに勝って欲しいと神様仏様に祈っていた。こんな熱い思い、今となっては気はずしくなるが、そうやって大人まで生きてきたように思う。自分が我慢して、ストレスをかけると願いが通じる、そんな考えは、誰にでも少しはあるだろう。
でも、ストレスががん治療には一番良くないのかもしれない。思いは強くとも、さりげなくが良いのだろう。ベットサイドの引き出しにさりげなくタグリッソを入れて、さりげなく飲む。

でも、時間は朝6時ちょうど、1分もずらさず、としていた。

#がん #肺 #医師 #スポーツ #分子標的薬


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