PCR- 定量、定性の違い。
今注目のPCR検査でちょっとわかりにくいところを解説しておきます。
定量、定性というのは一般的ではなく少しわかりづらいと思います。漢字のごとく定量とはその調べたい物質、ものの"量"を調べるもの、少ない量からだんだん多くの量が取れるはずです。一方の定性とはある一定の量があるかないかを調べるものです。
少し言い換えてさらに知識を強いものにします。
定量には検出限界という検出値の最低ラインの数字が出てきます。最低の量から検出したい値、それ以上の値までのデータを調べることができます。その物質の量で値をとります。。
定性はある一定量以上のものを拾います。その結果を、ある、なしで判定します。
同じなようで同じではない二つの方法ですが、一般的には定量する場合の方が検出限界の低いものから、正確なデータが出てくるので、精密な検査とうはこちらを使うことが多いです。
ここでPCRに当てはめていきます。PCRは定性、単純にあるなしを決めることができる、コンベンショナルPCRと検出量を測ることができるリアルタイムPCRがあります。
コンベンショナルPCRは昔からあるPCRである一定の量を増やすことができた場合に見た目で判定できるようにする検査法です。その検出できた、できないを陽性、陰性と判断します。
リアルタイムPCRは増やすものにラベルをつけて、その名の通りリアルタイムにその増幅量が目に見えるようにしたPCRです。
現在ではリアルタイムPCRが主流となっており、コロナウイルでも使われている技術です。
リアルタイムPCRは定量的にデータをとる検査法であり一定の量は超えた場合に陽性とし、なければ陰性を判定します。その一定量の基準を閾値と呼びCT値として表現します。またウイルス量も計算できるのでそれをもとに研究、治療に役立てることも可能となっています。リアルタイムPCRは基本的には定量する機会です。
理論的にはウイルス1個から検出でき陽性、ウイルスがそこにある、ということを示しことができます。
ここで注意しないといけないのが、この検出しているDNA(ウイルスRNA)は増殖(ウイルスが増える)が可能なものを全て検出しているかというと、そうではないということです。
増殖可能でないということは感染性がない(人に感染できない)ということです。そこを気をつけなければいけません。
PCRは基本的にはウイルスのDNA,RNAのあるなしを見るための検査です。ただそこにウイルス遺伝子があるかないかです。
PCR陽性であっても、すでに感染性のないものも検出してしまう場合もあるので、検出限界近くはそういう意味では信頼性は低いです。このことからCT値が大きい場合は注意が必要です。
抗原検出ができる検査キットの方が良いこともあります。抗原検出キットはある程度ウイルスが増えていないと検出できないのでキット陽性を持って感染陽性とする方が良い場合もあります。この場合のキットでの検査は定性検査です。
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