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10/20開催【ドコモベンチャーズピッチ】コロナ禍で加速したビューティーテック~次世代の美容業界における在り方とは~

皆さんこんにちは!ドコモ・ベンチャーズです。
今回は、2022年10月20日(木)に行ったイベント、

【ドコモベンチャーズピッチ】コロナ禍で加速したビューティーテック
~次世代の美容業界における在り方とは~


についてレポートしていきたいと思います!

本イベントでは、ビューティーテック領域で新しい事業に取り組まれている注目のスタートアップ4社をお招きしピッチをしていただきました。

・美容業界に関連するスタートアップに興味のある方
・ビューティーテック事業動向に興味のある方
・新規事業、オープンイノベーション等を検討されている方
・最新のサービストレンド、テクノロジートレンドに興味のある方

にぜひお読みいただきたい内容となっております!

以下、各スタートアップにピッチをしていただいた内容をご紹介します!

■1社目:株式会社Neautech

1社目は、Neautech 樫根 様にご登壇いただきました!

<株式会社Neautech 代表取締役 樫根 久澄 様>

株式会社Neautech 樫根 久澄 様

・Neautech社の事業内容

Neautech社は、「医療とテクノロジーの力で自分をもっと好きになれる社会へ」をミッションに掲げ、オンライン診療プラットフォーム事業を行っている企業です。

2021年時には、「肌は継続的な医療で改善できる」という思いのもと、美容医療業開発の定額制美容皮膚科クリニック”HADA LOUNGE クリニック”を立ち上げ、こちらが2022年設立のNeautech社の前身となっています。

HADA LOUNGE クリニック のメニュー紹介

”HADA LOUNGE クリニック”では、

・提供できる場所が限られてしまっている(当時は東京のみ)
・来院した時のみの治療で、生活に入り込んだ医療ができていない(点の治療)

などを課題に感じたそうです。そこで、テクノロジーを活用することで、

・クリニックの場所に縛られない
・日常に入り込んだ医療(線の治療)

を実現し、診療を単にオンライン化するのではなく、デジタルで変革させたい(診療DX)ということを考え、今の事業が生まれました。

パーソナライズド美肌ドクター HADA LOUNGE Online

HADA LOUNGE Onlineは、女性医療のオンライン診療プラットフォーム(2022年10月現在β版)です。「24時間いつでも自宅にいながらスマホ1つで問診や肌の画像から医師があなたの肌を診察し、あなたに最適な治療を継続的に提案するパーソナライズ美容医療サービス」となっております。

HADA LOUNGE Online の強み

こちらのサービスの優位性は、3点あります。

①オフラインクリニック
・美容皮膚の施術ができる美容皮膚科クリニック
オンラインでの治療だけでは解決できない悩みも治療することができ、ユーザーに対して、信頼と安心を与え、幅広い提案ができる。
・効果・満足度を保証するプログラム
治療を一定期間継続しているユーザーに対して格安で施術を提供することで、ニキビ痕などの医薬品では解決できない悩みも解決し、より強い価値を提供できる。

②多種多様なスキルを持つチーム
メディカル・テクノロジー・ブランディング・美容PRなど、様々スキルを持つ人材がチームにいるため、プロダクトを創造してブランドに昇華、ユーザーに伝えるところまで、一貫して完遂することができる。

③インフルエンサーマーケティング
自社のネットワークによりフォロワー50万人越えのパワーインフルエンサーから、フォロワー1万人前後のマイクロインフルエンサーまで網羅。継続的なPR戦略の実施により、更に多くインフルエンサーを巻き込むことが可能。

Neautech社は、<メディカル×テクノロジー+ブランド×PR・インフルエンサー>により、特定の悩みを持つユーザーを大量に獲得して、LTVの最大化を目指していきます。

従来の治療では、通院した時のみ診察が行われ、医薬品による治療などは個人に委ねられていました。そのため、正しく服用を続けられずに、完治に至らないまま離脱する場合もありました。一方で、Neautech社の目指す治療は診療やアプリによる継続的なコミュニケーションです。これにより、患者のモチベーション・治療の継続を実現し、患者を成功へと導きます。

■2社目:KINDLER株式会社

2社目は、KINDLER 門脇 様にご登壇いただきました!

