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英語語法文法セミナーのお知らせ

2024年8月7日(水)に、英語語法文法学会主催のセミナーでお話をする機会をいただきました。学会の会員でなくても、どなたでも参加できるイベントです。今回はこちらのイベントを紹介します。


第20回英語語法文法セミナー

英語語法文法学会では、学会員以外の方に開かれた「英語語法文法セミナー」が開催されています。今回のセミナーは第20回で、テーマは「英語語法文法研究の知見を授業に生かす」です。開催日は8月7日(水)ですが、申し込みの締め切りは7月29日(月)です。学会ウェブサイトに掲載されている情報(2024年7月時点)を以下に引用します。

日時:2024(令和6)年 8月7日(水)13時30分~17時30分
会場:大阪公立大学 文化交流センターホール
(〒530-0001 大阪市北区梅田 1-2-2-600 大阪駅前第2ビル 6階)
※例年の会場とは異なりますので、ご注意ください。

● テーマ『英語語法文法研究の知見を授業に生かす』
司会・講師:西脇幸太(岐阜聖徳学園大学)
「言語活動を適切に行うためのポイント ― If I were you の使用実態とレマ化の危険性を例に―」
講師:野中大輔(工学院大学)
「英語のよくある言い回しとの向き合い方 ―「豊かな文法」の立場から ―」
講師:内田 諭(九州大学)
「大規模コーパスと生成系AIを用いた語法分析」
講師:井上永幸(広島大学)
「コーパスとコーパス準拠の辞書・参考書を使いこなす」

各講師の発表概要はこちらをご覧ください。
セミナー申し込みはこちらから(※7月29日締切)
参加費:2,000円(資料代含む)

英語語法文法学会ウェブサイト「研究大会・セミナー」

今回発表する内容

各講師の発表概要はこちらで公開されています。私の担当分を以下に載せておきます。

 製薬会社ファイザーのCEOアルバート・ブーラ氏はScience will prevail with Covid-19 here to stayと述べたそうである(Bloombergの2021年1月の記事)。この英文のように、「勝つ」を表すprevailの主語にはしばしば抽象名詞が用いられ(特にjusticeやtruth)、willを伴うことが多い。[抽象名詞+will+prevail]という言い回しで覚えるのが望ましいだろう。こういった話をすると、「単語1つ覚えるのも大変なのに、そういう言い回しまで覚えるのはもっと大変だ」「ある表現を見ても、それがよくある言い回しにあたるかどうか自力だとわからない」といった感想をもらうことがある。しかし、果たして言い回しは学習上そんなに厄介な存在なのだろうか? 本発表では、この問いに対して、『英語教育』誌の連載「実例から眺める『豊かな文法』の世界」で示した立場から回答したい。
<参考文献>
平沢慎也・野中大輔. 2021–2022.「実例から眺める『豊かな文法』の世界」『英語教育』2021年4月号から2022年3月号.
https://researchmap.jp/dnonaka/misc/44080505

第20回英語語法文法セミナー

概要にある通り、2021年度に雑誌『英語教育』で担当した連載「実例から眺める『豊かな文法』の世界」に関連した話をする予定です。今回の発表内容は、連載を読んでくださっていることを前提としているわけではありませんが、もし事前に読んでおきたいという方がいましたら、参考文献に載せたURLからダウンロードしていただければと思います。なお、連載以外のものを含めて、私が『英語教育』に書いた記事はすべて公開していますので、まとめてダウンロードされる場合はこちらからどうぞ。

発表概要に込めた思い

私は大学で初回の授業をやる際に、できるだけ単発で楽しめるような内容になることを目指しています。初回の授業に出たものの結局履修しなかった学生にとっても、何かしらの刺激になるように、と願ってのことです。最後まで受講したからこそ得られる学びがあるのはもちろんですが、1回だけ出た授業や途中で出るのをやめてしまった授業であったとしても、それがきっかけで何か気になるトピックに出会えたりすれば、それも立派な学びだと思っています。

今回の発表概要についても、同様のことを意識しました。概要を読むだけでも得られるものがあるように、と思ってこのような内容にしています。少なくとも[抽象名詞+will+prevail]という言い回しは紹介できましたし、「言い回しを覚えるのは大事だけど大変で、その大変さは受け入れるしかない」と感じている人に対しては、そのような想定が本当に妥当なのか問い直してみてもいいんじゃないか、と提案することはできたと思います。このセミナーに参加しないという方にとっても、この概要が何かの学びにつながることがあれば幸いです。

[補足]
些細なことでも、気になるトピックに出会ったらそれを大切にする、という話を以下の記事に書いたことがあります。よろしければこちらもご覧ください。

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