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急成長フェーズで生まれ変わる。データドリブンなエンジニア主役のテック企業へ ──DMM Boost代表インタビュー

私たち株式会社DMM Boostは、ShopifyとLINEアカウントを連携させたCRMツール「DMMチャットブースト for EC」を展開しています。

2021年12月に社長交代が行われ、CTO(最高技術責任者)の横関 秀樹が、新たに代表取締役へ就任しました。新体制からまだ現時点では半年ほどの状況ですが、営業体制から組織文化まで大きな変化を迎えています。

今回は横関のこれまでのキャリアを振り返りながら、そこから導き出された経営哲学や、今後の事業方針などを幅広く語ってもらいました。


10代で学んだ「エンジニアと起業」の道

株式会社DMM Boost代表取締役 横関 秀樹

──まずは現在に至るまでの経緯を教えてください。

大学を卒業後、IT企業のiOSエンジニアとして就職しました。約3年でフロントサイド、サーバサイド、インフラなどの全領域を担うフルスタックエンジニアとしてキャリアを積みます。

その後、株式会社ハッシャダイのCTOとして経営に携わり、2021年12月に株式会社DMM Boostの代表取締役に就任しました。

──なぜエンジニアになろうと思ったのでしょうか?

小学3年生の時、インターネットに興味をもったんです。最初はゲームの攻略法を閲覧するだけでしたが、やがてホームページも自作し始めました。自分で発見した攻略法を発信することが楽しかったんですよね。

さらにバナークリックで報酬が得られるアフィリエイトにも挑戦し、5年生で1000円を稼ぐ体験もしました。それから徐々に熱が高まり、中学2年生から本格的なプログラミングを始めることになります。

高校に入ると、ITベンチャーでの起業に関心が生まれました。当時はITバブル期のピークで、堀江 貴文さんをはじめとした起業家がメディアに登場し、話題を集めていたのです。

──エンジニアだけでなく、起業にも興味をもったわけですね。

そうなんです。進路は「はこだて未来大学」のシステム情報科学部を選びました。プログラミングに加え、貸借対照表などの経営に関する学習もできる環境だったのでインプットには困りませんでした。

アウトプットについては、ITベンチャーを研究する教授のもと、学生時代に起業も経験することになります。

その後は大学院へ進み、新卒で大手通信会社に入社、その後IT企業のエンジニアとして就職しました。全領域を守備範囲とするフルスタックエンジニアになった経緯は冒頭にお伝えした通りです。

──その後、DMM Boostの前身であるハッシャダイに、CTOとしてジョインしたのはなぜでしょうか。

ハッシャダイ時代の懐かしい写真

ハッシャダイは2018年にDMMグループへ合流しており、そこでCTOが必要だったそうです。そのタイミングで知人を通して私に声がかかりました。

私自身も起業を検討していた時期でしたが、ハッシャダイが目指すビジョンやメンバーの人柄に心を動かされジョインを決めました。

当時は人材育成・派遣事業がメインだったため、景気に左右されるリスクがあり、実際にコロナ禍では大きな打撃を受けました。そこで事業ポートフォリオの見直しが急務となったのです。こうして誕生したのが、チャットブーストでした。

当初はハッシャダイの一事業でしたが、軌道に乗ったことで株式会社DMM Boostとして分社化。新たなスタートからの詳しい変遷についてはこちらの記事でお伝えしています。


営業体制のリニューアルと、事業の急成長

2022年2月にはプロレスラーが登場するテレビCMを放映

──「DMMチャットブースト for EC」は、サービス提供開始から約1年で累計500社以上に導入されました。どのような事業展開だったのでしょうか。

当社はもともとフィールドセールスが得意な組織でした。そのため、まずは得意な営業スタイルで企業にアプローチしました。具体的には、美容室などの店舗が中心です。

2020年7月に最初の契約をいただき、そこから順調に導入企業数を伸ばします。ただ、EC事業者向けに展開できないのがネックで。市場の大きさや相性を考えると参入は必須でしたが、訪問系の営業スタイルでは、新たなお客様との接点をもつことが難しい状況でした。

