KSK

思ったこと、考えたことをかきます。 独白です。

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最近の記事

秋隣

夏の出口 秋の入口 季節の狭間 陽が早く傾く それまでの気温から2、3度低くなる 涼しい風が吹き始める 空気の香りが冷たくなり少し物哀しげに感じる 蝉の声も五月蠅さより悲哀が滲む そこに秋虫の声が加わる どこからか風鈴の音も混じる 頭が一瞬空っぽになる 何だか胸が苦しい 季節の狭間 何処にも属さない季節

    • 信号

      その日は湿度の高いジメッとした夏日だった 家を出た瞬間に「暑っ」と口にしてしまうような 着ている服が肌に張り付くような 夕方、陽は沈む前だった 雲が厚く夕焼けを多い薄暗かった 湿った風がたまに吹き抜ける 信号待ちの交差点 目の前を走り抜ける車 その先に立ち尽くす知らない人 その正面には同じように立ち尽くす自分 信号がなかなか変わらない 歩き出したくても歩き出せない 歩き出しても良いんだろうか 信号を気にせず歩き出して良いんだろうか ただ立ち尽くし信号を見つめる

      • 郷里

        公園の脇を抜けて歩いて帰る 草と土の匂い、夏を感じる あの日、自転車に乗ってどこまででも行けると思った 半袖半ズボン 風で膨らむTシャツ たなびく短い髪 脛にあたる心地良い風 草の匂いで鼻がかゆくなる 牧歌的な風景に心は浮き足立っていた

        • グラデーション

          夕暮れ時 駐車場で横になる三毛猫 風に揺れるねこじゃらし ベランダに干されたままの洗濯物 キャッチボールをする親子 散歩をしているおばあちゃんと柴犬 高く飛びさる飛行機 夏虫がジージーと鳴く 夏草の匂いが風と共に通り抜ける 薄明の空が美しいグラデーションをみせる どこか物憂げに眺める制服姿の2人の学生 そんな初夏の瞬間が好きで 季節の繋ぎ目が心地好い

          変化

          数ヶ月前、建設途中のビルはまだ低く、頭がみえている程度だった。 今、そのビルは徐々に大きくなっており、全貌が見えてきている。 この時間とビルの変化のように自分も変化出来ているのだろうか。 大きくなれているのだろうか。 立ち止まってしまったり、落ち込んだり。 覆水盆に返らず、とは言うがやり直したいことも多々ある。 自分の過ちを責めるのは楽であり、どこまでも突き詰めることができる。 ただそれを赦すのも、また自分だ。 どこまで詰めれば、自分を赦して良いのだろう。 そして赦した

          GW旅

          今回5月2日から4日の3日間 三重県松阪市 父の実家へ帰ってました。 個人的にはもう7年ぶりぐらいのはず。 父はもう三重に移住しており現地で合流。 祖母のお見舞いやお墓参りも含めていたが基本は遊びかな。 他の家族はおらず今回は父との2人旅。 この父はまた人脈が異常で、同窓会を率先して企画したり、三重県人会なるもので交流を増やして仲良くなったり、仕事の関係からももちろんで、更には飲み屋で仲良くなってそこからの繋がりでまた広がったり。 三重の人とか関係無く。 で、今回はその親父

          思い

          僕の祖母は全盲だった でも、僕等も驚くぐらいよく食べて 色んなところに歩いて行っていた、もちろんヘルパーさんや僕等と一緒に 匂いや、感触、僕等が伝えた表現でその場の情景を感じ取っていたんだと思う 僕も祖母に腕を握られよく一緒に散歩や旅行に行った 過去に行ったところについては結構覚えていて、こんなのがあったとか教えてくれてた とても、楽しかった 小さい頃は両親共働きで僕は祖母に預けられることも多かった 祖母と一緒に買い物に行き、祖母がご飯を作ってくれた とても美味しかった 特

          30

          自分より年下の社会人と話す機会が増えてきた そこで感じるのは雑談や本筋とは関係のない話ができない、通じないということだ もちろん生産性や効率といった点に注目すればそんな話は必要のないことではあるが、その場の雰囲気を緩和させたり話のテンポ、その人の人柄を知ること、ひいては信頼を確認するためには重要なことだと考えている 何がそうさせているのだろうと考え、身近な部分、ポップな部分で見てみると メディアの性質が違う、変わったと感じる 僕らが思春期、学生の時テレビ番組は割とゆるいも

