見出し画像

tomandfrieda先生に 5つの質問

noterさんへのダイレクトメッセージ第 2弾は、tomandfriedaさんです。
 
基本情報は以下のとおり。
【性別】男性
【年齢】40代
【住処】横浜
【職業】教職
【家族】妻と 3女
【似ている人】川﨑麻世
【note 初投稿日】2020年3月24日
【note 総投稿数】176本(2022年7月1日時点)
 
前回は、詢川 華子さんへのメッセージをピーコに語ってもらいました。

今回、気鋭の教育者であられる tomandfrieda先生と対談していただくため、尾木ママを召喚しようかとも考えましたが、「ピーコとどう違うねん」と自らツッコミ却下。
そこで、tomandfrieda先生の全記事をあらためて精読しているうちに、素の私として先生と大真面目に対談したい、という欲求を抑えることができなくなってきました。
 
tomandfrieda先生は、優れた書評をたくさん書いていらっしゃいます。
先生の取り上げる著作は興味深いものばかりで、その解説は明快、かつ示唆に富んでいます。
さらに、先生ご自身が発する tomandfrieda語録も金言にあふれています。
オーストラリア、カナダ、イギリスの学校で教えてきた豊富な経験に基づき、日本の学校教育を本気で変えようとなさっている、国際教育のリーダーがそこにおはしました。
 
読めば読むほど、先生のお考えをもっと知りたくなり、ストレートな質問をぶつけてみることにしました。


 tomandfrieda先生へ

日本の学校教育だけが 150年変わっていない根本原因は何だと思われますか?

先生の問題意識の原点かと思います。
貴記事の中でも、様々な視点でご見解が述べられていました。
私も Why ? を繰り返しながら深く掘り下げることを試みました。考え抜いた結果、2つの角度から説明できる気がしてきました。
ひとつめとして、そもそも日本を含む東洋の社会では、民は国政への関心が薄く、基本的に御上おかみの決めたことに従う習性が強いこと。愚痴は言うけれど、政策決定に参画するほどのシティズンシップはない。このような精神性を「任せてブーたれる社会」と表現した学者もいます。なので東洋では、ごく少数のエリートが密室で重要事項を決め、情報を開示せず、民に何も考えさせない、というスタイルが合っているし、実際それでうまく回っていた。

もうひとつは日本に特有の事情で、それはやはり敗戦だと考えました。
アメリカが国の重要事項を決める体制の下で、日本の為政者は自力で政策を考える意志と能力を完全に失ってしまった。
こうして日本は、任せてブーたれる民と、本来エリートであるべきなのに志も能もない政府が経営する国となっている。
そこまで考えたとき、国家百年の計たる人の教育が一向に変わらない現状がストンと胎に落ちました。
それが示唆するのは、教育に関して国に 1ミリも期待してはいけないということです。
2020年の教育改革? 同じようなことを 20年前にも言ってましたよ。でも、ほとんど何も変わっていません。政府主導では何も変わらないのです。
 
私のハートにガツンときた tomandfrieda語録です。

教育はすべての人にかかわる超重要案件であり、その国の未来を根幹から支えるもの
社会を正しく変えるのは常に教育だ

tomandfrieda

先生。
日本の教育を根本から変えるのは、国ではなく、民でもなく、先生のような革命的リーダーしかいないのだと思います。

日本の学校教育にも残すべき部分があるとすれば、それはどのようなところでしょうか?

先生は、ICT を駆使し、授業のスタイルとコンテンツを刷新することにより、教師より生徒が主役となる授業を実践されていますね。
私の長女がジュネーブのインターナショナルスクールと日本語補習校に同時に通っていた頃、両者のあまりの違いに気を失いかけました。
インターでは、”My Home Country” というテーマで 6歳の子がパワポでプレゼンしていました。同じ週、補習校ではひらがなの練習帳で “あいうえお” をなぞる宿題が課されていました。
我が子を日本の学校には通わせない、と心に誓った瞬間でした。
 
でもね、先生。
その補習校で、七夕の日に願い事を短冊にしたためたり、節分の日に豆をまいたり、そんな行事を娘が持ち帰ってくると、やっぱり日本っていいね、と顔がフニャける自分がおりました。卑近な例で恐縮ですが。
 
SDGs やジェンダー問題を高校生に提起した先生の授業。
グローバル、インタラクティブ、そしてアトラクティブで、白目を剥くほど感銘を受けました。
と同時に、新しいことを教えるのと、日本の歴史や伝統文化、古典文学など普遍的な価値を教えるのと、どうバランスをとったらいいのか、考えさせられもしました。

常に学び続け、良いものは吸収し、残すべきところは残す
いつの時代になっても大切なものは変わらないはず
どんなに自動化されても社会の本質は変化しない

tomandfrieda

先生の学校は、グローバルと日本的教育のハイブリッド型を目指しているとも伺っています。
日本型教育において残すべきところ、あるいは、時代が変わっても普遍的な教えるべきこととは、どのようなものだとお考えですか?

幸せな大人になるための教育とはどのようなものだと思われますか?