<株式会社KINDLER 代表取締役CEO 門脇 明日香 様>

株式会社KINDLER 門脇 明日香 様

・KINDLER社の事業内容

KINDLER(キンドラー)社は、AI/接客DXシステム開発・ECメディア運営を事業内容とし、フェイススキャンサービス「MIRA(ミラ)」を提供している企業です。
社名のKINDLERは、小さな火をもっと「輝かせる」「燃やす」という意味があります。人の可能性を最大化して、誰にでも美しく豊かなライフスタイルを提供する世界を目指しています。

KINDLER社の市場選定理由は3つあります。

①アナログ課題の大きさ:デジタルが苦手な人達を助けたい
②既存市場の大きさ:グローバルスタンダート
③新規性・成長性:スマホ画質向上、技術革新

MIRA

フェイススキャンサービス MIRA 

MIRAは、写真1枚5秒で顔の特徴を分析して美容の提案を行うことを特徴とするサービスです。カウンセラーの頭の中を可視化してAI化することで、診断資格者やベテラン美容部員の技術レベルを再現しています。毛穴・シワの状態や肌全体の状態、毛穴・ニキビカウンター、顔の黄金比などを診断することができます。そして、診断結果をもとにその人に適したお店や商品のレコメンドを行います。そして、カルテとスタッフを繋げることで、情報過多による自分に似合うおしゃれがわからない、という問題を解決に導くことができます。

これまでの美容カウンセリングでは、予約して店まで移動し、カウンセリングを行ってきました。これでは、一回のカウンセリングに1〜2週間、実質5時間、2万円程度かかってしまいます。時間・場所・お金による機会損失が大きいということがわかります。

MIRAでは、カウンセリングをAIが代行することで、診断時間を5秒に、カウンセリングコストを大きく削減することに成功しており、すでに135万回の診断実績があります。MIRAは、顧客獲得効率が他社に比べて非常に高いです(UU獲得単価0.2円)。これは、フェイススキャン診断がオンラインで完結し、カルテが作成できること・低価格から始めることができることが理由として挙げられます。ユーザーとしては、20〜40代の働く女性がメインユーザーとなっています。

MIRA による診断フロー

ビジネスモデルは以下の通りです。

フェイススキャン診断アプリMIRAでユーザーの診断及び商品のパーソナライズを行います。得られたデータは、WEBメディアMIRAでの記事に利用され、記事はユーザーに提供されます。また、アプリでの診断結果を接客DXや販売促進向けに企業に提供することで収益を得ています。また、企業が自社をMIRA LINKに登録することで、WEBメディアMIRAによる広告を掲載できるようになり、その広告料で収益を得ています。今後は一般ユーザーからも機能の拡張などでマネタイズを行っていく予定です。

将来的に、美容医療、サロンへの導入を進め、集客からオンライン顧客カルテを活用したリピート誘導まで一元管理して、顧客生涯価値を高めるサービスを展開していく予定です。

(参考)門脇様が本田圭佑氏を含む投資家に向けて行ったピッチの様子
「美容✕AIで世界狙うSony出身エンジニア」

YouTube PIVOT公式チャンネル~リアル投資ドキュメンタリー「ANGELS」

■3社目:株式会社Novera

3社目は、Novera 遠藤 様にご登壇いただきました!

<株式会社Novera 代表取締役CEO 遠藤 国忠 様>

株式会社Novera 遠藤 国忠 様

・Novera社の事業内容

Novera社は、「日本の価値をAIトランスフォームし、世界へ発信 」をビジョンに掲げ、日本の価値をAIトランスフォームし、世界に発信している企業です。主要事業に、AIプロダクト事業・プロフェッショナルサービス事業があります。

skinsense

AIプロダクト事業には、skinsenseというSaaS事業があります。

skinsense(スキンセンス)の紹介

skinsenseは、スマホのカメラに顔を向けて、たった数秒で9項目を評価するAI肌診断サービスです。顔診断から分析された肌の状態と他ユーザーの肌データを照らし合わせることで、相性の良い可能性が高い基礎化粧品をおすすめすることができます。

このサービスの特徴は3点あります。

①実際に現場で活躍している美容のプロ200名以上の知見をAIに学習させたデータで診断
②他社がなかなか診断できない”肌質”が評価可能
③肌診断だけでなく、問診機能やレコメンド機能を活用して一人一人のお客様に応じた商品提案が可能

肌データの類似に基づくレコメンドは、Novera社保有の特許となっております。これらの機能を管理画面からノーコードでECサイトやアプリなどに実装できます。これによりどの機能がお客様に喜ばれるか色々試すことができます。

skinsenseは以下のような企業の課題を解決いたします。

・ECサイト上で行えるマーケティング施策が飽和状態で、差別化が難しい
・社内にエンジニアリソースがなく、ECの機能追加のハードルが高い
・カートシステムを利用していて、システムにない機能追加のハードルが高い、できない
・DXに取り組みたいが、具体的な手段がわからない

Retail × AI :AIの力で小売データの資産価値を高める

プロフェッショナルサービス事業には、Retail × AIのプロジェクトがあります。
Retail × AIが解決する小売の課題は以下のようなものがあります。

・DXの一環でアプリを作ったが、ダウンロード数の増加が業績に結びついていない
・膨大な顧客データを取得しているにも関わらず活用できていない
・出店競争が激化し、坪効率悪化、1店舗あたりの資産価値が低下している

