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初公開・DNXの投資先支援、その醍醐味と新設ポジションへの期待。

みなさん、こんにちは。
この度、初めてPlatformチームにて中途採用の求人を行うことになりました。
活動の実態が見えづらいPlatformチームの仕事や価値観を紹介します。

DNXにおけるPlatformチームは、いわゆる投資先支援を担うチームです。
投資先の企業成長に貢献する施策を、Platformチームでは主に「ナレッジ」「人材」「売上」の視点から提供しています。

現在DNX JapanのPlatformチームは、大久保亮と上野なつみの2名体制。
大久保は、メーカー勤務約20年の経験の中でまさにスタートアップとの協業に取り組んできた張本人。現在はスタートアップと大企業、スタートアップ同士など、様々な「パートナーシップ」を軸に、投資先の「売上向上」を支援するべく取り組んでいます。
一方上野は、クリエイティブ・広報のスキルセットとクリエイターコミュニティ運営の経験を活かして、スタートアップ向けのイベント・コンテンツ・コミュニティ・広報支援など「ナレッジ」の領域を幅広く担当しています。

大久保 亮 / Director of Partnership and Platform
新卒で大手精密機器メーカーへ入社。海外エンタープライズ顧客との共同事業のプロジェクトマネージメント業務を経験後、経営企画にて全社中期計画策定等の社内プロジェクト統括に加え、グローバルM&AのPMIや新規事業創出などの事業開発に10年間従事。直近では株式会社カケハシにてSaaS事業のマーケティング部門に従事。2020年6月よりDNX Ventures 日本オフィスに参画。主に日本国内の投資先への成長支援(Platform)に携わる。
東京都出身。サウジアラビアで幼少期を過ごし、帰国後もアメリカン・スクール・イン・ジャパン(ASIJ)に通い、その後キャリアの約半分近くをニューヨークで過ごすなど、国際色豊かなバックグラウンドを持つ。

上野 なつみ / Director of Marketing and Platform
多摩美術大学卒業後、2011年に三井物産株式会社へ入社。本店情報産業本部にて液晶パネル事業を担当。その後、クリエイターネットワークのベンチャー企業 株式会社モーフィング(現世界株式会社)へ転職し、同社執行役員として美大生及びその卒業生を対象としたクリエイターネットワーク事業を統括したほか、制作ディレクター、人事広報などのバックオフィス業務、ウェブメディアの編集長などを歴任。
2018年10月より現職。DNX日本サイドにて、イベント企画運営、広報・マーケティング(Marketing)、SPROUNDをはじめとするスタートアップ向け成長支援(Platform)を担当。

弊社の中途採用を検討されている方々のヒントになればと思います。
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ふたりがどんなキャリアを重ね、今どのような想いをもって投資先支援に取り組んでいるかについては、別の記事でまとめました。ぜひ併せてご覧ください。
▶︎次回記事
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Platformチーム組成の背景

上野:私たちは、2年ほど前にPlatformチームとして投資先の成長支援を担う新チームを組成しました。もう12年もスタートアップに投資し支援をしてきたDNXが、なぜ今改めて支援体制を作ろうとしたかからお話できればと思います。

大久保:なつみさんが仰る通り、DNXが立ち上がった最初の頃から投資先の支援はしていましたし、なつみさんも2018年入社当時からずっとやってきていましたよね。

上野:自分の強みを活かして、投資先のプレゼンやデッキの作成をお手伝いしたり、プレスリリースの作成を代行したり。身近なところからできる支援をやっていました。私だけでなく、投資チームのキャピタリストもそういった動き方をしてきましたね。

大久保:さらに僕が入社すると、事業会社LPさんと投資先スタートアップを繋ぐことで、対投資先に対して「営業支援」を強化する流れが出てきた。

上野:そうですね。支援の幅が広がっていった。視点を変えてDNXを俯瞰してみると、それらの動きは3号ファンドの組成が一つの大きなきっかけだったように思います。ファンド規模の拡大に伴い、まずチームメンバーが5名から10名くらいに一気に増えました。それから、以前より予算を増額してシード投資枠をつくりました。これにより支援が必要な会社が以前より増えましたよね。支援をより必要とする企業と、それを支援するためのリソース、いずれもが増えた印象があります。

大久保:そこで、今までやってきた投資先支援をしっかりメニューとしてまとめ、投資先企業のみなさんにも我々がどんな支援をできるのか、見える化し伝えていこうと、チームを組成し組織的な動きにしていったんです。

