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Finale - Odds & Ends (2015)

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 デトロイトのラッパーFinaleが2015年にMello Music Groupからリリースしたアルバム。Finaleは抑揚を最低限に抑えた安定感のあるスタイルを聴かせるタイプだが、フックのバリエーションや楽曲全体の構成力などのアイデアが豊富とは言い難い。Big ToneやHomeboy Sandmanら数多くのラッパーをフィーチャーしている割に、このアルバムに対してさほど豪華な印象を抱かないのはそのせいだろう。
 だが、そこを補って余りあるほどの活躍を見せているのが、全曲を手掛けたプロデューサーのOddiseeだ。サンプリングを主軸とした温もりのあるビートは非常にカラフルで、ときにファンキー、ときにメロウなサウンドを聴かせてくれる。また、イントロやアウトロの尺が長いなどシンプルな構成の楽曲が多く、その点ではDJプレイに適している。個々の楽曲自体のクオリティは高いので、クラブプレイやミックスの流れの中で聴くと、予想以上の輝きを見せる可能性を秘めている。
 聴き方や見方を変えたり想像力を働かせると、作品の中に新たな魅力を見出すことができる。そんな楽しみ方を示してくれた一枚だ。現行のブーンバップや90sヒップホップが好きな方にもおすすめです!

(Instagramより転載)


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