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南の国にこんにちは

気温が低くなってくると漠然と南の暖かい地方へ行って、温泉にでも入って温まりたいという気持ちになる。今年は猛暑かつ暖冬という寒さとかけ離れた不思議な気候をしているからあまり実感はない。ただ、北国暮らしがしばらく続いたこともあり、ずっとなんとなく南の方へ憧れがあった。一度は行ってみたいなと長らく思っていた鹿児島へ今年は行くことができた。詳細は旅行記を書いているのでそちらをご参照ください。

この記事にもある通り様々なものを道中ではいただくことができた。中には初めて口にするものもいくつかあったのだけれど、食べたいと思いつつ短い旅程の中で泣く泣く食べられなかったものがある。そういったものをいつかは食べにもう一度行きたいと思っているし、さわりだけしか触れられていないものについても諸々思いを馳せて述べていきたい。

旅程を立て始めたときにまず訪れる場所として考えていたのは焼酎を作っている蒸溜所というか蔵元だった。砂蒸し風呂や鹿児島市内の観光を優先した結果、距離的制約があり訪れることは叶わなかったのだが、次に行く機会があれば真っ先に向かいたいと思う。というのも最近で一番飲んでいる酒がおそらく芋焼酎であり、それを作っているところに行きたいと思うのは自然なことだと思う。ハイボールにしてもいいし、ロックでもいいし、水割りもお湯わりも大好きだ。ああ、飲みたくなってきてしまった。

同じように訪れておきたかったのは鹿児島王将である。京都にある餃子の王将系の地場チェーンなのだが、メニューなどは鹿児島独自のものがあるらしい。実際前を通りかかったのみに過ぎず、餃子の王将好きとしては食べなかったことを少し後悔してならない。ただ結局中華料理屋であり、他にも食べたいものはいくつかあったために優先順位を考えるとそうなってしまっただけなのだ。限りある資源は、食の機会は有効に使わないと胃袋がはち切れてしまう。

行程の中で桜島へ行くフェリーに乗ったのだが、このフェリーの中で供されているうどんが一部の旅行好きの中では非常に有名である。Googleで検索しようとするとサジェストでうどんが出てくる。料金や乗り場よりも上にあがってくるから面白いものである。そもそも片道15分の航路でうどんを頼んで食うというのはなかなか忙しないものなのだが、頼んですぐに出してもらえるので食べられなくはないのだ。西日本らしい薄い色の出汁にしっかりと昆布の旨味がのっているのが非常に良い。詳細は南日本新聞の下記の記事をご参照ください。

フェリーの話でいくと、鹿児島側の乗り場は基本的に改札がないのだが、乗り場のすぐ脇にただならぬ存在感を放つとんこつラーメン屋がある。往復のどちらも午後のおやつがちょうど欲しくなる頃合いで麺を啜る時間帯ではなかったのだが、店内はぎっしりお客さんがいて美味しそうに啜っていたのをみていた。さすがに時間がなかったので食べることは叶わなかったのだが、あの乗り場に立ち込めるとんこつの香りは食欲を掻き立てざるを得ないものだった。次に訪れる際は食べたい。

麺類について書き残しがあるのは唐船峡のそうめんだろう。砂風呂をメインに据えていた旅行記なのでスポットライトを当てていないのだが、本来これで1本記事が書けるほどにエンタメ性の高い食べ物だった。まず訪れると食券売り場で注文を行う。注文して食券をもらうと下記のそうめん流しの機械が据え置かれた座席に座って支度されるのを待つ。

配膳されると動画の通りにそうめんを掬って食べる。このときについているつゆが普段食べているものより幾分甘く感じたのは甘い醤油をベースにしているからなのだろうか。詳しいことはわからないけれど、夏に食べ慣れたそうめんもこうして向き合うとなかなか新鮮だった。

半年経っているので手元の写真を見ながら、振り返ってあれこれ書いてきた。どれもこれも非常に美味しそうで、美味しくて、やはりもう一度訪れて全て食べていきたいと誓いを新たにした。流通が発達して日本全国同じようにものが行き届いて食べられる世の中になっているとはいえ、若干の風土の差でベースができて、長い歴史の中で個別の地域の食文化が連綿と受け継がれているのはやはり面白い。これからも積極的に食い意地を張って、いろんな地域の好きなものを探していきたい。

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