基本スタンスは「チームのベストを投資先に届ける」

大久保:少し補足すると、DNXはシリーズAの投資がメインのアーリーステージVCであるというところが大きい。ミドル・レイターになると、各社にリソースが充実してくるのでVCとしての支援の形が変わってくる。アーリーであればアーリーであるほど、手伝えることがありますよね。よく「なんでPlatformって呼ぶのか」と聞かれるんですが、キャピタリストが点で支える組織ではなく、チームという面で支えるという意味合いがアメリカで始まった時の語源ですよね。

上野:Platformチーム独自にもMVVを策定していて、ここでも言及しているんですが、陽さん(日本代表の倉林のこと)と3人でPlatformチームのあり方をディスカッションしている時に、彼がすごいこだわっていたのが、今ここにいるメンバーたちのベストを出す、という点。何をするかよりもValuesを大事にしているなと感じました。

大久保 :そう、その意味していたことは、例えば、僕が自分の力でできる最大のことをやるんじゃなくて頼れるところは人に頼ろう、と。より専門的な人がいるんだったら、一流の人を都度アレンジした方がいい。無理に自分でどうにかするのではなく、自分たちがゲートウェイになればいい。僕たち2人で何ができるかっていう話に集約することってない。

Platformチームが独自につくったValues

上野:そうそう、そうそう。DNXでは四半期に一度オフサイトミーティングをやっていますが、最近丸2日間くらいかけて80社の投資先を全社レビューし、その最後に必ずみんなから各社の課題を洗い出しています。と同時に、この3ヶ月チームとして何にフォーカスして支援するか議論しています。DNXらしい動き方だなって思って。今あるニーズを汲んで、それに対してDNXが出せる1番のベストソリューションを全員で考える。実際手を動かすところは我々が動く。DNXの投資先支援のひとつの型だと思います。

大久保:そうだね。VCって、投資チーム以外はPlatformチームに限らず多分受け身になりがち。一方でポートフォリオレビューを通じて全社について把握できると、日頃投資先と関わる中で僕らが気づいたインサイトも届けることができたりする。キャピタリストではないけれども、VC業務に主体的に携わっている、そういう手触り感を得られる場でもある。

上野:うん、すごく連携が取りやすくなりますよね。投資チームがどう動きたいかウィルもわかる。投資チームと自分たちがどう連動・連携するかを考えやすくなるんです。

毎四半期に遠出をして開催しているオフサイトミーティング。


起業家との距離、投資チームとの関係性

上野:投資先が多くある中、どのように「支援しよう」と事が展開していくのか疑問に持たれる方も多いかなと思います。投資チームから相談がくるのか、起業家からダイレクトに相談がくるのか。亮さんの場合はいかがですか。

大久保 :僕の場合は両方ですね。もちろん、投資メンバーから相談がくるパターンは多いよね。一方で起業家との距離感次第では、直接ご相談いただける機会もあります。例えば少し前の事例ですが、当時日本の大企業でDXという言葉が使われるようになったころ、自分の事業、会社経験から「DXには投資先テックタッチのソリューションが必要だ」と思い立って、社長の井無田さんに1on1の機会をもらったんです。しばらく定期的に続けていました。そうやって関係性をつくっていると、ちょっとしたことでも相談をいただけるようになる。また、起業家本人ではなくネクストレイヤーの担当者とやりとりする場合もありますね。権限委譲が進んでいる会社によくあるんです。営業支援や企業紹介の場合は良いのですが、一方で時に戦略的な判断が必要になる時もあり、そういう時は積極的に経営者を巻き込むようにしています。

上野:そういった場面で、投資チームは関わっていますか。

大久保:僕から投資チームに共有していますね。

共通するのは投資先の魅力を代弁する仕事

上野:そうですよね、必ずしも一緒に動くというよりは、社内は必要に応じてうまく連携しつつ、直接経営者と進めていけるところは進めていく。これはPR支援もBizDev支援も一緒だと思うんですが、まだ経営者や投資先企業と関係性が浅いのにプレスリリースを作ったり顧客紹介する、つまり自分がその会社やプロダクトの魅力を代弁する役を担う機会があるじゃないですか。深く理解していなきゃ務まらない。そういうときは真剣にDDをしてきた投資チームの力を借りた方がいいと思っていて。なんでDNXが投資したか、何に魅力を感じたかという第三者の視点は、メディアも顧客も知りたい。だからこそ、投資チームにも議論に一緒に入ってもらったり、投資先の当人たちには当たり前だけどメディアには整理して伝えなくてはいけないマーケットの環境のことも、投資チームに相談して競合調査など踏まえて意見を聞いていますね。

