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#冬曇さんぽ神

もはや新型感染症による自粛の影などどこにもないように見えるほどの人出で賑わった年末年始を過ぎて、仕事続きの毎日に戻ったのも束の間、風邪をこじらせた後遺症のような違和感を抱えてなんとなく冬の午後を持て余していた。気温こそ比較的高いものの曇空の1日は気持ちまでどこか落ち込んでしまいがちなので、例によって例の如く、友人を誘ってドロッセルマイヤーズさんのさんぽ神で遊ぶことにした。友人のツイートを元に今回のゲームを振り返ることにする。

年に半月しか売られないたい焼きがあるというので友人が国立くんだりまで出かけるので、合わせて久しぶりに出かけることにした。別記事で書いた深川つり舟さんで天丼をいただき満腹になってからのお散歩は腹ごなしにはちょうどいいものだった。駅から一本道をしばらく歩いて、住宅街の中にぽつんとあるお店はたい焼きを楽しみに待つお客さんたちでいっぱいになっており、友人たちがたい焼きを頬張るのを、コンビニのコーヒー片手に眺めていた。

まず初めのお題は「色の入ってる地名のところで」「むかし流行ったことをしてみよう」を引いた。色の名前が使われている地名は幸ながら東京にはいくつかあった。国立にいたので手近なのは小金井なのだが、白金なり青砥なり少し考えてみるといくつか思いついた。

そして選ばれたのは目「白」でデューク更家の提唱した「デュークズウォーク」をすること。テレビなどでよく見かけたのはもう20年近く前になるが、少し調べてみるとご本人は今でもあらゆるところでエクササイズレッスンでご指導されているようだ。流行り物扱いして多少の申し訳なさもあるが、この場所でできることも限られているのでご勘弁願いたい。一応列車の来ていないタイミングなどを見計らい、安全には十分に配慮している。

続いて「あまり好きではない場所で」「歴史の跡を探してみよう」。ここまで来るとあまり好きではない場所は明白である。以前の #冬晴さんぽ神 のときにはお台場を躊躇なく選んだわけだけども、今回も暗黙の了解で即決だった。

そう、池袋なのだ。相応にのどかな地域で生まれ育ち、いろんな縁を手繰り寄せて東京に暮らすようになってもう5年が経つけれど、いまだに「あまり好きとは言えない」。友人が書いてくれているのもそうだし、そもそもあまり縁がないし、少しほろ苦い思い出もいくつか詰まっている。暮らしを重ねていくと、いろんな思い出が出来てくる。いつかここも好きになることができたらいいと思いながら、普段踏み入れない一本外れたストリートを歩くのもさんぽ神の醍醐味といえよう。

最後に「5駅先で電車を降りて」「しょうもない写真を撮ろう」。池袋はJR、私鉄、地下鉄の各線が交わる一大ターミナル駅である。選択肢は非常に多い。ここまでの時間と、しょうもない写真も撮れそうな場所と、この後の予定を踏まえつつ、スマホで東京の路線図を広げてみる。有楽町線なら、山手線なら、東上線なら、などいろいろと駅名が浮かんでは消えていくのも、東京に慣れてきた証左だろう。

駅からすぐの改札を抜けて赤い小さな電車に乗ると、地下鉄のくせにすぐ地上に出ては入り、山の手の崖線に沿って丸ノ内線は走り始めた。茗荷谷で餃子を食べたこと、後楽園でアルバイトをしたこと、それぞれの街にしょうもない思い出はあるものの、御「茶」ノ水で「茶」をしばいてお「茶」を濁すのは初めてのことだ。せっかくなので神田明神で商売繁盛のお願いもして、遅ればせながら初詣とさせていただいた。ようやく2023年を始められた気がした。

さんぽ神のプレイ履歴をまとめている。案内文に「季節に一度ほど」と言いながら、あれだこれだと言って去年、今年は冬に思い付いたように一度きり遊んで、やりたいなと思い続けて時間が過ぎていった。特にテーマを決めていなくても僕らは散歩するけれど、たまにはこうしてテーマがあると人や物に限らず新たな出会いがあって程よい刺激になる。これまでほとんど1日かけて5個ほどテーマを選んで歩いてきたけれど、今回は3つでお開きにしたし、なんなら1つでもいいから、いろんな探り方をしてみるのも面白いのではないかと思う。

繰り返しになるが、開発者のドロッセルマイヤーさんの案件でもなんでもなく、単純に僕たちはこの遊びが好きだ。勝ちも負けもなく、歩くことが好きで、街が好きならなお楽しく、ほぼ無限の楽しみ方ができるさんぽ神はやはり神ゲーと言わざるを得ない。皆様どうぞお試しあれ。

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