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新規投資|ハイウェイ:Partner Sales Empowerment

DNX Venturesは、株式会社ハイウェイ(以下、ハイウェイ)のシードラウンドに出資参画させて頂きました。ハイウェイは自社製品の販売において代理店販売を利用したい企業(以下、メーカー)と代理店(以下、パートナー)に向けてパートナーセールス業務を効率化するSaaSを提供するスタートアップです。本稿では、我々DNX Venturesがハイウェイに投資した理由ともなるハイウェイの魅力について紹介したいと思います。

ハイウェイとは?

ハイウェイはメーカーとパートナーの間で発生するセールスコミュニケーションに関わる業務を効率化するSaaSです。

日本のB2B企業におけるセールスプロセスの進化を見てみると、セールスフォースに代表されるようなCRMツールが2010年代に普及しましたが、セールスチャネルとしてはダイレクトセールスが主流であり、パートナーセールスは商材によっては有効なセールスチャネルであるにもかかわらず日本ではあまり活用されていないのが実情です。

一方、Salesforce.com社によると世界のB2Bビジネスのうちパートナー企業を経由した間接販売の割合は75%と、直接販売よりも割合として大きいことから、日本のB2Bビジネスにおけるパートナーセールス活用余地はまだまだあると考えられます。実際アメリカの大手SaaS企業のWebサイトを幾つか見てみるとパートナープログラムサイトというパートナー向けコンテンツなどが充実していることからも、アメリカはパートナーセールスが一つのセールスチャネルとして確立されていることが読み取れます。

Salesforce.com社「The Complete Guide to Channel Sales」より抜粋

パートナーセールスに関する業務フローを見てみると、以下の通り、パートナーの選定・開拓からオンボーディング・商談支援まで幾つかのステップがあり、実態としては各ステップで記載されているような課題がメーカー・パートナー双方にあります。例えばパートナーセールスを進めるにあたりメーカー側とパートナー側で顧客データの突き合わせをおこなった上でターゲット顧客の認識をすり合わせしますが、現状は各社がCRMツールからエクセルをダウンロードして突き合わせを行うというアナログなプロセスになっています。

ハイウェイで実現できること

上述の通り日本におけるパートナーセールスの活用余地はまだまだある中で、ハイウェイは以下を実現できるプロダクトHiwayを提供しています。

1) 自社にとって最適なパートナー候補の選定

パートナーセールスを立ち上げようと思っても、自社でのパートナーネットワークが限定的である為、属人的なアプローチでパートナー候補にアプローチするケースが多い中で、メーカー側はHiwayを利用することでパートナー候補の顧客基盤を分析し、効率的にセールスパートナーを見つけることが可能になります。また、パートナー候補として協議を開始した後もHiwayのプラットフォーム上で効率的に情報を共有することが可能になります。

2) パートナーセールスローンチ後の業務効率化

パートナーセールスは立ち上げるまでも労力を要しますが、立ち上げた後は各パートナーのセールス進捗のモニタリングの為に案件リストをUpdateし、突き合わせ、コミュニケーションを取るといった運用が求められ、これらを完璧に運用できている会社は多くはありません。Hiwayを使うことによって、メーカー・パートナー双方が効率的に案件情報を共有し、コミュニケーションが取れるようになり、これによってパートナーセールスコストは格段に低減されます。

顧客一覧では、顧客別に重複するパートナーが分かりやすく確認できる
各パートナーの個別ページでは、企業概要のほか顧客リストの状況・ステータスが表示される
Hiway上でパートナーとのコミュニケーションが可能

今回の投資によせて

シード・アーリーステージのスタートアップ投資においては、ビジネス・市場と経営チームの双方を評価する必要がありますが、ハイウェイは以下の通りどちらの観点でも素晴らしい企業だと感じ、出資させて頂くこととなりました。

1) DNXのSFA領域における投資仮説

DNXはこれまでもマツリカ、UPWARD、ナレッジワーク、Magic MomentといったSFA領域を代表するSaaS企業への投資を行ってきましたが、パートナーセールスに特化した支援先はこれまでありませんでした。支援先含めてB2B SaaS領域では確実にパートナーセールスのニーズは高まっていることを考えると、SaaSの普及に伴い今後さらにパートナーセールスのニーズは増えていくと考えられ、ハイウェイのポテンシャルは相応に大きいものと期待しています。

2) 経験豊富のCRM領域における圧倒的な経験

ハイウェイはDNXの支援先であるマツリカの初期メンバーが立ち上げたスタートアップです。CEOの久保さん、COOの中村さん、CTOの隅田さんは全員がマツリカの創業期に一緒に働いていたメンバーですが、CRM領域における事業経験、スタートアップの立ち上げ経験、マツリカで培った強い結束力が揃った稀有なチームと感じたことが印象的です。今回のHiwayへの出資はDNXが長年マツリカと培った信頼関係がきっかけになったものですが、我々DNXとしては既存の支援先での経験を基に新たなチャレンジを決意したハイウェイチーム一同を、これまでのマツリカへの支援に負けないぐらい精一杯サポートしていきたいと考えています。

久保CEOからのコメント

DNX Ventures様との出会いは、
共同創業者三人の前職であるマツリカがDNX様の投資先だったことがきっかけです。

マツリカの社外取締役にもなっていただいていた倉林さんには、創業初期から全方位でマツリカをご支援いただいており、外部に営業する際には、DNX様と一緒に取り組ませて頂いていることで会社の信頼性や事業継続性として評価いただくことを投資先内部の人間として強く実感しておりました。
そのため新たに「パートナーセールス」という事業ドメインで挑戦する覚悟を決めた時、
絶対にまたDNXさんと一緒に挑戦したいという気持ちは今回の資金調達活動のど真ん中にありました。
黎明期であり難易度も高いハイウェイの事業内容を、尊重ベースに真摯に聞いていただき、スピーディーに投資意思決定いただけたこと、本当に心強かったです。
パートナーセールスを新しいB2Bの営業の選択肢として再発明するため、プロダクトの開発と事業体制構築にチーム一同、邁進して参ります。
これからもどうぞ宜しくお願い致します。

—— 株式会社Hiway代表取締役 久保文誉

ハイウェイが取り組み始めたパートナーセールス領域はまだまだ日本では黎明期ですが、ハイウェイが日本のB2Bセールスのあり方を革新し、メーカー・パートナー双方がHiwayを使うことによって新たな可能性を拡大できることを期待しています。我々DNXもハイウェイの今後の成長を力強くサポートしていきたいと思います。

(文:小澤 祐介)


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