内なる外。--腸管免疫。続き。

腸管の中というのは要するに体の中にあっても本当の意味で体の中、臓器などがある腹腔などには入っておらず、腸壁で区切られ、外部から遮断されています。そういった意味では、体の外であるということになります。

外であると何があるかというと、外には良いもの、悪いもの色々あるということですね。そこで生き物は全て外界とは遮断する、皮膚を持って防御しています。防御の一つとして免疫反応というものがあります。

皮膚からの吸収はほぼありません。なので防御しやすいです。空気中にも、いろんな微生物、例えば、細菌、ウイルス、真菌(かび)などがいます。でも細菌やウイルスが自分で入っていくところを防ぐ手段でうまくいきそうです。皮膚から感染すること、経皮感染もありますね。そういう時に皮膚の下では免疫細胞と呼ばれる血液の細胞が待ち受けています。

今回テーマの腸管も同じ、それ以上に細菌、ウイルス、そのほかのものに日々接触されています。腸管といえば、雑多なもの、食物を摂取することでやってきますので、皮膚に比べ、凝縮されたいろんなものが入ってくる感じです。

皮膚と違い腸管では日々栄養素の吸収が行われており、極めてセンシティブな期間でもあります。しかも、ここには多数の細菌が住み着いています。しかも、動物の腸管には多種多様な細菌が住み着かないと生存の危機に陥ることもあるぐらい重要なものともなってます。

ここでの細菌を体に入らないように腸管の粘膜には免疫細胞が多数存在して、日々ブロックし続けているということです。

それでも、食中毒など人に被害を起こすこともあります。そのほとんどが腸管のなかにすみ続けている細菌とは違うものが入ってきたときに起こるものです。すみ続けている菌の総称としては腸内細菌叢と呼ばれていて、健康にも重要な影響を与えていると言われています。

腸管で免疫を司るものの代表的なものとしてIgAと呼ばれるタンパク質があります。これは粘膜に多く存在する抗体と呼ばれるもので口などの粘膜にも存在します。

一般的な抗体としてはIgGがありますが、IgAは透過型と呼ばれる2量体で存在し上皮細胞などに張り付き侵入する細菌などを防御する役割があると言われています。その他の免疫細胞も多数集まり、全身分布の割合としても半数を超えるものが集まってくると考えられています。

腸管免疫を構成するものとしては(1)パイエル板、(2)小腸上皮細胞とそこに存在する腸管固有リンパ球(ILE)、(3)粘膜固有層とそこに存在する粘膜固有リンパ球(LPL)があるとされています。

腸管免疫をはじめとする粘膜を防御する免疫は最重要とされ研究も活発に行われています。


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