先生は、日本の学校教育の画一性を改めるべきとのお考えですよね。
全生徒が同じ考え方や同じ答えを求めるのではなく。
全生徒が東大を目指すような偏差値至上型でもなく。
それはテクノロジーと産業構造、すなわちビジネス生態系の変化によって、求められる人材が変わってきたから? それもあるでしょうが、それだけではありませんよね。
中等教育であれ高等教育であれ、学校というところはお金を稼ぐ人材を養成する機関である、といった風潮に先生は違和感をもっておられます。

フィンランドやオランダが実践している教育で幸福な市民を育てるという考え方も忘れてはいけない

tomandfrieda

マクロ的には、国民の教育水準が上がれば、GDP が増え、国民経済が豊かになる、というストーリーを語ることはできそうです。
ミクロ的には、一人の人間の幸せが収入の多寡によって決まるものではないことは、小学生でもわかる話です。
生きるチカラを育む教育とは、経済的・物理的に食っていける人材 (human resources) を育てること以上に、幸せを感じる心の構え方を教えることだと私は考えます。

教育の力を使って、心の豊かな懐の深い生徒を一人でも多く育てる

tomandfrieda

“多様性” という耳タコな単語の本質は、百人いれば百の異なる幸せの定義があり、それを自分の言葉で語れる人間 (human being) を育てることにある、と私は思います。

常に大事にしているのが少数派の意見です 

tomandfrieda

先生はそのような構えで生徒さんたちと接しておられるのですね。
思わず胸がアツくなりました。

ホリエモンという人間についてどう思われますか?

先生は、ホリエモンの書いたものも多く読まれていますが、人間的にあまり好きではない、人としてはまったく尊敬できない、とおっしゃいました。
ホリエモンという人間は根本的な欠陥を抱えた人だと私は感じています。
『時間革命』から先生が引用しておられた、他人時間を減らして自分時間を増やすほど人生の質が上がる、という考え方。いかにも彼らしい、という気がします。合理主義と個人主義を貫いてる俺かっこよくね? 的な声が聞こえてきそう。
彼は私とほぼ同い年なのですが、その歳になってここまでバランスを欠いた人間には、人格形成期の教育に重大な瑕疵があったとしか思えません。
服役中にたくさん本を読んだそうで、少しはまともな人間になって出所するかと思いきや、本質は何も変わっていないようです。ネットから情報を得るのも、紙の本から知識を得るのも、たいした違いはないのだと知りました。
 
欠陥のない人間などいません。ホリエモンのような人間がいてもいいです。しかし、世の中が彼のような人間ばかりになったら、人の社会は確実に崩壊すると思います。
人を育てることがいかに重要であるか、ホリエモンは教えてくれています。

娘をもつ父親としてどのような人間でありたいですか?

先生のご長女が、先生のことを父親として、教師として、そして人として、心の底から敬愛していることを知っています。
先生もわかっていらっしゃるようです。
でも、思春期に入った娘が父親と距離をとるようになるのは、世の常とはいえ、さびしい気持ちになりますね。
私の長女は、先生のご長女より 2歳下です。なので、あと 1, 2年もしたら、私も先生と同じような気持ちを味わうことになるのでしょう。

自分たちで生きていくのに必要な力を身につけさせることが親の使命

tomandfrieda

私も同じ考えです。
我が子に何を残したいか。遺伝子、お金、学歴、思い出・・・どれも違う気がします。
生きる力を身につけてほしい。この一点に尽きるのではないか。
そのためには、ガリガリ勉強することや、本をたくさん読むことや、ネットから情報を吸収することだけでは不十分でしょう。
大切なことは子にじかに伝えたい、と親は願うもの。でも、自分も思春期だった経験から、親の説教ほどウザいものはないこともよーくわかっている。

バンドでの成功を夢見る無職のロック少年が彼氏だったとしても、娘が幸せならば応援してあげたい

tomandfrieda

この後に続けて、「そんなことできるか、俺?」と先生はおっしゃいます。
先生はできる。私はそんな気がいたします。
先生とご長女が、鉄の信頼関係で結ばれているように見えるからです。
そこで最後の質問です。
思春期に入って直接の対話が難しくなったご長女に、父親としてどのような背中を見せていますか? 彼女が大人になってから、私の父はこういう人です、と人に語るとき、どんなふうに語ってほしいですか?
 

あなたの生徒より



tomandfriedaさんの記事で私がとくに好きな 10本をピックアップしました。
 
✅ 「学校」をつくり直す(2020年6月8日)
✅ 正義中毒(2020年7月12日)
✅ SDGs 授業公開(2020年12月13日)
✅ 取り残される日本の教育~わが子のために親が知っておくべきこと~(2020年12月18日~21日)
✅ 武器になるグローバル力~外国人と働くときに知っておくべき51の指針~(2021年7月1日)
✅ 日本に殺されずに幸せに生きる方法(2021年8月5日)
✅ 夫は外で働き、妻は家を守るべき?(2021年9月30日)
✅ 赤信号を渡らない日本人(2021年11月10日)
✅ 勉強上手~好きなことだけが武器になる~(2022年1月19日)
✅ アルルカンと道化師(2022年2月3日)
 

この記事が参加している募集

note感想文