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ボクはやっと認知症のことがわかった

先日、長谷川和夫先生の逝去のニュースがありました。長谷川先生と言えば、医療や福祉・介護の業務に就いている方ならご存じであろう「長谷川式スケール」の開発者。自らも認知症になったことを公表し、その生きざまを私達にお伝えくださいました。

今日は、長谷川先生が書かれた『ボクはやっと認知症のことがわかった』を紹介したいと思います。

認知症と診断された長谷川先生が、当事者となって何を思って、どう感じられているのかが綴られています。

「確かさがゆらぐ」という言葉が印象的でした。自分の体験の「確かさ」がはっきりしなくなってきたことにより、認知症ではないかと感じられたそうです。認知症の初期段階では、この確かさがゆらぐことでの不安もかなりこたえるのではないかと思いました。

「重度でもわかる」は私達ケアする側の人間が気を付けたいことに気づかせてもらえているように思います。「思い認知症になっても、自分がされたら嫌なことや、自分の存在が消滅してしまうのは恐ろしいという気持ちはのこるのではないか」ということです。どんなことだったのかの内容を忘れたとしても、不快の感情は強く残るといわれています。気を付けて関わり合いたいと思います。

長谷川先生のご冥福をお祈りするとともに、あらためて認知症ケアについて考える時間をとりたいと思いました。
お時間に余裕のある方はぜひ長谷川先生の本を読んでみてください。

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