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子どもの「困った行動」は、問題解決しない方が事態が好転しやすい。

前回の記事では、「問題視をやめた方が事態は早く改善すると思ってるの~」の理由を書きましたが、今日は、その続き、問題視をしないで、「問題だと感じていること」にどう対処していくのか、ということについてです。

が、その前に前回の概要をざっくりと…

ダメな子と思われている子は、「ダメな子」というアイデンティティを持ち、結果として「ダメな子」という言動をすることになるから、
「問題視している行動」に注目してその子を見ると、「問題行動をしている子」というイメージを持てしまうから、それやめよ! ということをいくつかの論拠を挙げて述べました。

読んでくださった方からは、「わかります、わかります!」という反応をいただいているので、「???」と思う方は、ぜひコレ↓読んでください♪

https://note.com/dobachan_mituba/n/ncbf2cd342f0b

で、今日は、
問題を問題視しないで、どうやって対応するんだい!
めっちゃ困ってるのに、無責任なこというなよ!! という私の妄想の中で聞こえる声にお応えして、「子どもの性器いじり」を例に、「(大人が)困っちゃう子どもの言動」への対応法を模索していこうと思います。

なぜ、「子どもの性器いじり」がいい例なのかというと、
注目してやめせようとすると反って行動を強化してしまう構造がとても分かりやすいから、です。

「性器いじり」とは

3歳前後のお子さんから6歳くらいまでの子によくみられる行動です。身体の構造上、男の子の方が多いようですが女の子もします。そんな行為を目にすると、「これは困ったな」と思うのが一般的な反応でしょう。そして、性に関係することは友達などに話しづらいため、多くのお母さんが、インターネットで役立ちそうな情報を仕入れると思います。

「子ども・性器いじり」とったワードでネット検索をすると、
その原因は、対応は?!
なんて話がとてもとてもたくさんでてきます。
すると、「ストレスが原因」「愛情不足を感じている」等々、
親の対応についての改善点が書かれていたりするので、
「こうなったのは、私のせいだろうか…」
「私の対応が悪かったのだろうか…」などと、
検索前よりも一層悩んでしまったりします。

しかし、
子どもの「性器いじり」について調べていくと、子どもが自分の体を知るための行為(遊び)であることも多いようです。
ただ、性器をいじることで、不思議な感覚や、興奮したり、気持ちよさを感じるようですし、何より「落ち着く」という効果もあるみたいなので、一度覚えてしまうと、継続してやるのが子どもです。
また、心理性的発達理論では「男根期」とされる時期にみられる行為なので、とくに「問題視」しない方がいいという考え方もあります。
だから、大人にとっての陰部を触る行為とは、意味が全く違うのです。

だけど、それを、生殖可能な身体と思考をもっている大人、とくに母親が目にすると、咎めてしまうようですね。私は、我が子での体験はないですが、20年前に隣のうちの子がやってるのをみて、ちょっとびっくりしたのを思い出しました(若かったね)。

で。
適切な対応とは……ということですが、

子どもの「性器いじり」への対応は

咎めない、怒らない、叱らない、がセオリーです。
ダメよ!と教えても、一度覚えた快楽は、そうそうに手放せるものではありません。
ゆえに、「親から怒られること」は理解できるので、
子どもは親の目を盗んで、隠れてそれをやるようになります。

また、「笑う」や「ちゃかす」といった行為も、子どもの心を傷つけてしまいます。

親が子どもを傷つける対応をすると、
「悪いことをしている」「恥ずかしいことをしている」という意識をして、陰に隠れてしまいます。
親からの傷つき体験が増えるほどに、子どもは心を閉ざしていきます。

つまり、見ても否定することなく、「してるね。」とだけ見て、善悪の評価をしないでニュートラルに対応する、という姿勢がいろいろな対応法をみるとベターなのだと感じます。

具体的なかかわり方はどうするのか? 

ということですが、いろんな対応策を見て回ったところ、以下のようなものが適切だと思われます。

1・声掛けの方法を変える
2.子どもへ興奮と満足の提供する
3.オキシトシンのでる関わり

1・声掛けの方法を変える
「ダメ」の代わりに、「おかあさんと○○して遊ぼうか」などの他のことに興味がむくような声掛けをすることや、お子さんが気に入りそうな好きそうなことに注意を向ける声掛けなどをすることが効果的です。

もしも、触ってしまうことに注意をする必要があるならば、しかったり、詰問したりせずに、「性器は大事なところだよ。触るなら、ばいきんがつかないように、手を洗ってからからにしようね」とか、「人前ではさわらないんだよ。一人でいるときに、みえないようにするのがエチケットだよ」など、その子に必要な知恵(適切な行動例)を理解できるように伝えてあげてください。

