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#さんぽ神

約3年ぶりに札幌を訪れたのも束の間、早速の紀行文です(1日ぶり今週末2度目)。前回のツイート振り返りにも少し書きましたが、友人夫婦と「さんぽ神」というボードゲームを使って東京を散歩しました。

「さんぽ神」をボードゲームと書きましたが、これは卓上でお酒片手に楽しむものではありません。よく晴れた日に、動きやすい服装でスニーカーを履き、ポケットには財布と携帯電話があれば十分で、コンパクトカメラを首から下げていれば申し分ありません。あとは「さんぽ神」をパラパラとめくり、「どこ」で「なにをする」のか、さんぽ神の導きのままに散歩すればOKです。ちなみに神のお告げは44の2乗で1936種類あるようなので、ランダムで選ぶもよし、最初から攻めるも良し、勝ち負けもないので誰でも無限に楽しめる神ゲーです。購入先リンクを貼っておくので気になったらやってみてください(回し者ではありません)。

今回は、友人夫婦と僕の生活圏がギリギリ接する新宿駅南口で待ち合わせて、ゲームスタートでした。

事前の打ち合わせで無限に移動できてしまうことからメトロ24H券を買って縛りにしようと考えていたのですが、写真映えを意識して新宿駅南口になりました。夜行バスで寝不足のおじさん二人がサイコロ投げて一喜一憂したりしてそうで、面白そうじゃないですか。そう思うのは僕だけでしょうか。

記念すべき一回目のお告げは「3駅先で電車を降りて」「鳥や昆虫を探そう」。新宿から乗れるメトロ路線は丸ノ内線しかない以上、早々にメトロ24H券縛りは消え、Suicaで総武線に乗り信濃町で下車。神宮外苑の僅かな緑を頼りに、まだ冬眠覚めやらぬ2月の末の寒空の下で鳥と昆虫を探します。

苦し紛れに蝉の抜け殻を探し出して、一応クリアとしています。その蝉の抜け殻を見つけ出すのも一苦労で、おそらく2月に昆虫探ししている人、他にはいないだろうなと思いながら、それもまた楽しい時間でした。

次に「カタカナの入ってる地名のところで」「公園を見つけるごとにラジオ体操をしよう」。東京23区でカタカナの地名がどれほどあるのでしょうか。赤坂サカスのサカス坂という意見が出ましたが、これは少々疑わしいので、デジタルネイティブの我々はポケットからスマホを取り出して三者三様に探し始めます。

おそらくこのページを見た友人が次々とカタカナの入った首都圏の駅名を上げてくれました。「高輪ゲートウェイ」、「品川シーサイド」、「天王洲アイル」、「流山セントラルパーク」…流山まで行くと大変なことになりそうですし、高輪と品川はなんとなく、再開発中で公園も何もない荒野でラジオ体操をするシュールな絵面になりそうだったので、一番まともそうな天王洲アイルに向かうことに。いま書きながら知ったのですが天王洲アイルのアイルは"isle"で"island"の略、島の意味だそうです。また、他にも東京のカタカナ地名をご存知の方おられましたら情報提供お願いします。

外苑からは少し距離があるので、地下鉄とモノレールを乗り継ぎ移動することに。東京でもかなり都市化が進んだ湾岸エリアの道のりに公園などなく、天王洲アイル駅からほど近い公園でラジオ体操をしてきました。ちゃんと第一、第二、どちらもやってますのでOKでしょう。

暖かい日が差すなかで体を動かすと、暖かくてとても気持ちが良いです。近所の子供たちが遊具で遊んでいたり、広いコート目一杯使って大人たちがサッカーしていたり、みんなめいめいの休日を楽しんでいました。

ラジオ体操を終え、多少あったまったところで「北に向かって歩いて」「誰かがした工夫を探そう」。公園から北に向かって住宅街の中をぶらぶらと歩きます。いかにも散歩という感じ。天王洲アイルには一度行ったことがあり、駅とオフィスビルと高層マンションが接していて、いかにも再開発でできた街、という印象がありましたが、駅から少し離れたところには古めの団地があったり、こういうのも散歩ならではの発見と言えるのではないのでしょうか。

そんな団地の隅で見つけた猫水。花壇の猫よけのためにペットボトルに入れた水を置いています。まだ小学校へ通っていた頃、これが通学路の一角に敷き詰められるように置かれていたのをふと思い出しました。

団地の脇を通り過ぎて大通りまで出たところで「バス内でマークした人と一緒に降りて」「激安のものを探して買おう」。同じバス停で降りるだけなのでストーカーではない(はず)。品川駅行きのバスに乗るとキャリー引いたお姉さんがいて、「この人間違いなく新幹線乗ってどこかに行く」と思ったので買い物場所に不自由しなさそうなお姉さんをマークしたところ、案の定品川で降りてくれたので一安心。というのも束の間、品川で「激安のもの」がそもそも売ってる気配がしない。駅前のクイーンズ伊勢丹で苦し紛れにセール品のお茶を買ってお茶を濁すことに。ダジャレではありません。

お茶を飲み、ひと休みしたところで「知り合いの住んでいる街で」「微妙な色を探してその色の名前を考えよう」。

参加者全員がRTするも「京都」というリプライしか来ず、新幹線に乗って行くことはできなくはないが、散歩とは程遠い何かになりそうだったので、Twitterの共通のフォロワーであり、最近あまり見かけない某氏の住む高田馬場を通って早稲田を目指すことになりました。

せっかく行くなら行ったことのない場所に行ってみたいし、乗ったことのない乗り物に乗りたいところ。山手線を目白まで乗り、少々歩いて、鬼子母神前から早稲田まで都電荒川線に乗りました。目白からは目白通りを沼袋の方にバスで行ったり、西武池袋線の椎名町まで歩いたことがあるのですが、山手線の内側を歩くのは初めてでした。

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学習院の存在感と整った街並みに居心地の良さを感じつつ明治通りを越えると鬼子母神前の停留所が見えてきます。停留所の先は商店街になっていて、世田谷線の松原とかあのあたりと近い、落ち着いた住宅街といった印象でした。

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早稲田で降りて神田川沿いを少し歩いて、微妙な色を探しに東京カテドラル聖マリア大聖堂へ向かいました。椿山荘と肥後細川庭園の間の胸突坂を上がると教会の塔が見えてきました。

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聖堂は祈りの場なので撮影NGで、コロナ禍ということもあり会話もNG。撮りたい気持ちを抑えながら、打ちっぱなしのコンクリートが木目のように見えて微妙な色だなと思っていたら、どうやら同じことを思っていたようなので、これでクリア、ゲーム終了となりました。

話は変わりますが、聖堂の中で試しに指をはじいたところ、とても響いて驚きました。讃美歌が歌われるとどんな風に聞こえるのかとても気になるので、どこかで一度礼拝に行ってみたいと思います。

半日かけて東京の西側をちょうど6の字のように巡ってきました。最初は隅田川を60分歩くとか、いろんなことをイメージしていたのですが、普段過ごしている西側で落ち着いたのが少し物足りない感じです。おそらく天王洲アイルが原因でしょう。カタカナ地名のストックも貯めておきたいし、聖堂の礼拝は見たいし、水上バスに乗ってもいいし、矢切の渡しもアリかもしれない。東京ってなんだかんだすごく広くて、まだまだやってないことたくさんありそうな気がする。ああ、いろいろ考えてるとまたやりたくなってきました、「さんぽ神」。

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