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何のために食べ、何を以て生きるのか

厄介な世の中である。何から何まで目的やら根拠を求められ、窮屈なことこの上ない。理由もなく動き回っていることは自由の証左ではないらしくて、何の迷惑もかけていないのに説明のつきづらいことを少しするだけで、集団から異物として吐き出されかねない。社会生活を営む上で相互理解は必須であるから、理解へのハードルが通常より高いものに対して、他者が言葉を重ねるよう求めるのは自然な営みである。しかしながら、元来この社会性は身についているものではなくどう考えても生育環境により個人差のある後天的な資質だと見てとれる。好きなように生きてみたいと改めて私たちが問われるときに、はたしてどれだけ明確に他人にわかってもらえることができる人がいるのだろうか。私は果たしてどれだけの人たちを理解することが出来るのだろうか。

こと飯に関しては腹が減ったから食うという単純な生物としての理由がある。人間は飯を食わぬといずれエネルギー欠乏で息絶える。プロセスは何通りもあるだろうが飯を食わぬことは人間の、そもそも生物としての理から外れることであるために、わざわざ飯を食うことに本来意味などはついてまわらないはずである。しかしながら厄介にも食い意地を張った私は改めて飯を食うことについて考えてみたくなった。そもそも何故目的意識をもって物事をやるのかというと、やった効果を最大化させるためである。食い意地を張ることは食べることにこだわることであり、必要性はないものの食べることに目的を作ることで、食べることをより意味のある、効果的なものにしようという試みである。ボディビルダーが体づくりを目的としてタンパク質の多い食事をとることも食べることに目的を作った例の一つだろう。

クリスマスイブの夜を過ぎて、おそらく全ての憂鬱を包み込んだような月曜日の朝を迎えていたに違いない。JR東海が遠距離恋愛の恋人を描いたCMを打っていたのは私も生まれる前のことだけども、12/24の夜を一緒に過ごして少し豪華な飯を食うことには、少なくともそのくらい昔からただ飯を食うだけでない意味のある行為なのだろう。どちらかというと会うことや話すことに目的を持つように思うが、食べることにも目的があるように思う。クリスマスのディナーのように食事はカレンダーとセットになることが多い。そもそも食べ物は自然からの恵みであって、無い袖は振れぬというか獲れないものは食えないわけだ。時季折々のイベントに合わせた食事は当然その旬となる食べ物を用いることになる。季節の到来を祝い、なおかつ季節を楽しむという目的のある食事になるわけだ。

ところで私がnoteを始めるにあたって書いたものに振り返りたい。

約3年前のこと。おそらく新型感染症云々でやることがないからなんかやってみようと思って登録だけして書いたものだと思う。このように毎週何かを書いたりするとは想像すらしていない。ツイートに重ねていくスタイルもまだ良いものとは知らなかったはずだ。ただ、物を書けるようにならなければと思ったり、そもそもいろんなことを考えてみようと思ったのだった。

きっかけはなんだったか。恥ずかしいからあまり書くつもりはないのだが、自分の人生を振り返るタイミングと、ターニングポイントになりそうでならなかったイベントがあったことだけ記して残しておくことにする。結果的に「全ては主観性を失って、歴史的遠近法の彼方で古典になっていく」ので、墓標のように1文残しておくことにする。

25日間、24篇のエッセイをほぼ毎日投稿した。最後の最後で投稿していないことに気付かず怠惰な1日を過ごしてしまったほかは計画的に書いたり投稿していたのではないかと思う。下書きを読む限りわざわざ今日投稿するようなものでもない気がしたのでこれは永久にお蔵入りにするので、この記事を最後に2023年のアドベントカレンダーは終わりにする。投稿頻度、テーマを決めて同じようなことを来年やっても良いし、自分が主催者になってアドベントカレンダーをやるのも楽しそうだ。

ここまでで記事のために何かをしたことは記事を書く時間を作ったのみである。記事のために料理しようかと思ったこともあったけど結局やらなかった。結果的に前日に考えてたことを書いたり、時節柄に合わせて投稿することはあってもあくまで日々の生活が先で、あれこれするのは後に来るわけだ。飯についてはどうだろうか。書いてきたものを見返すとどうやら食うためにあれこれ仕掛けたりすることが多いような気がする。食うために生き、そして生きるために食っている。それ以上も以下もない。

p.s.
アドベントカレンダーと2023年の振り返りをスペースでやります。ぜひお聞きください。
https://x.com/dmcf_s/status/1739141160512499758?s=46&t=xgsS2RU4DEjQeTpVXeBtxw

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