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新メンバーのご紹介|髙岡 美緒

2021年4月より、髙岡美緒さんがパートナーとしてDNXにジョインしました。

投資銀行からキャリアをスタートされた髙岡さんは、マネックスグループでのCVC立ち上げからベンチャー投資を開始されました。その後Fintech領域に特化したArbor Venturesでパートナーとして活躍、直近はメディカルノートにてCFOを勤められていました。

この度、一緒にスタートアップの成長を力強く支援していく仲間として、DNXチーム一同とても頼もしくお迎えしました。

今回は、髙岡さんのこれまでのキャリア、DNXで注力したい領域などのお話を伺いました。ぜひご一読ください。


髙岡 美緒(たかおか みお) 
英国ケンブリッジ大学自然科学部物理学科卒業。生後5ヶ月から大学卒業までアメリカ・イギリスで過ごす。大学卒業後、ゴールドマン・サックス証券へ新卒として入社。その後、モルガン・スタンレー証券(現モルガンスタンレーMUFG証券)、リーマン・ブラザーズ証券で金融業務に従事。2009年より、マネックスグループ株式会社に入社後、マネックスグループ執行役員新事業企画室長及びマネックスベンチャーズ取締役として、戦略的M&A、新規事業開発、CVC立ち上げ・運営を担当。主なEXIT実績は、ユーザベース (2016年上場)、マネーフォワード(2017年上場)、ポケットコンシェルジュ(2019年アメリカンエクスプレスが買収)など。その後、アジア最大のフィンテックVCのArbor Venturesのパートナーに就任及びメディカルノート取締役CFO(ファイナンス、事業開発、管理部門、人事広報部門を管掌)を経て現職。株式会社セプテーニ・ホールディングス社外取締役、株式会社カヤック社外取締役を兼任。
その他、金融革新同友会(FINOVATORS)ファウンダー、経済産業省「産業・金融・IT融合に関する研究会」委員、自民党 金融調査会「フィンテックに関してのヒアリング」講師、2016年サマーダボス会議を含む様々な国内外のイベントに登壇や審査員を務める。また、2016年・2017年においてFintech Asia 100 Leaders(アジアを代表するフィンテックリーダー100人)及びフォーブスジャパン「世界で活躍する日本女性55人」の一人に選出される。

グローバルで活躍できる経営者や企業の支援をしたい

この度、DNXのチームに仲間入りしました高岡です。

私がジョインしたきっかけは、日本代表の倉林からお声をかけていただいたこと。もうかなりの昔、私がマネックスのCVCに従事をしていた時に「このキャピタリストを知っておくといいよ」と言われ、ご紹介を受けました。その後に伺ったDNXのバリューや起業家に対する揺るぎないリスペクト・信頼、徹底したサポート姿勢に共感しました。個人として、スタートアップを始め様々な企業の資金調達、経営についてご相談を受けることがありましたが、私が今まで培ってきた経験や知識を提供することで、より多くの企業が活性化するのであれば本望と思い、仲間入りをさせていただきました。

私の長期的な目標は、グローバルにおいて、日本の経営者のプレゼンスを上げることです。海外でバイカルチュアルとして育ち、グローバル企業で働いてきた経験や国内外の人脈を生かし、会社と会社、人と人をつなぐ橋渡しをすることによって、グローバルで活躍できる経営者や企業をより多く増やしたいと思っております。

海外での教育が「環境適応力」を身に付けさせた

私は、父の仕事の都合で、アメリカに11年間、イギリスに9年間住み、小学校から大学まで欧米で教育を受けました。生後すぐ日本から海外に渡り、海外でアジア人として、マイノリティとして育ったこともあり、日本語というハイコンテキストな言語から、多様性の中でコミュニケーションを行うロウワーコンテキストの英語まで交互に使っているうちに、自然と「環境適応力」が身につきました。日本人と一緒にいると日本人らしいと言われ、外国人といると外国人らしいと言われます。そのためか、大企業の経営者から海外機関投資家、スタートアップの方からまで、割と誰とでも仲良くなるコミュニケーション能力が身についたと自負しています。学生の時からずっと日本に住みたかったので、日本でキャリアをスタートさせることにしました。

金融と社会人としての基礎はGSで学び、マネックスで経営者を体験

GSをはじめとする投資銀行では、金融や資本市場の基本、社会人としての基礎を学びました。社会人としての基礎とは、従業員としての評価が企業価値への貢献度とリンクしているというマインドセットです。