大久保 :確かに。営業支援でもスタートアップの事業を紹介する上で、各社どういう営業してるのかを聞いておくのはすごくいい勉強になる。

上野:募集中のTalent Managerもきっとそうなっていくと思うんですが、 我々Platformチーム自身が各社の解像度をめちゃくちゃ上げることが、いいサービスをする上で全ての基礎力になる。新規投資が決まると「オンボーディング」と名付けて投資先とお互いを知り合うミーティングをやっているんですが、自分たちの言葉でサービスを語ってもらうことで一気に仕事をしやすくなる。密度があればあるほど、記者さんの口説きも説得力を増すんです。投資先理解のためにもう一つ役立つのは、投資委員会やディールミーティングに我々も含めて全員参加し、Investment Memoにもアクセスがある。他のVCがどうかわかりませんが、これはDNXが創業当時から意識的に大切にしてきたことな気がします。DDを通じて特定してきた課題やマイルストーンがクリアになるので、どう支援すればいいか解像度が上がりますね。

目標達成型の満足とは違う

上野:Platformチームの仕事についてお話ししていると「KPIや評価基準はなんですか」「何を達成できたら目的達成ですか」という質問を受けることが多くて。目標達成を通じて満足度を得るのは仕事の1つの喜びじゃないですか。ただ、この投資先支援の仕事って、意外とその目標達成型の満足と違うように感じていて。

大久保:そうだね。

上野:私たちVCの仕事は長期目線でしか振り返れないという側面もある。だから短期的なわかりやすい成果や結果ではなく、彼らの大きなストーリーの一端に関われることを面白がっていると言ったほうが近くて。

大久保:なんでもないような幸せの積み重ねでしか、大きな幸せってないのかなって最近僕も思います。日々の積み重ねをしていくことで企業が大きくなる、プレスリリース1つによって、数社の企業紹介によって、少しだけど前進していく。KPIとして何社だったら成功とわかりやすいものを探しても、正解はないわけです。この積み重ね自体に喜びを感じられるのが僕らがなのかな。

Platformチームの次章、キーワードは「集合知」

上野:最後に、2023年後半、Platformチーム3年目にどんな挑戦をしようと考えているか、次のビジョンを語って締めくくりたいなと思っています。2年間やってきて、自分たちにできること、投資先が悩んでいることを肌で感じてきた。亮さんの「BizDev支援」と、私の「PR支援」「経営者コミュニティ/SPROUND」「ナレッジ/勉強会」は型ができてきたからこそ、進化させていきたいですよね。

大久保:そうですね。PlatformチームのValuesでは「集合知」という言葉で表現したんですが、これからはそれをいよいよ体現していきたい。投資先の第1世代がいよいよメガスタートアップ・ユニコーンに近づいてきています。だからこそ、何がうまくいった、何がうまくいかなかったかケースを整理して体系化し、一種の「プレイブック」が作っていけるといいなと。次の世代のスタートアップに対しての支援に繋がるのではと思います。

上野:最初の2年を思い返すと、そもそも投資チームには我々の使い方がわかりづらかったと思うんです。だけどいよいよ、むしろ忙しくてキャパオーバーになるぐらい、あっちの会社もこっちの会社も助けてっていう状況になってきた。だからこそ、人をもう少し増やして、もっと手厚く支援の幅を広げたいというマインドになって、追加の採用にも動き出した。他方、ニーズに応えるべく新しい支援も始める必要がある。我々がこの2年そうであったように、新しいチャレンジにおいては思い切りトライアンドエラーをすればいいなと思っています。

大久保: そうですね。その新しい挑戦がまさに、採用・組織周りですね。

投資先から一番強い要望が「採用支援」

上野:毎年とっている投資先のアンケートで、3年連続「採用を支援してほしい」という声が突出していました。DNXとしては以前から、自分たちのネットワークを通じて優秀な人材を重要なCレベルに紹介するということをやってきましたが、確かに採用支援サービスとして提供するほど体系立てて動いてはこなかったんですね。改めて採用を支援できる体制・仕組みをつくり直したい。これが今回の採用の背景です。DNXらしい支援ってどんなものなのかを、もう一度イチから一緒に考えていければいいな、と思っています。仕組みづくり・立ち上げを面白がってくれる方が適任でしょうね。

大久保:まずは「採用」が直近で提供したい支援ですよね。加えて、スタートアップとお付き合いしていると、採用に限らず人にまつわるいろんな課題がある。むしろ全ての課題は組織や人によって起きていると。その中で、自分を含めて、どんな貢献の仕方ができるのか考えていきたいですね。

上野:あれもこれもやれる、それを限られたリソースで、ある種の第三者的な投資家という立場から何を支援し、何をゴールに据えて支援メニュー設計するのかは、このタイミングで参画いただくからこそのやりがいになりそうですね。