そこで社内教育を強化し、Web上のリード獲得からナーチャリング、インサイドセールスまでを一貫して行える営業体制へ移行。
統計データをもとにして数値を見ながらグロースさせる戦略は、前職で担当していました。そこで、SaaSの営業プロセスで代表的な『THE MODEL』などの概念を導入したわけです。

これらの取り組みにより、EC事業者様とのコンタクトも増加。導入企業数も急速に伸び始めました。

──組織としても大きな変化があったわけですね。

営業スタイルだけでなく、社内のコミュニケーションにも変化がありましたね。たとえば以前だと「お客様が●●という機能を求めています」なんて会話が目立っていました。

それが少しずつ、客観的に判断できる数字を用いて議論をするようになったんです。「100件のうち、2件でこういう声があります」「顧客の8割が●●と言っています」という具合です。


開発チームの強化でグロース戦略を迎える

──今後はどのような事業戦略を考えていますか?

これからの2〜3年は大きな方針転換をせず、グロース戦略を取ります。開発チーム増強のほか、営業やCS(カスタマーサクセス)が数値的根拠にもとづいて行動できる組織づくりが中心になるでしょう。

一方で、5年より先のことは考えないようにしています。今回のコロナ禍で中長期の予測が脆いことがわかったからです。そのかわり、1年おきにゼロベースで戦略を考える仕組みを導入したいと考えています。

今年と来年とでは話すことがまったく違うかもしれない、それぐらい柔軟に変化できる組織を目指しています。

──戦略として開発チームの増強とありました。具体的な構想はありますか?

既存の開発ラインに、プラス2本のエンジニアチームを考えています。

1つはお客様の潜在ニーズを調査し、新機能に反映させるチームです。現状はアンケートの結果などを参考に、既存ニーズに応える体制のため、競合との機能差が付きにくいデメリットがあります。
要は「他社でこういう機能があったから、チャットブーストでも追加してほしい」というリクエストになってしまうんです。これを繰り返し続ければ、プロダクトやサービスの差異は失われます。課題の解決には、データ分析から示唆される潜在ニーズへのアプローチが不可欠なのです。

2つめに構想するのが、システムを安定稼働させる改善チームです。契約者数が増えるにつれ負荷も増加するため、ここの専任チームも今後は強化する必要があると考えています。


個人の価値観重視、柔軟なエンジニア採用へ

──今後、チャレンジしていきたいことはありますか?

インナーマネジメントの一環で、専門の分析チームをつくりたいですね。
たとえば社内の統計情報を使い、パフォーマンスが出る環境を何度も再現できたらいいですよね。Googleにはそういった社内分析チームがあると言われています。

今後の社員数の増加にともない、人事評価制度などもよりロジカルなものにする必要があるでしょう。そういった時にも社内分析チームは役立つと思います。

──最後に、採用メッセージをお願いします。

2021年12月から新体制がスタートし、0→1、1→10、10→100のフェーズが非常に短いスパンで起きている会社です。
発展途上のタイミングですが、成長を肌で感じられる魅力があります。事業と組織、両方の基盤構築を楽しめる人には、ぜひ力になってもらいたいです。

また、エンジニア採用も積極的に進めています。当社は受託開発ではなく、自社サービスの提供を行う会社です。そこにかかわりたい、チャンスに飛び込みたいと考える方は、まずはお話だけでもいいのでコンタクトをもらえたら嬉しいです。

一緒にサービスを育てることに興味がある方は社員として、技術を磨くことに特化したい方は業務委託も可能です。個人の価値観に合わせた柔軟な採用を進めたいと思っています。

取材協力:CASTER BIZ recruiting

当社では、一緒に働いてくれるメンバーを随時募集しています。ご興味ある方は、以下よりご応募ください。

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