見出し画像

シン・ジャパン

「ヨーロッパはパンが美味しいですよね」などとおっしゃる方がいます。
本気で言ってますか? と思う。

珍しいだけなんじゃないですか?
フォカッチャとか、バゲットとか、語感に騙されてませんか?

日本のパンが世界一美味しい、と前の記事に書きました。
もう 2年も日本に帰れていない私が、日本恋しさでそう思うのではなく。
コンビニで売ってる菓子パンから、ベーカリーで焼いてるパンに至るまで、日本のパンのクオリティはズバ抜けて世界一だと思っています。

ソウルで食べる韓国焼肉より、東京で食べる和牛焼肉のほうが数倍美味しい。
現在私が住む香港には、韓国の焼肉屋と日本の焼肉屋の両方がありますが、比較にならないくらい日本の焼肉のほうが上だし、舌の肥えた香港人もそう言います。

日本企業で働いていた頃、飲み会の席で「イタリアのどの町で食べたパスタより、DONA の生パスタや五右衛門の洋麺のほうがうまいと思います」と、半分冗談、半分本気で言ったところ、「お前は本場のパスタを知らんのだ」と昭和のおじさんに笑われました。

本場=イタリアという意味なんだろうか。
ミシュランの星がつく高級店のことなのか。
「本場」という言葉に騙されてませんか?

ヨーロッパだからパンがうまい。
韓国だから焼肉がうまい。
イタリアだからパスタがうまい。
中国だから中華がうまい。
本当にそうだろうか?

これは “本場” で食べるべきだな、と私が感じたのはスペインのハモンくらいでしょうか。
それ以外は、日本の勝ち、だと思っています。
何年か前、ミシュランの星の数で東京がパリを抜いた、という記事を読んだとき、全然驚かなかったし、むしろ「何を今さら・・・」と思いました。
気づくの遅すぎだよミシュランさん、と。

****************************

香港には、セブンイレブンがあります。
コンビニがないヨーロッパに比べれば、セブンがあるだけでもありがたいと感じるべきなのでしょうが、香港のセブンイレブンには入る気がしません。
なぜなら、お弁当、お惣菜、おにぎりなどが売ってない(あってもマズい)からです。
香港のセブンイレブンは、日本のキオスクにも勝てません。
セブンの看板を掲げていても、食べたいものが売ってなければ存在しないのと同じですよね。

2年ほど前、香港に DON DON DONKI(ドン・キホーテの香港名)が上陸しました。

画像1

香港の DON DON DONKI は何の店だと思いますか?
日本の生鮮食料品、冷凍・チルド食品、お弁当、インスタント食品、お菓子などを売る日本食の専門店なのです。
香港に初出店するにあたって、商材を食料品に特化したドン・キホーテは、すばらしい慧眼と英断だったと思います。
開店時は香港人らが大行列をなし、今では香港で 7店舗にまで増えました。

ドンキが香港で大人気なのは当然ですよ。
だって、あらゆる食料品のクオリティがケタ違いですから。
ドンキで日本の食を知ってしまった香港人は、もう他のお店には行けないでしょうね。

例えば、白菜。
香港のスーパーで売ってる白菜はこんなカンジ。(これでもいい方です)

画像2

ちょっと違った意味で、手が出ません。

次に、ドンキで売ってる日本産の白菜です。

画像3

よし、今夜は鍋だ! となるしかないではありませんか。

そしたら、こんな子たちも買わざるをえませんよね。

画像4


これもたまらんなぁ。

画像5


頭の中が鍋になっているところで、こんなものを見つけてしまった。

画像6

・・・・・・。

なんじゃこりゃあ5

これ食う!
鍋、中止!
いや待て。これは今すぐ食って、鍋は夜やればいいのか・・・?

さらに。

画像8

さすがに両方は食えねーか。どっちにする?
いや待て。妻とハーフ&ハーフにするのはどうだ・・・?

画像9

さあどうする? 娘たちも巻き込んで、クオーター&クオーター&・・・
ああ~! 井之頭五郎の胃袋が欲しい!

って落ち着けーい!!

****************************

先週末、私の度肝を抜いたのは、りんごです。

画像10

日本産のりんごだ。
値札を見なかったことにして、買ってみました。
一口食べて、一瞬、何を食べてるのかわかりませんでした。
はて。こんな食べ物を知らないんだが。

見た目はりんごっぽいけど、りんごじゃないよね。
だって、これがりんごだったら、今まで食べてたりんごは何だったの?ってなるもの。

香港のスーパーで売ってるりんごたち。

画像11

画像12

画像13

ふぞろいの林檎たち6


****************************

日本の料理が美味しいことは、日本人も知っているし、世界も気づきつつあります。
料理だけでなく、食材にも注目してほしい、と思う。
日本の魚、肉、米が美味しいのは、言うまでもありません。
私がとくに訴えたいのは、野菜です。
日本にしかない野菜などではなく、どこにでも売ってそうな野菜たちのことです。
日本産の野菜の美味しさは、異次元のレベルだと思います。
きゅうり、トマト、ピーマン、キャベツ、なす、レタス、たまねぎ、大根、かぼちゃ、里芋・・・挙げるとキリがないですね。

世界のほとんどの人々は、日本産の野菜を食べたことがなくて単に知らないだけ。
多くの日本人は、自分たちが食べている野菜のスゴさに気づいていないのではないでしょうか。

日本産の野菜がなぜこうも段違いに美味しいのか、不勉強な私にはわかりません。
でも、確信をもって言えます。
ナニ人であろうと、日本産の野菜を初めて食べたら「なんじゃこりゃー!」と腰を抜かすこと間違いなし。
機会があったら、試してみてください。

日本産の野菜をジャパンブランドとして世界に輸出している農家さんがいるそうです。
先見の明ありまくりですよ。ドンキよりスゴい。
「あなたは正しい。ありがとう。がんばってください」
と、泪を浮かべながら言いたい。

日本は、政治家も官僚も企業人も、国内しか見ていないからなのか、世界における日本のポジションやポテンシャルに気づかないようです。
「クールジャパン」だって、アメリカ人ジャーナリストに指摘されてから、10年くらいたってようやく気づいたという始末。

最後に、私の元同僚(知日派のイギリス人)の言葉を紹介します。

フランス人の舌を満足させるのは難しい。
日本人の舌を満足させるのは、不可能だ。
当然だ。国内にあんなに美味しいものがあるんだから。