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季節の手仕事、梅仕事。

梅干し、皆さんは好きですか?

私は苦手でした。おばあちゃんが作ってくれる自家製の梅干しは、塩辛くて、酸っぱくて。極み付けは、風邪を引いた時に飲まされる梅エキス。良薬は口に苦しと思って、一生懸命飲み干していた思い出があります。

結局、大学生になっても梅干しが苦手だった私に大きなピンチが訪れました。大学の研究の一環で訪れた、和歌山の梅農家さんとの夕食です。その農家さん一家は右も左もわからなかった私に沢山のことを教えてくれ、温かくもてなしてくれました。午後は一緒に農作業を行い、夕飯の時間に特別な存在感を解き放っていたのが、梅干しです。農家さんが自分の梅を使って、自分でつくった3-4種類の梅干し。

当たり前のように食卓に出されましたが、私が苦手だからと食べないのは失礼だと思い、意を決して口に運びます。酸味と塩味のバランスが絶妙で赤しその香りが鼻から抜ける。頭で美味しいと理解するだけでなく、疲れた身体が喜ぶのがわかりました。その後はもう覚えていませんが、私のお皿には8つの梅干しの種が残っていました。

これが、私が梅干し嫌いを克服したエピソードです。今では自分で梅干しや梅シロップをつくる私も、梅仕事をしている時にこの話を思い出すのです。

そして今日、今年の梅仕事をしました。作ったのは、梅干し、梅シロップ、梅ジャム、梅味噌です。どれもネットでポチった方が簡単だけど、季節の節目に自分が好きなものを、好きな味付けで、自分で作れると、梅雨のどんよりした気持ちも、ちょっぴり晴れやかになる気がします。

いつか、梅の木を育てるところから始めたいです。

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