【感想】世界でいちばん悲しいオーディション
テアトル新宿での舞台挨拶兼、上映会に行ってきました。渡辺さんも来てました。簡単に感想を。
WACKの映画は多分全部観ている。
その度に必ず「試されている。」って感覚を受ける。
誰かが死ぬ気で努力して得たその場所に、少しの努力でいこうだなんて、甘ったるい現実はない。努力に大して平等に見返りがくるような、甘ったるい現実はない。
報われるか、報われないかは、わかんないけど、それでも諦めたくなくてぶっこむ。そのぶっこんだやつの中から、ほんの一部のやつがたどりつける場所がある。
その姿を見て、「きっと自分も」って。「あんな風になりたい」って手をのばす。「手をのばしたら届きそう」だと思ったその場所は、「死に物狂いで手をのばしてやっと少しだけかする」ような場所だって気づく。
ありのままの自分を覚醒させた自分がステージに立つ自分だから
予告編でも語られている渡辺さんの言葉にめちゃめちゃ納得して。
ただありのままでいても、届かない。変えられない
そんな言葉と共に彼女たちを見ていると、忘れていた自分を思い出せる気がした。
高校生の頃、LIVEをしていたときは、きっと本気だった。少しでも何かを発したかったし、少しでも多く、目の前の人に熱くなってほしかった。「もっとやるから、もっとくれ。」かわきが熱となって手をのばした。
今の自分は幸せなことがたくさんあって、ありがたいことに満たされてんだなって思った。満たされることがあたりまえになって、かわいている感覚を忘れてんだなって。
解像度高く世界を見てみよう。目の前に向かってぶっこむ瞬間を増やしてみたいって思った。
感情よ くたばれ
涙がこぼれ落ちるけど
夢を乗せて、夜を越えて過ごした日々
全部捨てないさ
(アゲンストザペイン / BiS2nd)
最後に写っているライブ映像でのヲタクたちは本気だった。いま目の前のこの瞬間に、これでもかってささげてた。ステージに立つアイドルたちがこれでもかと、本気でぶつかってくるから、こっちも本気でぶつからないといけないって気にさせられる。
アイドルのLIVEにうずまくあの感じは、本気と本気がぶつかっているからなんだなって。ステージの上だけでもお客さんだけでも成り立たない世界だ。
この映画を観ると、どうしてバンドが売れなくなってアイドルが売れたかわかると思う。自分の世界の中から世界観を語るよりも、本気になって熱量をこめて演っている人に、魅せられたファンがたくさんいるってことが。
あぁ僕らの描く夢はどんな時もあと少しで逃げてく
このギスギス世界どうやって生き抜くかなんてわからなかった
それでも諦めないで!目の前を諦めないでいよう!
(SAiNT SEX / WACK is FXXK)