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免疫のはなし(5)。 - "自己"、"非自己"? MHCの話。

自己か非自己って何?自己、自分のもの、細胞には何もせず、非自己、自分でないものを排除します。自分の指標としているものをMHC(Major Histocompatibility Complex:主要組織適合遺伝子複合体)といます。これが自分を決める目印となっています。発見された当初は白血球にたくさん発現していることから、HLA(human leuko- cyte antigen)と呼ばれていました。

MHCは簡単に言うと自分であるかどうかを判断するものです。例えば自分ではない人から移植を受けた場合には移植されたものは自分とは違うものなので拒否します。このときMHCで自分、自分でない、自己、非自己を判断して拒絶します。

でも、これではせっかく移植したのに拒絶されては困ります。そこで、まずは、このMHCが同じ、もしくは近い人を探してこの同じ人から移植を受けると言うことです。これは骨髄移植の時に使われる手段です。この手段が使えない場合は、免疫抑制剤を使い拒絶しないようにします。

もう少しMHCについてもう少し解説してみます。MHCは2つのタイプがあります。class1とclass2です。class1はすべての有核細胞にあります。class2は特定の細胞、B細胞、樹状細胞、単球(マクロファージ )にあります。

まずMHC class1ですが、ほとんどの細胞にあるということで一体何をしているのかというと。いろんな細胞が日々いろんなタンパク質を作っています。基本的には体に必要なものを作っています。そんな毎日にある日突然ウイルスが感染して、細胞の機能を使ってウイルス自身のタンパク質を作らせることがあります。

この日々作られているタンパク質が自分の必要なものかどうかを判断する時に提示するものこそMHC class1というものになります。細胞内で作られたタンパク質をclass1が捕まえてそれを細胞外に提示します。

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このMHCclass1が提示したタンパク質の断片、とMHCの型を白血球の中でもリンパ球が自分のもの、違うものを判別します。自己、非自己の判別です。

この判別するリンパ球にはT細胞という名前がついています。MHCで自分を定義して、その細胞が作り出したタンパク質を監視しているわけです。T細胞はそのTCR(T細胞レセプター)で判別することになります。免疫のコントロールをしているT細胞の登場です。

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