見出し画像

テレビの音量が難聴への気づきに…

11月3日は文化の日であり、いい(11)耳(3)の日として難聴ケアを文化にしたいということで、「難聴ケアの日」とされています。難聴ケアの日は、難聴が原因で起きる様々な障害の重要性を知る機会を作り、難聴予備軍の方に正確な情報を提供すること、障害が発生する前に対策をとってもらい、難聴を改善するきっかけとなることを目的としています。

1.高齢者の難聴について

高齢者の聴覚障害としては下記のものがあります。
 ①老人性(加齢性)難聴
 ②耳垢閉塞
 ③中枢性難聴
 ④聴覚失認

老人性難聴は老化(加齢)に伴う進行的な聴力障害で、主に高音域から聞き取りづらくなり、言葉がはっきり聞こえない、つまりは「聞こえているけれど、何を言っているかわからない」といった状態になる難聴です。
耳垢閉塞は耳垢が詰まっている状態をいいます。高齢者に比較的多く、身体麻痺がある場合には、上手く耳掃除ができないことも相まって、麻痺側に耳垢が詰まる傾向があります。
また、脳卒中の後遺症により、中枢性難聴や聴覚失認などの聴覚障害がみられます。

2.難聴問題から派生する問題

聞こえが悪くなると、危険を認識することや周囲の状況を把握することに遅れが生じたり、上手く認識・把握できなくなる問題が生じます。そうすると、外出をすることや新しい場所に出向くことに消極的になります。活動量が減ったり、交流の機会が減ることにより、閉じこもり傾向となったり、認知機能面が低下してしまう場合もあります。

3.聞こえの評価

聞こえの評価には、医療機関等で行われる聴力検査を想像しやすいかと思いますが、聞こえについての質問や日常生活での様子からも様子を把握することができます。

聞こえについての質問では、「聞こえについて困っていませんか?」と質問すると「困っていない」と回答する傾向が高いため、「4,5人の集まりで話が聞き取れますか?」「電子レンジなどのチンという音など、小さな電子音が聞こえますか?」など、具体的な形で質問をすると、より正確に状況を把握することができます。
日常生活での様子を観察することでも難聴を予測することができます。例えば、「話すときの声が大きくなっていないか」「テレビの音が異常に大きいことはないか」などです。また、声掛けをする際の声量を大きめの声量、ささやき声、普通の声量などと状況を変えてみることで、大まかな聴力レベルを推測することができます。

4.難聴高齢者の支援方法

難聴に対する支援について一番は聞こえを保障することが大切です。早期から補聴器を使用することをお勧め致します。補聴器は装用するとすぐに聞こえが改善し快適な生活を送れると思われがちですが、装用することに慣れるまでに3ヶ月程かかるといわれています。比較的軽度な難聴のうちから、補聴器を装用することに慣れておくことで日常的に補聴器を装用することができるようになります。

コミュニケーションの支援としては、難聴の方との会話では音声だけでなく、時に身振りをつけて話したり、口形表情を見せて話すことが有効です。重要なこと・大切なことを話す際には文字も一緒に使って話すことでより正確に伝わり、理解していただけます。そして大切なのは、内容を聞き取ってもらえたのかを確認することも大切です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?