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UFO Fev &Termanology - From El Barrio, With Love (2020)

 ニューヨークのイーストハーレム出身のラッパーUFO Fevと、ボストン出身のTermanologyとのコラボレーションアルバム。技巧派ラッパーとして知られるTermanologyだが、本作ではプロデューサーとして全7曲のビートを手掛けている。全曲サンプリングから構成されており、現在のトレンドを意識してなのか、ドラムの全く入らない楽曲が多いのは少し残念。ただし、掘り師としての彼のセンスはなかなかで、かなり渋いサウンドを聴かせてくれる。味わいのあるベースラインのループと深いリバーブの効いたスネアが印象的な"The Bad Guy"、哀愁を帯びたフルートのループがUFO Fevのラップともマッチしている"The Study Of Anthropology"などは、かなり聴き応えがある。
 フロウやライミングに関しては解説/解読できるような知識を持ち合わせていないが、UFO Fevのラップもしっかり耳を傾けると面白い。とくに"None Realer"のセカンドバースで、2拍目の終わりと5拍目の頭、そして8拍目の頭と、2小節の中で3回ずつ規則正しいタイミングで踏んでいくフロウは、聴いていてとても気持ち良かった!
 全体的にかなり渋いけれど、程良いラフさと確かなセンスを備えた魅力的な作品。シンプルなヒップホップやサンプリングミュージックとしてのヒップホップが好きな方は是非とも聴いてみて下さい!


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