2.子どもへ興奮と満足の提供する
まず、生活環境の見直しは必須だと思います。
親のせいで子どもにさみしい思いをさせている…とかの自責をする必要は全然ないと思いますが、
ちゃんと寝てる? 
栄養のとれるものを食べてる? 
スマホとか動画とかに子守させすぎてない?(私はテレビに子ども育ててもらった時期があるのでね)とか
生活環境の見直しは必要だとは思います。客観視してみると、改善すること良さそうなことって、どのお宅にもありますから。

それが済んだら、
子どもが楽しんで打ち込める遊びや習い事をいろいろと試してみる
子どもが気に入ったら継続して続けてみる、というのもおススメです。
自転車やプールなどの運動も体の発達にもとてもいいですし、生活の中での新しい楽しさや、お友達との関わりができたり…と、ウレシイことの体験を増やす環境調整も有効とされています。
楽しいことが見つかったら、そっちのが楽しいじゃん! って一般的にはなりますから。ならなかったら、また別の問題が潜んでるかも…です。

3・オキシトシン(幸せホルモン)のでる関わり
寝る前などに長期間にわたって、習慣化してしまっている場合などは、「ぬいぐるみ」が好きならば、一緒に眠る子(ぬいぐるみや人形)を探してみたり、寝る前に大好きなお父さんお母さんたちとハグしてみるなどもいいと思います。
スキンシップをすることで、幸せホルモンといわれている『オキシトシン』が出てきます。人との関わりだけでなく、ペットやぬいぐるみとの接触も有効だと知らせています。

そして。
親のできることとしては、子どもがどんな時に、性器に手を伸ばすのかよく観察する。色眼鏡を外すようにして、子どもの観察をすることが、子どもを理解することに繋がります。
もし、自分には対処しきれないと感じたら、保健センター等にレッツラゴー!です。
頑張らないで、さくっと誰かに頼っちゃいましょ! なのです。

こどもの困った行動への対応

さて、「性器いじり」の例からの大事なポイントをまとめると以下のようになります。

・子どもが「性器をさわる」理由は、その子それぞれの理由(原因)があるってこと。「子どもの言動には、子どもなりの理由が必ずある」という見方をしていただきたいのです。

大人からしたら、なんで?って思うことでも、その子にしたら正当な理由があるのでしょう。その子自身が理由を自覚していない(無意識でしている)ことや、言葉にできないことも多々ありますが

子どもの行動には、その子の心が具現化しているだけ です。

こうした、周りの大人が子どもを理解しようと努めて関わることは、子どもにとってはとても重要なことです。

こうした見方は、子どものモヤっとしたものを「そういうこともあるよね」と、マルッと受け止める…、そんな子どものとの対峙の仕方になるのだと思います。。そんな心持ちで、子どもと関わっていくこと、「問題だ」と思っていたことは、「問題視」していただけだ、という気づきにつながるのではないでしょうか?
すると、子どもにも、関係者にもとっても最善なゴールに向かうための土台ができていくのだと思います。根治をはじめるための準備だとも言えます。

次は、「大人には大人の理屈がある」のだから自分を責めない。ということです。
子どもの言動や、その理由に、大人は「共感できない」「理解できない」ことも多いため、大人はついつい悪者探しをしたくなります。
理解できない自分を責めたり、変な考え方をする子どもを責めたり、誰かの影響を受けたのでは?など何かのせいにしたくなったりする生き物です。
それは、大人には大人にはわかる事情や理由や良識があるため、「子どもの困った」は、「子どもを想えばこそ」、いろいろなことが心配になるだけなので、誰も責めることはないんです。

人それぞれ考え方が違うのは当然です。
「親子でも考え方が違うのは当たり前」と普段から言い聞かせておくことも感情の爆発防止に役立ちます。
大人の事情があって、理由があって、それが問題だ、と思っているだけです。

こうした「立場の違い」や「価値の違い」を自覚したうえで、改めて子どもの問題を見ていくと、また、違った視点で「子どもの困った」がみえてくるのではないでしょうか?

そのうえで、具体的な「困りごと」に

対応策の1、2、3を当てはめて考えてみる

ここでは、我が子の「不登校」を例にしてみます。
家の三人の子どもたち、行き渋りから、ガチの不登校までいろいろなパターンを体験させてくれましたので、比較的ライトな「学校への行き渋り」を例にしてみます。

1、 声掛けの方法を変える
朝は、学校に行かないと、先生から毎朝電話がかかってきたりするので、毎日、かなり憂鬱でした。しかし、朝は一日の始まりゆえ、行く行かないに関係なく、気持ちよく朝は起きると、一日気分よく過ごせそうじゃない~という気持ちで、朝の時間を過ごすことを心掛けていました。

「おはよう、おいしい朝ごはんできてるよ~」
「今日は、いい天気で空がきれいだよ」
「空気がきもちいい朝だよ」 
「おはようのハグしよう~」などの言葉選びをしていました。