          タバコ

          喫煙所の前で子供を待たせてタバコを吸う親 子供は一緒に買い物が出来ることに胸を躍らせ待っている 親は気怠そうにタバコを吸いながら落ちている吸殻を見つめている 子供は何を想い、親は何を想う 喜びと苦しみ、歓喜と悲哀 表と裏、隣合わせ 夢と現実 親が夢見てきた未来は喜びで溢れていたはずだった、現実は哀しさに押し潰されている 子供が夢見る未来は喜びで溢れている、その"未来"が歓喜で満たされる事を願って毎日涙を堪えてる 夢が欲しかった 夢を持っていたかった 夢はどこに落ちている

          タバコ

          都星

          都会の街では夜、星が見えない。 街が明るすぎるから。 その代わりビルや街灯の光が星のように輝いている。 星のような微かな輝きでは無く、痛いぐらいの輝きで街を埋め尽くしている。 夜の淋しさを紛らわすように。 いつからか僕の心は荒んでしまった。 星のようにキラキラと輝いていたのに、ズルいことを覚えネオンのようにギラギラと輝き、本当の自分を隠している。 いつからか僕は夜空を見上げることをやめた。 都会の星はごくわずかで、どこか力無い。 そんな星を見てしまったら、本当の自分が溢れ

          おもいで

          大切な思い出はあまり話したくない 恋の記憶は特にそうだ 誰かに話して自慢をしたい、自惚れたいなどとは思わない 誰かに話してしまえばその大切な思い出や体験は失われてしまうように感じるのだ 記憶の端っこからすり減っていき、欠けていき無くなってしまう 全体がくすんでしまう 色褪せてしまうから

          おもいで

          アポトーシス

          落葉樹は色付き紅葉し、人々を魅了する。 そして次第に枯れ、落ちる。 アポトーシス。細胞の自然死のことである。 そう聞くとどこか残酷で非情だ。 人間も同じなのかもしれない。 千葉の田舎から東京へ上京。 期待と希望と羨望で昂揚し、新しい人々と出会う。 新しい環境や状況に擦り減らしながらもどこか充実感を得る。 ただ、次第に心が崩れていく、堕ちていく。 挫折し、この人間に造られた街から脱落していく。 人ばかりのこの街で誰にも相手にされず、吐き出された存在になる。 人ばかりの渋

          アポトーシス

          あの頃

          あの頃 くそみたいな僕のことを君は好きでいてくれた 今はもう少しましな人間になったよ だけど、今の僕を君は見てはくれない "くそ"みたいな人間が好きだったのかな "くそ"だったから見ていてくれたのかな 君が見ていたから"くそ"になってしまったのかな 流石にそれは都合が良すぎるな やっぱり僕はまだくそみたいだ この期に及んで君のせいにしてしまっている 今君は幸せかな 幸せに過ごしているだろう君を想像して、勝手に嫉妬してしまって 未練がましく君の面影ばかり探してい

          立ち飲み屋

          隣のおっさんが愛情は無くなるって言ってた 事実おっさんは離婚してて、5年間会話が無かったって その5年は何の時間だったのか 子供がいたかららしい 好きで付き合って 結婚したのに 愛情はやっぱり情なんだなと 愛が勝つ、わけではないんだなと 懐疑的では無くて共感してる自分がいた 笑ってハイボールを飲んだ

          立ち飲み屋

          酔い夜

          この季節の空気は澄んでいて、夜になると尚更で、痛いぐらいに感じる 空気の香りがすっきりしていて、どこか物憂げにさせられる 肌寒さは強まり羽織る上着が欲しくなる 酔いに任せて終電に乗らず、歩いて帰っている なにも好きでこんなことをしているわけではない 自分の不甲斐なさに絶望している 独りで帰るつもりなんぞ1ミリもなかった 緊張感と高揚感に包まれて2人で帰るつもりだった それが絶望と肌寒さに打ちひしがれて1人で帰っている 頭が揺れて視界が揺れる 信号の黄緑色の光が揺れて二重

          浮気

          何をもって浮気とするのか 個人的には理性を保った状態で実行したことは浮気とは言わないのではと思う これは確実にパートナーへの気持ちが薄れている結果から生まれることだ。 つまるところ、早く別れろということになる。 ただこの状況に対する適切な言葉が無い。 ならば何が浮気なのか 思うに、自分で理性が保てず実行してしまったことを浮気というのではないか この背景にはパートナーへの思いはあるし、疎ましいなどとも思っていないと言う感情が含まれている 偶発的に起こってしまったことを定義する