Apathy - Where The River Meets The Sea (2021)
2000年代のアンダーグラウンドヒップホップを代表するMC/プロデューサーの1人、Apathyの最新アルバム。ソロとしては"The Widow's Son" (2018) 以来、3年振りのリリース。前作ではDJ PremierやBuckwild、Nottzなど多数のプロデューサーを迎えていたが、本作はインタールードなどを含む14曲中12曲を自身がプロデュースしている。全体的にストリングスや女性ヴォーカルを取り入れたドラマチックな楽曲が多く、またアルバムタイトルにもあるように水の音が至るところから聴こえてきて、映画のサウンドトラックのような統一感のあるアルバムとなっている。だが、サウンドの根幹をなしているのは古き良きヒップホップであり、個々の楽曲単位でもじゅうぶん過ぎるほど楽しめる。例えば"We Don't Fuck Around"は、女性ヴォーカルを含むサンプルをループしたビートの上でGuruの声ネタのスクラッチが展開されるファンキーな楽曲。続く"P.S.E."ではギターをチョップ&フリップしたビートに、フックではBiggieとQ-Tipの声ネタでスクラッチ、さらにはStylesとM.O.P.のLil Fameが参加と、昔であればシングルカット級のインパクトがある一曲だ。また、ANoydとChris WebbyというApathyよりも若い世代の注目ラッパー2人をフィーチャーした"Underwater"も、前2曲とは全く雰囲気の異なるアプローチのビート上で三者三様のラップを楽しむことができ、非常に聴き応えがある。
アルバム全体として作品を楽しみたい方にも純粋にかっこいい楽曲を聴きたい方にも自信を持って推薦できる作品です!今年アナログで手に入れたヒップホップアルバムの中では暫定1位のかっこよさ‼︎是非とも聴いてみて下さい!
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