生存する牛乳
俺の名前は黒桐裕也、牛乳を飲まない子供を惨殺するのが仕事だ。なぜ惨殺するのか、それはあの、ドクターと名乗る女が教えてくれた。
「乳製品を摂取したとき、多くの日本人はラクターゼの分泌が少なく乳糖を消化できません。でも欧米人の多くはラクターゼが分泌され消化できます。
この違いは遺伝子によって決まっています。この国では学校給食という牛乳を飲ませる『実験』があるので、将来的に日本人は遺伝子が発現して牛乳が飲めるようになるはずです。
しかしながら、一つ重要な疑問があります。その進化は、乳製品を摂取したからではなく、摂取しない人間が餓死したからではないでしょうか?
そこで皆さんには、中央構造線を境とした西日本の牛乳を飲まない子供を惨殺していただきます。人工的な生存バイアスをかければ、何百年、何千年かけてその差異が現れるはずです。
頑張って惨殺してくださいね!
そう、子供たちの生存本能をくすぐるように!」
【続く】