マネックスグループでは、企業戦略、ガバナンスについて触れ、CEOの考え方を経営者の視点で体験しました。たくさんのM&Aの実行を通じて、PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)、つまりM&Aをしてからの大変さも実感しました。

マネックスでCVCの立ち上げやベンチャー投資を本格化していったのですが、そこで、投資先の起業家の本気で寄り添うための経験が足りないと感じ始めていました。そんな中ご縁があり、スタートアップにジョインして、経営に関わらせていただく経験をします。資金調達や事業開発、成長する企業のステークホルダーマネジメントや企業文化の意義を学び、経験を養いました。

現在は、複数の上場企業の社外取締役を兼任しています。企業価値を最大化することを目的に、個々の企業に合わせたガバナンスの機関設計、変化している株主基準、社会目線をもとに長期思考を持っての経営、いわゆる上場後の景色をベストプラクティスも含めて経験しています。

経営者、起業家の気持ちがわかる投資家として

ビジネスに20年以上携わってきて、投資と経営の間を行き来してきました。投資家は、市場動向と企業特有のリソースを合わせて分析することに注力します。経営者は、そういった戦略戦術に加え、「人・組織をどう動かすのか」、「組織をどう育成するのか」に注力します。両者ともビジネスに必要不可欠な視点です。そういった観点を持ちながら、DNXのチームメンバーとして投資先に貢献していきたいと思っています。

ESGとフィンテック領域に注目

現在どの業界においても、DXや脱炭素をはじめとするサステナビリティの潮流など、大きな変革が起きています。業界を超えた広い視野で、日本だけでなくグローバルな視点を持って対応していく必要があります。個人的には今、領域として強みを活かしていきたいのは、「フィンテック」と「ESG」です。

ESGに関しては、拡大する環境問題への対応、欧米を起点とする脱炭素の潮流からエネルギー、モビリティ業界など、さまざまな業界において既存の競争ランドスケープを塗り替えてしまうほどの大きなルールチェンジが起きています。新規参入者の事業機会が多々生まれており、その中でもテックベンチャーが競争優位なデジタルを使ったソリューションを提供する機会が多くあると考えています。

フィンテックに関しては、マネックスに在籍していた頃から、金融サービスが他業界のサービスと融合していくと推測していました。ただ規制や業界慣習、マーケットレディネスなど環境が整うのに時間がかかると思っていましたが、ここにきて規制が整備されつつあり、コロナをきっかけに日本でもデジタル化が進み、ユーザーの期待値も進化しているように見受けます。

周辺業界で特に相性が良いのがEコマース。例えば、先月(2021年6月)アメリカで上場した「marqeta」という会社があります(2021年7月時点での時価総額1.6兆円程度)。決済システムを開発し、カード発行のプラットフォームを提供しています。顧客基盤を持っているEコマース企業がそういったサービスを利用し、自ら金融サービスを提供することにより顧客に対しての満足度もあげ、かつコンバージョンおよびLTVを上げることができるのです。

Eコマース市場の急拡大によるこのような「as a serviceフィンテック」市場の可能性は大きいと考えています。アメリカ最大級のVCアンドリーセン・ホロウィッツは「すべての企業がフィンテック企業になるだろう」と言っています。金融インフラのクラウド化、つまりBanking as a Service(銀行業務)、Insurance as a Service(保険業務)、Payments as a Service(決済業務)、Brokerage as a Service(証券業務)などの「as a serviceフィンテック」により、Eコマースのように周辺業界の企業がシームレスに金融機能をも提供することができるようになります。このようにまだ優秀なスタートアップが攻めることができるホワイトスペースがあると考えています。ただ金融は規制業種でもあり、スタートアップにとっては難易度の高い領域でもあることも確かです。そこを起業家たちに伴走し、国内で成功事例を作り、海外展開を成功させていくことができたらと願っております。ぜひ、事業のご相談があればご連絡ください。


日本人は地頭が良く、勤勉でクリエイティブで優秀な人材がたくさんいると思います。グローバルスタンダードにおいても決して劣っていないのに、それが認知されていないのが悔しいと感じています。優秀なスタートアップ起業家を支援すること、国際舞台で戦う人を増やすことによって、日本全体の経営とプレゼンスをレベルアップさせる手助けをしていきたいです。


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