現在DXの名の下、実態の可視化や経験値の定量化のために、顧客データ基盤整備・データ収集が進める企業が増えていますが、リソースを考えると、データを見てオペレーションを組み立てる人的余裕はないので、ゆくゆくはAIに頼らざるを得なくなります。しかしながら、AIを活用する上で既存データでは不足が大きく、満足のいく効果が出る可能は低いため、想定していたデータの価値から下がってしまいます。

そこで、Novera社ではデータ視点でKPIに伴走した総合サポートを行っています。実際には以下の2stepによりサポートをしています。

Retail × AI

①店舗アプリでパーソナルデータを収集
小売で既に導入している店舗アプリにAIを簡単実装し、パーソナルデータを取得。POSデータと紐づけることで購買時の顧客状態が明らかに。

②新顧客DBを分析し、商品提案や需要予測でKPIに貢献
DBを分析し、より納得度の高い商品提案をAIが行ったり、AI需要予測によって年間購入額や購買単価、買上点数などの小売KPIをサポート。

■4社目:株式会社ミライプロジェクト

4社目は、ミライプロジェクト 大倉 様にご登壇いただきました!

<株式会社ミライプロジェクト 取締役事業本部長 大倉 武彦 様>

株式会社ミライプロジェクト 大倉 武彦 様

・ミライプロジェクト社の事業内容

ミライプロジェクト社は、「『介護』×『美容』のチカラで、新しいミライをツクル。」をビジョンとして掲げ、介護と美容の融合によって「なり手」「働き手」「受け手」全ての人にやりがいと幸せをもたらす、そんな21世紀のミライヅクリを人材面からサポートしていく、人材コンサルティング会社です。

事業内容は以下の4つに分かれます。その中でも今回は、③のIT✕訪問美容の事業について紹介します。

4つの事業内容
①人材育成:介護美容のスクール事業「介護美容研究所」
②就業支援:介護の人材紹介事業「B&Cキャリアパーク」
③独立支援:IT × 訪問美容 事業「care sweet」
④商品販売:介護美容商品の物販事業「MIRAI++ SHOP」

株式会社リクルートライフスタイル「ホットペッパービューティーアカデミー訪問理美容サービスに関する利用実態調査2019」によれば、訪問理美容サービスを使っていない人のうち、6割の人が理美容・身だしなみへの興味・関心を持っており、9割以上のケアマネージャーは、介護施設の利用者が身だしなみを整えることが症状の改善に「とても効果があると思う」との結果が出ています。高齢社会が進むにつれ、今後も市場は大きくなっていくと見込まれていますが、参入している訪問美容事業者数は少ないのが現状です。

IT × 訪問美容 事業「care sweet」

マッチングプラットフォーム事業「care sweet」の概要

このような環境の中、ミライプロジェクト社が提供するのが、2021年の7月に開始した「care sweet」です。このサービスは、Webやアプリケーションを利用して、美容師と利用者(提携介護企業の入居者や一般の在宅ユーザー)とのマッチングを行うプラットフォーム事業です。利用者は、スマホから24時間いつでも簡単に訪問美容を予約できます。

「care sweet」による利用者モニタリングの概要

さらに、美容サービスの提供だけに限らず、高齢者の身体状況等のモニタリングも同時に行っています。これにより、施設の担当者やケアマネージャーが、その情報を日々のケアに活用できるようになります。このサービスのコアとなる部分は、特許を取得しています。

参考:特許 第7080451号「訪問美容登録利用システム、訪問美容登録利用 
方法およびプログラム」

 

また、現役の美容師だけではなく、全国に数多く存在する休眠美容師にも仕事を担ってもらうことで、コロナ禍や高齢者数の増加に伴う訪問美容のニーズに対応できると考えています。
 
ミライプロジェクト社の目指す人材の循環構造

まず、スクール事業を通して高齢者向けの介護美容人材を育成します。その後、人材紹介事業を通して就職活動を支援します。独立したい人には、訪問美容事業「care sweet」を通じて出張美容を行ってもらい、高齢者に美容を届けます。そして、物販事業では、スクールでの教材、技術者への商材の提供を行います。各事業の互換関係によりシナジー効果を生み出し、人材の循環構造を作っていきたいと考えています。今後も引き続き、

・高齢者に介護美容サービスを届ける
・介護業界の人材不足を解消

これら2点の社会課題解決に向けてIT活用しながら事業を行っていきます。

まとめ

今回は、ビューティーテック関連の代表的な4社のお話をお聞きしました。

ハイレベルな美容医療サービスがテクノロジーの力によって、どこでもお手軽に受けられるように変化していると感じました!

ビューティーテックが普及した世界は非常に楽しみですね!

今後もドコモ・ベンチャーズでは毎週1回以上のペースで定期的にイベントを実施し、その内容を本noteでレポートしていきます!

引き続きイベントレポートを配信していきますので、乞うご期待ください!!

>>今後のドコモ・ベンチャーズのイベントはこちら


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