カマキリはクモの網から逃げることができるか？（Sugiura et al., 01 Nov 2019）

はじめに：クモは自分の網の中で捕食性の昆虫に遭遇することがあるが，どのようにして捕食しているのだろうか？　フランスの昆虫学者ジャン・アンリ・ファーブル（1905）は，実験的にナガコガネグモ（Argiope bruennichi）の網の上にカマキリを置き，カマキリに反応する様子を観察した．クモは腹部の糸でカマキリの体を包んで固定し，捕食に成功したのである．しかし，ファーブル（1905）は，野外でカマキリを襲うクモの姿を見たことはないと断言している．カマキリは頻繁に飛翔するため（例えば、Yager and Svenson 2008），クモの網に引っかかる危険がある（Nentwig 1982）．野外条件下で，カマキリの造網性クモによる捕食が観察される機会を減少させた要因は、何であろうか？　カマキリはクモの網に引っかかる可能性があるが，この問題は未解決のままである．

Sugiura, S., Sakagami, K., Harada, M., Shimada, N. 2019. Can praying mantises escape from spider webs?, Ecology, 100(11), e02799(3 pp.).

https://doi.org/10.1002/ecy.2799

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