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Milano Constantine - The Way We Were (2017)

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 ここ数年、頻繁にクレジットを見かけるNYのラッパー、Milano Constantineの2017年作。ビートを手掛けるのは、こちらも2010年代以降のアンダーグラウンドヒップホップシーンで目覚ましい活躍を見せているDJ Skizzと、もはやブーンバップ界の重鎮的存在のMarco Poloという少数精鋭の布陣。セルフプロデュースの2曲も含めて、いずれも持ち味を存分に発揮した聴きごたえある楽曲ばかり。
 A4 "Cocaina"はDJ Skizz作。シンプルなビートだが、ドラムの抜き差しがラップの切れ味を引き立たせている。「Oh my god」という声ネタから始まり「Goddamn」というフレーズでのスクラッチで締め括るという構成も粋だ。
 続くA5 "That Feeling"はMarco Poloによるビートで、トレードマークである太くてアナログ感のあるドラムとベースを軸に、ストリングスやホーンのチョップ、"What's Up, New York City?"というフックでの声ネタなどが上手い具合に絡む。ポイントを的確に抑え、楽曲のテンションを高めていくさすがの仕事っぷりだ。他の2曲も含めて、Marco PoloとMilano Constantineの2人はかなり相性の良いところを見せている。是非またこのコンビの音源を聴きたい。
 B5 "Gotta Do It"はMilano本人によるビート。本職の2人のビートと単純に比較すると、音数の少なさや鳴りの迫力の弱さがどうしても目立ってしまうが、「1小節ループ×3、2拍ループ×2」の4小節展開で構成されるビートの王道感やネタ選びに感じられる確かなセンス、そして自身のラップとの相性の良さなど、かなり聴き応えがある。アルバムの中で最も泥臭くてファンキーな曲だ。
 全11曲どれもかっこよく、トータル35分超というコンパクトなサイズ感も、ラストまで一気に聴けて良い。アンダーグラウンドヒップホップファンはもちろん、90sを掘っている若い世代にも聴いてほしい作品!おすすめです‼︎

(Instagramより転載)


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