大久保:マクロで見ると、いよいよスタートアップへの民族大移動が本格化しつつあるなと思っています。日本って実はまだまだたくさんタレントがいると思うんですよね。大企業的な働き方に疑問を持つ人も、いよいよスタートアップに関心を持つかもしれない。スタートアップ業界として、より多くのタレントを受け入れるにはどうしたらいいかと考えると、成長の余地があるように思えて。

上野:それ、DNXっぽい考え方ですね。DNX Valuesの「その仕事はホンモノか。」感がある。仰る通りで、最近商社出身者がスタートアップに転職して挑戦するんだけど、 うまくいかなくて戻るパターンが発生しているんです。新たに入ってくる才能が活躍できるようなサポートができてもいいのかもしれませんね。

大久保:サポートもいいけれど、僕、今の話聞いて「最高じゃん!」と思った。 フィットしなかったけど、戻れたんだ、って。それって素晴らしい世の中じゃない。挑戦して自分に合わなかったけど、戻れる。それって世界観としてはすごくいい。それがスタートアップにも負担の少ない形で実現できればいいと思う。

上野:才能ある人が、リスクを心配しすぎずに挑戦しやすくなりますよね。


大企業とスタートアップ、違う両者は互いに求め合う

上野:亮さんが募集しているPartnershipのポジションについても魅力を聞かせてほしいです。

大久保:パートナーシップは「仲介業者」みたいなポジションで。全然セクシーに聞こえないかもしれないんだけど、大企業ってNext Big Thingの産みの苦しみがずっと続いている。一方で、スタートアップの作るものはNext Big Thingであり、それを大企業の人たちに買ってもらって・使ってもらって成長を目指す。この両者は全然違う2人なんだけど、お互い必要として求め合ってる部分があって。2つの世界を行き来してうまく橋渡ししてあげられる人には、やりがいを感じてもらえるんじゃないかなと。スタートアップが更に成長を続ける上で、大企業との連携はもっと貢献できるテーマだと思うんです。

上野:最後にDNXのPlatformチームの強みをひとつ語るとすると、自分が担当なのでちょっと宣伝っぽくなっちゃいますが、「SPROUND」というシード投資先が集まる場が横にあること。Platformチームの活動において、相当いいプラットフォームだと思うんですよね。リアルな場で、経営者のみならず、社員の皆さんも含めて、コミュニケーションが取れる。一緒にお酒を飲んだり、踏み込んで関係性が作れる。コミュニティマネージャーが人と人を繋いでくれているおかげで、素晴らしいコミュニティになってきた。だからこそできる支援とか、関係性があるからこそ価値を発揮できるという実感がある。このSPROUNDは価値あるなと。コンセプト「知の還流」が実現してきている気がするんです。
Talent Managerをやっていく上では、これにレバレッジをかけることができると思っていて。そもそも自社の採用ではなく、第三者の立場から採用を支援するという難しいゲームをやろうとしてるわけなので、会社のカルチャー、どんな人がチームに加わっていっているかを具体的事象として見ることができるのはかなり大きなアドバンテージになるのではないかと思います。

大久保 :多くの事象を見れる場でもあるから、如何にいい再現性を生んでいくかですね。

SPROUNDでシードからシリーズAまで成長したナレッジワーク、2年ご一緒して卒業をお見送り

▼次回記事


採用ポジションのご案内

DNX Venturesでは、Platformチームにて2つのポジションで採用を行っています。
小さなチーム、能力だけでなくカルチャーやDNX Valuesのフィットも確認の上、お迎えできればと思っています。DNXの投資先は、本当にパーパスがある、日本の産業をアップデートするスタートアップばかりです。ぜひみなさんの能力を、希望溢れるスタートアップ支援で活かしてみませんか。

Talent Manager

Platformでは、投資先の企業成長に貢献する施策を、主に【ナレッジ】【人材】【売上】の視点から提供しています。中でも、投資先スタートアップから最近とりわけ支援の要請が高いのが「人材」の領域です。急成長に伴い、採用から人事制度設計、社員のオンボーディングや研修、経営者の成長支援まで、人材に関わるスタートアップのニーズは幅広く尽きることがありません。DNXとして、これまでアナログに行ってきたCXO人材の採用支援を、より多くのスタートアップに提供できるよう仕組み化・サービス化することを目下目標に設定。2023年、その立ち上げとその後どのような人材関連支援に拡大発展させていくか、その戦略立案を進めていきます。

Partnership Manager

【ナレッジ】【人材】【売上】の中でも【BizDev】では、投資先スタートアップのGTM(Go-To-Market)戦略において、大企業からスタートアップまで幅広い事業会社と接点を持つことは、事業成長に向けて欠かせません。数多くの投資先と事業会社、双方のニーズを適宜理解し、最適なGTM機会を投資先へ提供することで投資先の成長へ貢献しています。


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(文・上野なつみ)

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