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劣化しているのは何?

ゆうです。
前回と前々回、コトバとは何か?って話をしました。

今回は、社会学の講義で学んだことを共有したい。

「日本人が劣化している」
みたいなことを言う人がいる。
これって、どんな事象を指して、何がどう劣化してるってことだと思う?

社会学の先生は、巷の会話に耳を傾けてごらん、と言った。

「マウント」という言葉はなぜ生まれた?

この言葉はいつから使われるようになったんだろうね。
以前はそんな言葉なかったよね。
新しい言葉が使われだしたとき、そこには必ず重要な変化があるんだって。

「マウントをとる人が増えたわけではないのです」と先生は言った。
そういう言動をとる人は、昔からたくさんいた。
じゃあ何が変わったの?

人の話を聞く側の態度が変わったのです、と先生は言う。

これ、どういうことだかわかる?
人々の寛容さがなくなってるってことなの。
例えば、友達の自慢話くらい機嫌よく聞いてあげればいいじゃん。
会話で優位に立とうとするヤツには言わせておけばいい。

「その程度のことにいちいち目くじら立ててんじゃねえ」
と先生はおっしゃる。

それが劣化とどういう関係が?
幼児の攻撃性のあらわれなんだって。
人は成長とともに共感力を身につけ、他者の愚かさや醜さを許す能力を具えるもの。
「マウント」という言葉を使う人は、大人の余裕を失っている。

共感力、包容力、寛容さが劣化している。
共同体を形成することで生き残ってきたホモ・サピエンスの、本源的な能力が劣化している、ということなんです。

安っぽい正義振りかざすのやめない?

不倫は社会的にアウト。
人の不幸で笑いをとるのは不謹慎だ。
ちょっとした失言があればすぐ「謝罪しろ」。
薬物で捕まった役者の過去作品も発禁にすべき。

こういうこと言いたがる人、ぜーんぶ退屈なのよ。
そういうもっともらしいこと言って、自分がちょっと大人になった気にでもなってんの?

これも寛容さの劣化なんだろうけど、それだけではない、と先生は言う。
「これらは一種のポジショントークなのです」

つまり、自分の本心や信念に基づく発言ではなくて、こう言ったほうがウケがいいとか、反論されにくいといった読みがあるのね。
さらに、それが社会のコンセンサスとなっていくことで、自分もなんとなく高揚感に浸ることができる。

「てめえの発言を社会規範化させて気持ちよくなってんじゃねえ」
と先生はおっしゃる。

でも先生。そういうチープな正義を本気で叫んでる人もいますよね?
低俗なテレビ番組にクレームする人たちとか。

そういうやからどもに贈る言葉は、
「てめえの快不快に公共性なんかねえんだよボケ」
だそうです。

個人の道徳的価値観は、公共のものではない。
公共性のないものは、法律化されない。
でも、自主規制というかたちで、ごく一部の人が「不快」と感じるコンテンツがどんどん消えていく。

サイレントマジョリティがノイジーマイノリティの脅しに屈している。

それは、一般ピープルの読み書き力リテラシーが劣化しているから。
さらに、オピニオン階級の言論も劣化しているのだそうです。

前置きで予防線張るのやめない?

メディアで意見を発する人の言論をよーく聴いてごらん、と先生は言った。
「何も言っていない、と思いませんか?」

あ、そこまで言っちゃうんだ。
たしかに、意味のあることを言ってるようには思えないわね。

「そう思えたのなら、あなたのリテラシーは劣化していません」

てへへ。褒められちゃった。

彼らの言論は、意味のないことをいかにそれらしく話すかってテクニックで勝負してる。
意味のあることを話すと、必ず誰かを傷つけたり怒らせてしまうから。
言論人たちも、ノイジーマイノリティの脅しに屈してるってことね。

前置きがムダに長い人の意見は、聞くに値しないことが多い。
例えばこんな前置修飾節。
「これはあくまで一般論ですが、~~~」
「こう言っては乱暴な言い方になりますが、~~~」
「こんなことを言ったらお叱りを受けるかもしれませんが、~~~」

じゃあ言うな!
って思うの、あたしだけ?

あなたは何をおびえているの?
まるで迷子のキツネリスのように。

社会のオピニオンをリードすべき人たちが、心無い誹謗中傷や圧力を恐れ、言いたいことを言えなくなっている。
こんなんじゃ、あたしたちサイレントマジョリティが真っ当なことを言えるわけないよね。

そんな構造が、民心を劣化させ、ひいてはこの国をダメにしてるんじゃないの?

世界さんの note を読んでる人は、このままじゃヤバいよね、って感じる、心ある人たちだと思ってる。
あたしは、”本当のことを言う” 先生がいる大学で学びなおし、それをあたしの言葉でノートnoteに書いていくわ。
世界さんだって、なんでも言える立場でもないみたいだからさ。

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