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潜在意識の書き換え 〜自己認識を書き換える〜④

前回は、そもそも自分のメンタルブロックにどのように気が付くか、ということをお話ししました。自分にとって「当然の事実だと思っている現実」が、実は自分の「思い込み」の上に成り立っている、そのことを認識し、何が思い込みなのかを俯瞰することが、自己認識を書き換える上での大切な第一歩になります。
では、気が付いたらばそれで終わりかというと、そうではありません。今回は、メンタルブロックの「ツリー構造」について、お伝えしていきます。

【メンタルブロックの構造】
何度も繰り返すネガティブな感情、それは分かりやすいメンタルブロックの1つだ。では、その繰り返す感情を感じるたびに、その感情を手放せばよい?

その方法は間違ってはいないが、ものすごく効率が悪い。例えるならば、1本の木をなくすために、まずは葉っぱを一枚ずつ落としているようなイメージだ。"葉"にあたる感情(=メンタルブロック)を生じさせる原因となっている、"根っこ"にあたるメンタルブロックがある。人によっては、「ビリーフ」という表現をすることもあるだろう。

根っこのメンタルブロックという大本の根源を絶たない限り、1枚ずつ葉っぱは消えていくが、まだ無数の葉っぱが残っているうえに、新しく葉が出てくるのだ。"葉"という個別事象に付随するブロックから根っこのブロックを探り、根こそぎ取らないと、あまり意味がない。全く意味がないことはないが、1本の木をなくすには気の遠くなる様な時間がかかる。

【メンタルブロックの「根」を探るために】
では、どのようにメンタルブロックの根っこを探ればいいのだろうか。例えば、人から何かを注意されて、怒りを感じたとしよう。人から注意を受けると、いつもイライラしてしまう。
その時に、「なぜ自分はこんなにも怒りを感じるのか」、自分に問うのである。「なぜそう思うの?」「なぜこう感じるの?」、きわめてシンプルに言えば、この問いを繰り返すことがメンタルブロックの根っこを探るプロセスとなる。

こうして一言で言えば簡単に聞こえるが、これは結構難しい。私のセッションの経験から言うと、このプロセスに慣れていないと、大体下記の様なことが起こる。
パターン①:「なぜイライラするのか」→「あの時こんなことも感じて、こんなことも感じて・・・」と、その時に感じた類似感情に意識が移ってしまう
パターン②:「なぜイライラするのか」→「自分が否定されたからだと思う」と、左脳で普段から思考・分析した結果に直結してしまう
パターン③:「なぜイライラするのか」→「あの人があんな言い方をするから悪い」、と相手のイライラポイントに集中してしまう

①の場合、一緒に噴出した別のイライラブロックを、最初のイライラブロックの根っことして勘違いしてしまっているパターンだ。「イライラする」と一言で括られてしまう感情の中に、複数のメンタルブロックが内包されていることは決して珍しくない。根っこを探るつもりが、似て非なる別の話に移り変わってしまっているため、掘り下げが深まらない。

②は、普段から自身を見つめ、冷静に分析している方に多い。その分析がピンポイントで合ってるケースもあるのだが、「自分が否定されることに関するブロック」も確かにお持ちなのだがこのイライラの根源とは直接は関係ない、というパターンも、実は多い。普段から慣れ親しんだ自己分析に思考が流れてしまい、「本当はなんでそう感じるのか」という、心に正直な答えに行きつかない。

③は、自分の内側に原因があるのではなく、環境や相手といった外側に原因を求めているパターンだ。これは結構厄介で、人は、他責にしている限り、それに関するブロックは取れない。あくまで悪いのは相手であり、自分が変わる必要はないと考えるからだ。                            これは、ある種共感できる感情だ。相手がこんなにひどいことをしているのに、なぜ自分に原因があるなどと言われなくてはいけないのか、というのは、誰しも思うところだろう。    

ここでポイントとなるのは、「自分の内側に原因がある」というのは、決して「あなたに非があることが原因で注意されている」という意味ではなく、「注意されたことに対して怒りを生じさせるブロックが、内的要因としてあなたの中にある」という意味だということだ。
同じことを言われたとしても、その人がどういうブロックを持っているかによって、生じる感情は様々だ。怒りを覚える人もいれば、傷つく人もいる、恥ずかしさを覚える人もいれば、特に何も感じない人だっている。注意されるという外的な要因が、各人のブロックを通じて処理された結果、様々な感情として認識されているのである。

③のパターンは、周りの環境や相手に対して怒りや憎しみを覚えている人に多く見られがちである。「現実」だけを見れば、相手の言っていることが理不尽だったり倫理的に非道であったりすることも、よくある。なので、「相手が悪いのに!私は傷つけられたのに!」という想いは、よく分かる。しかし、その環境を変えたいと思う時には、「自分の中のどのブロックがそう感じさせてるのか」を特定し、そのブロックを消して不快な感情から解放されることが一番効果的であり、言葉はなんだが、本人にとっても「一番お得」なのである。

【メンタルブロック解除=感情の手放しとは】
今回は、メンタルブロックのツリー構造と、根っこのメンタルブロックを探る上でのヒントをお伝えしました。繰り返される感情の大本はこれだったのか、という根っこのメンタルブロックが特定できれば、次は「感情の手放し」が必要になってきます。次回は、この点についてお話していきたいと思います。

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