見出し画像

抗がん剤体験⑦スティーブンスジョンソン症候群の記録一週目

前回書いたスティーブンスジョンソン症候群ですが、よくよくリンク先の説明を読むと、1500人しか患者がいないし、効果的な治療法も未確立、後遺症もありうる厄介な難病だったんですねえ。

なんせ高度医療センターの先生が数年に一度出るか出ないかと説明に来てくれるレベルです。

まあ、そりゃね。
いくらレアケースとはいえ、ここまで酷いショック症状がもう何件か発生したら、バクタは使用禁止になる可能性もあるんじゃ無いかって言うくらいの症状です🤔

悪性リンパ腫だけでも精一杯なのに、
薬害だからしょうがないとは言え、
難病まで背負うとなるとさすがの私でも凹みます。

正直、治るのかなあ。不安。
上の記事ではネタでダースベイダーになれると書きましたが、本当にベイダースーツ着ないと過ごせないくらい皮膚が壊死していったら嫌ですねえ😭

とは言え、そこまでレアな症例なら医療従事者や、似た発症リスクのある抗菌薬を使う方々のためになりたく、詳細な記録を残します。

ここからは面白いネタも無く、
純粋な症状と治療記録、稀に弱気になる私の心理描写ですのでご承知下さい。
今回も症例の写真が多数ありますのでご注意下さい。
(尚、タイトルは抗がん剤体験ですが、2クール目はこちらが治るまで一旦中断されています。)


3/25 発症
10時頃、腕、胸、首に赤い湿疹。
痒みは我慢できるレベル。

15時頃、顔も含めて全身に湿疹広がる。
掻いてしまうと猛烈に痒い。

21時頃、湿疹が軽い凹凸に膨らむ。
痛痒い。
熱は測っていないが強い寒気。
夜は痒みと不安で一睡も出来ず。

3/26 入院、治療開始
6時頃、38.7℃。状態は前日と変わらず。
9時頃、病院へ。診察、各種検査開始。
バクタによるスティーブンスジョンソン症候群の可能性が高いと診断。
一旦全ての薬を中断。
15時頃、ステロイドパルス療法の点滴を開始。
軟膏も同時に塗り、若干痒みは治るが、全身の湿疹は引かず。
痒いが、前日の睡眠不足もあり、何とか寝れる。

3/27 入院2日目
7時 37.7℃
点滴前にシャワーを浴びると痒みを増す。
軟膏を再塗布し、ステロイドパルス2回目投与。
午後には痒みがマシになる。
目、口内、粘膜の被害はほとんど無し。
排泄時の痛みも無し。

入院2日目 写真は⑥記事の再掲

夜まで7℃後半が続くが、体調は比較的良好。
但しステロイドの影響でシャックリ止まらず、
睡眠薬も処方されていたが、殆ど眠れず。

3/28 入院3日目
7時 36.8℃ 痒みはだいぶ治る。
点滴前のシャワーも昨日程は沁みず。
軟膏を再塗布し、ステロイドパルス3回目投与。
痒みはこの日が一番マシに。
写真は撮っていないが下半身から湿疹が赤茶色に変色始まる。
病態が落ち着いてきている証拠らしい。
noteを書けるくらいには回復。
睡眠薬を三種類処方して貰ったが、完全には寝つけず。
ボウっとして無意識に掻いてしまう。

3/29 入院4日目
7時 36.7℃ 昨日より痒みがぶり返す。
シャワーを浴びても昨日より痒みが酷い。
今日から点滴を止め、ステロイド投薬にして量を減らしていくが、痒みが不安なため相談。
15時頃、軟膏(プロペト)とは別のレスタミンという痒み止めを塗布。
すぐには治らないが若干マシに。

入院4日目の胴体

2日目に比べると赤い変色部分が結合して広がり、腹の方から茶色く変色始まっている。
但し、胸より上はまだ赤みが強く、
痒みも残ったまま薬で抑えている。
痒みを抑える飲み薬もそこまでは効かず。