それでも。
支度が終わったところで、通学班にいく行かない等々のもめごとが勃発しましたが、時間の気になる私と揉めるのも嫌だし、よその子を待たせるもの嫌だし、やっといっても置いていかれこともあったりしたので、しばらくは通学班での当校はあきらめて同伴登校する…という環境調整をしていました。


2・子どもへ興奮と満足を提供する
学校にいきたくなるしかけを考えました。
女の子だったので、新しいハンカチを学校で使う楽しみや、お友達にみせたくなるカワイイ文具や洋服といったものを使った仕掛けであったり、学校クイズ(学校の施設についてや、先生について面白がるクイズをつくってました)の答えを見つけてきてもらうだったり、好きな給食の日には、「食べるのたのしみだね」という話を前日からしたりもしました。

3・入眠時の質をあげる
気持ちがつかれていると、子どもでも眠りの質が悪くなるようです。
子どもが安心して寝られるように、アロマをつかったり、タッチケアしたり、自分のできる範囲で対応しました。が、在宅で仕事もしてたので、これが一番難しかったな…。
ただ、寝る前に、「今日もかわいいね。大好きだよ」は、喧嘩してないときは寝るルールで実施していました。

とはいえ、当時は機能不全家族だったゆえ、なかなか安心して寝られなかったのかもしれません。また、私がめちゃめちゃ頑張っていたことが、娘には悪影響だったのかもしれません。「親が頑張りすぎない」で、時にはあきらめることも、子どもたちには、いい影響になったりもします♪

さてさて。

他人が原因を除いてやるなんて余計なお世話

と、私は思います。

この子の行き渋りは、小学校4年生になると収まりました。
4年生の先生が、学校生活の楽しさを感じるクラス運営をしてくれたのだと思いますが、10歳という年齢も変化のキッカケになったのかもしれませんし、仲良しのお友達ができたこともよかったのだと思います。
でも、何がよくて問題行動が解決したのかは、正直わかりませんし、逆に何が理由で学校に行けなかったのかは、本人もわかってないのだと感じていました。
そんな子に、原因を除いてやるなんてアプローチは無駄だと思うんです。
不登校の理由なんて、大人を納得させるために「あれこれとみつけて」をいってるだけだと思います。

大人だって、自ら問題だと思うことだって、やめようと思っても、そうそう辞められるもんじゃないです。「明日からダイエット」って決めても、おいしいものがやめられない大人はたくさんいます。
まして、大人が問題視していることを、子どもがやめることは、自覚のあるなしにかかわらずムズカシイことです。

ですから、やめることよりも、日常生活の質をあげる、いわゆるQOL(生活の質)をあげることが、回りくどいですが結果として「あれ?問題行動が減少してじゃん」ということに繋るのです。

日常生活の質をあげると、能力がボトムアップする

安心安全が家の中にあり、「自分は自分でいい」と思えるようになると、子どもは外の世界にでていけるのだと思います。
子どものペース、子どもなりの充電ができると、ある時、急に行動を始めだすのも、私は3人の子で何度か体験してます。

ですから、親に一番できることは、子どもが家の中で安全に暮らせる空間と時間を整えてあげること、なのだと思います。マズローの欲求階段説などで、これは説明がつきます。ですから、やっぱり、「こどもを問題視するのはやめようよ」につながるです。

最後に、もう一つ、とても大事なことを…

脳は、「違い」を嫌うという特徴をもっている

「人は自分と『違う』ことを不快に感じる生き物だ」ということです。
脳は自分と「違う」ことを反射的に不快に感じます。つまり、嫌だ!と思うわけです。
これは、ストレスを感じているときほど、理性が働かなくなり、感情的にだったり、生存本能で反射的に反応します。
子どものこととは言え、いえ、我が子のわけのわからない言動には、この不快の反応がでやすいってことですね。ですが、違うことは、安全じゃないから不快だと脳が判断しているだけなので、理性が働いているときには、「私と違うだけなんだ!」と思うことができます。

もしからした、その問題視している行動は、「自分とは違うことをしているだけ」かもしれませんよ~。

まとめ

「あなたが困ってるその問題、問題視するほどに悪化するから、問題視するのをやめちゃってね」 です。
今回は、問題解決のやり方の一つを提案したので、枠に入れた考え方を提示してますけど、「お互い理由があるから、問題にみえちゃうんだよね~」って思うだけでも、緊張度が下がると思いますよ。
関係性がこじれている人間関係は、ほんとに、相手の見方を慮るだけで、相手の反応が「あれ?」ってなるから。

なので、問題視したくなったら、「私の中の正義のヒーローが主張し始めちゃってるよ…」くらいに思って、子どもと私のためには、「子どもの安心安全を家の中に作ること」と、「自分のストレスマネジメント」が大事なんだわ~を思い出してください、なのです。

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