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「絶対エヴァオマージュだけはやんねえからな!」って決めて25年守り通してきた男が遂に繰り出したセカイ系映画

やっと観てきました『ONE PIECE FILM RED』

おだっちって本当に連載前に作ったシナリオ通りにワンピースを描いているんだなと、改めて思い知らされました。
この映画にはワンピース連載開始から今までで流行ったモノの内、物語取り入れれるには重すぎるためオマージュできなかった、けどいつかやりたかったんだろうなというエッセンスがてんこ盛りすぎると、予告を見た時既に感じていました。

ボカロ・V・歌ってみた等のネット文化、テニプリやマクロス等のアニメ漫画とミュージカルの融合、そして中田ヤスタカを中心にここ10数年のJPOPシーンの最先端を作ってきたミュージシャン達の起用。
ディズニー好きであるが故にミュージカル映画の難しさを知るからこそ我慢してきたのだろう。主題歌とサントラ、つまるところ田中公平先生が作品イメージを強く支えていることを知るからこそ我慢してきたのだろう。

そしていざ本編にて待っていたのはヴァーチャル世界!『僕らのウォーゲーム』と同時上映だったワンピースが遂にヴァーチャル世界をやる時が来たか!と。

昨年末4週連続名塚佳織ショーに泣かされた身としては非常に体に応える仕上がりでした。
小清水さんいなくてほんとに助かった。

以下、ネタバレ気にする人は気にするだろうけど、ネタバレ気にしない人は気にしないだろうくらいのネタバレをします。

セカイ系ってクソほど流行ってたよね

物語の大筋を変えずに要所要所で流行り物を取り入れてキャッチーさを損なわないワンピース。しかし“セカイ系”が採用できないのは、シンプルに本筋と違いすぎるからなのだろうと思います。(もしくはワンピースが夢オチなのか)

『エヴァンゲリオン』以降、まさに大セカイ系時代となった我が国、人々は「エヴァに自分なりの答えを出す」という旗を掲げてセカイ系を創作した。「新劇場版」というロードポーネグリフによって導かれたワンピースは碇ゲンドウの魂を救うことであった。劇場を出る時、25年共に旅をしていたオタクたちはみんな笑ってましたね。

空想世界を用いた心理描写が印象的なエヴァですが、攻殻・デジモン・マトリックスといったヴァーチャル世界の物語が流行し、インターネットの普及によってそれ自体の解像度が上がった側面も手伝って、“人類補完計画”とヴァーチャル世界は非常に相性が良く、また視聴者に伝わりやすい事が実証されてきました。

FILM REDの物語はセカイ系として見れば王道。
しかし、ミュージカルをネット配信してヴァーチャル世界に繋げて人類補完計画をやる、という欲張りなコンセプトを悪魔の実の能力一つでカンタンに説明するという手腕。
さすがとしか言いようがない。

とはいえちょっと話重くない?

いやもう僕には大好物でしたよ。ラストの明言しない空気感とか最高すぎやでほんま。

ただワンピース映画として観に来て面食らってるお客さんも結構いたなあという感じ。「俺は面白かったわ~」って言ってる男子3人組が後ろにいた。君、こっちサイドのオタクの才能あるね⋯

なのでワンピースミリしらだけどセカイ系は好きだよって人に是非観て欲しい映画ですね。
夏休みに家族で観てもギリギリセーフを目指したセカイ系映画の巧みなバランス感覚をぜひ楽しんで欲しいです。
作品考察で頭パンパン過食症になってる人にも是非観てほしいです。「これでいいんだよ。」が貴方を待っています。

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