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お好み焼きはおかずです

冗長な前書きをダラダラと書いていたがどう本題に持っていこうか悩むようなものだったのでいっそのこととっぱらった。飯について書くと言っておきながら結局飯自体にスポットライトはさほど当てず、食に関する諸々の感想やらこだわりやらを綴ってここまで来た。11月のはじめに構想していたのは、飯のツイートをすると割とみんな見てくれるから飯について書くことはそれなりに有用なのではないかという仮説で、あれだこれだのタイトルも料理の名前が並び、それの作り方を淡々と書きだす程度のものだった。振り返るとよくわからない短いエッセイが濫造されており、わがことながら不思議なものであるが、そのときに思ったことをリアルタイムに載せていくとこの結果になるのだろうなと納得もしている。

さて、お好み焼きは文字通りお好みに焼いてやれば良い。そもそもレシピなど不要なものだ。それぞれに食って焼いて試して見つけてゆけばいい。ただ一から悩むと時間がかかるためある程度類型化されており、大阪で主に食べられるキャベツをみじん切りにするタイプのもの(以下大阪風)と広島で主に食べられる千切りキャベツを使うタイプのもの(以下広島風)が世の中では有名である。大阪風、広島風、それぞれよく食べられている地区から呼ばれることが多い。わたしは大阪に比較的近い神戸で暮らしてきて、どちらかというと大阪風が慣れ親しんでいるものだが食べるときは広島風を選ぶことが多い。理由は過去の自分が書いてくれていた。

過去の投稿には「広島焼やもんじゃは邪道」とも書いており、強気な発言にわがことながら若干引いている。おそらく当時は美味しい広島風に出会えていなかったものと思われる。そして過去を見返しても作り方については記載していなかった。体で覚えているとあえて書くこともないと考えていたのだろうか。

小麦粉を水で溶いて柔らかいおかゆ程度の粘度にしたものを熱した鉄板に流して薄く半径10cm程度の円にして焼く。ひとつかみのキャベツをのせて天かすや薄切りの豚バラ肉をのせる。生地を大きめのおさじ1杯程度この上からかけたのち、ひっくり返して焼く。傍で焼きそばを作り、お好み焼きの上にのせて軽く押す。同じように傍で卵を割り入れて目玉焼きを作るのだが黄身を一触れして割る。これも焼けたらうえに乗せ、ソースをかけてお好みのトッピングをすれば食べられる。

読むとわかるのだがやはり少々手間がかかる。しかし下ごしらえは楽で、材料もたいがい出来合いのものが売られている。特に楽になれるのはキャベツと長芋で、千切りキャベツはサラダ用としてほとんどのスーパーに置かれているものと思われる。また大阪風だと長芋は必須なのだが、広島風だとそもそも付け入る余地がない。おそらくわたしの大阪風での作り方が変わっているのかもしれない。

キャベツをみじん切りにし、長芋をすりおろしておく。ボウルに一掴みより多めのキャベツとお玉半分のとろろ、卵を割って入れ雑に混ぜる。だし粉や桜えび、天かす、いかなどの具材を適量入れつつ、小麦粉をふりかけ入れてかたさを調整する。熱したフライパンに薄切り豚バラ肉を焼いてその上に生地を乗せて焼く。適宜ひっくり返したり目玉焼きを上にのせ、食べごろになったらソースなどで調味する。

つまるところ水を加えずほとんどつなぎのような形で小麦粉を使っている。そのため非常に味が濃く、必然的にご飯なりビールなりが欲しくなってくるのだ。関西人がお好み焼き片手にご飯を食べることについては、ステレオタイプとして語られることが多いが、おそらくそもそもお好み焼きとして思っているものが違うのではないかと思う。一度「本物」を食べてから考えてみてほしい。

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