胴体、顔がもっとも酷く、4日目になると肌色の部分が珍しいくらいに全面が真っ赤に。
脚が一番マシで、次が腕。

入院4日目の脚
周辺はまだ赤いが痒みは我慢できるレベル
入院4日目の腕
脚同様に見えるがこちらの方が痒い!
見た目だけでは痒みは診断しづらい。

痒みを我慢しながらなんとか寝る。

3/30 入院5日目
朝から脚の痒みが若干ぶり返す。
入院時には無かった手の甲や、足先まで赤い斑点が広がり、医師に相談。

入院5日目の胴体
腹回りが茶色く変色
入院5日目の脚
茶色く壊死した部分はそのままだが、
赤い周辺が広がってきている。
入院5日目の腕
こちらも赤い部分が指先まで広がっていく

結果、ステロイドパルスだけでは回復の見込みが立たず、このままだと生命に関わるリスクもあるとの事で、免疫グロブリンの大量投与を勧められます。
ただ、このグロブリンも相応なリスクがあり…

グロブリンの説明

髄膜炎や肝機能障害を併発するのも怖いですが、
稀にTRALIという急性呼吸不全で亡くなるケースもあるらしい。

もちろんレアケースなのは理解してますが、
既にバクタでレアなスティーブンスジョンソン症候群という指定難病を被った身からすれば、気が気ではありません。

もう踏んだり蹴ったりです。
受けなければ死ぬかもしれないし、
受けても運が悪ければ死ぬ。
であれば可能性のある方にかけるしかありません。

7時間くらいかけてグロブリンを点滴。
その頃から、脚が今度はヒリヒリと痛み出す。
お医者さん曰く、グロブリンというよりは
ステロイドの影響か、壊死した部分が痛み出してる可能性があるとの事。

柔らかい生地のパジャマですら長ズボンが
肌に擦れて痛むため、この夜はズボンを脱いで寝る羽目に。

3/31 入院6日目
朝から脚のヒリヒリ痛む感じが増す。
肩も若干ヒリヒリし始める。
痒みは痛みで紛れるのか、気にならず。

念のため痛む件を医師に相談するが、
様子見という事でこの日もグロブリン大量投与。

入院6日目の胴体
見た目変わらないが若干色がくすんで落ち着く
入院6日目の脚
細かい赤い斑点が増えて痛い。
入院6日目の腕
こちらも赤さが増している。

結局は一日中脚のヒリヒリとした痛みは治らず。
妻が持ってきてくれたハーフパンツを履いてなんとか院内の移動は可能になる。

ステロイドは減ってきている筈だが、
相変わらずしゃっくりが止まらないため、
しゃっくり止めと睡眠薬に頼って、いつもの浅い眠りに。

毎日の事ですが夜が長い。
ウトウトしては起きてを7、8回は繰り返します。
夜半を過ぎると睡眠薬の効果も切れるので、
月明かりでも分かる自分の手足のマダラ模様を見て不安に駆られながら過ごします。

4/1 入院7日目
痛みに慣れただけかもしれませんが、
脚のヒリヒリ具合はわずかにマシに。
代わりに指先、足先まで赤い斑点が進行し、
病状としては進行しているようにも見える。
グロブリンが効いているのかは、正直素人では分からず。この日もグロブリン点滴。

入院7日目の胴体
全体的に赤茶色だが痒み、痛みはマシ。
但し軽くでも擦ると痛い
入院7日目の脚
濃い茶色が大きくなり、周辺の赤も若干広がる
入院7日目の腕
こちらも脚同様だが、痛みはマシに。
入院7日目の腕と脚
色は同じに見える。
入院7日目の足先
今まで肌色だった部分まで赤い斑点が侵食。

治療開始から7日間を簡単にまとめると。
前半  首、胴体から進行、強い痒み
後半  腕、脚の残った肌色に進行、ヒリヒリとした痛みに変わる。

この治療記録が誰かの役に立てる事を祈ります。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?