見出し画像

旧統一教会を擁護する有識者(マッシモ・イントロヴィニエ氏)による記事 - 旧統一教会に対する憎悪を煽る上で日本の共産主義者が重要な役割を果たした。

Think Tank 2022 の一環として11月12日に開かれた集会「神統一世界のための希望前進カンファレンス-普遍的人権に基づく信教の自由」(Conference of Hope for the Realization of a Heavenly Unified World - Advancing Religious Freedom through Universal Human Rights)で最後に登壇したマッシモ・イントロヴィニエ(Massimo Introvigne)氏の講演を以前の記事で取り上げましたが、自ら編集長を務める Bitter WinterCESNUR(Centro Studi sulle Nuove Religioni (Center for Studies on New Religions)、新宗教研究センター)のオンライン雑誌)に同氏による新しい記事(英語・仏語訳・日本語訳)が二つ掲載されました。

Hanadaの12月号と1月号に掲載された福田ますみ氏の記事が一つめの記事の中で紹介されていますが、国内外で開催される旧統一教会および関連団体のイベントで頻繁に登壇する後藤徹氏に関わる事件と(勝訴した)裁判の経緯は失われた30年の間にも報道され広く知られており、Hanadaを購入(電子書籍)した甲斐はありませんでした。旧統一教会の勧誘・洗脳・脱会を描いたカナダ映画『天国への切符』(1981年)では主人公を脱会させようとした主人公の両親は警察に逮捕されますが、逮捕や裁判を恐れていてはカルトと縁を切ることはできないようです。

二つの記事の中でマッシモ・イントロヴィニエ氏は日本共産党を糾弾していますが、冷戦の終結と前後して文鮮明教祖が(ゴルバチョフ大統領はともかく)金日成主席に急接近して以来、旧統一教会と北朝鮮との蜜月が続いていることや、旧統一教会の草創期に当時の韓国の政権やKCIAの下で反共・勝共の旗が掲げられたことに留意する必要があると思います。

また、以前の記事(勝共連合は民族主義運動の敵だ‥文鮮明王朝建設に利用される日本の若者(朝日ジャーナル 1985年2月1日号)筑紫哲也「原理 − 不可解な右翼の沈黙」多事争論(朝日ジャーナル 1984年12月14日号))でもふれた通り、右派の活動家の中でも慧眼の持ち主は40年も前に旧統一教会・原理研究会・国際勝共連合の正体を見抜いていたことにも留意する必要があると思います。

一つめの記事の中でマッシモ・イントロヴィニエ氏は『確かに、日本における「統一教会との最終戦争」に関わる者の全てが共産主義者なのではない。しかし、それがポイントではない。私の話は、誰が何のためにこの戦争を始めたのか、そして誰が軍を率いているのかを明確にすることができたのではないかと思っている。』と述べています。右派と左派との対立に旧統一教会・原理研究会・国際勝共連合が半世紀以上に渡り関わってきた因縁を無視することはできないかもしれませんが、マッシモ・イントロヴィニエ氏が想像しているほど(小選挙区で左派の票を割る以上の)影響力は日本共産党になさそうですし、やはり、国民の大半の考えは "Japan would be a peaceful country, if it were not for the Unification Church (the Family Federation)." ではないでしょうか...



The Assassination of Shinzo Abe and the Unification Church

The Journal of CESNUR, Volume 6, Issue 6, November - December 2022, pages 74 - 96.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?