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リリースパーティーをオンラインでやる

現場のフロアーに集まってくれるお客さんの前で DJをやる。イベントをクラブで開催する。現状まだ多くの問題が存在していて簡単ではない。みんな自分の思い通りにならなくて、最善策を模索している。でも、正直正しい答えなんて誰にも分からない。慎重に行動する人もいれば、強行突破する人もいる。ネガティブな話も山積み。そんな状況下で、今まで自分が長年に渡って活動してきたフィールドには、残念ながら縮小しか無くて DJとして生き残れないのは明白。でも誰かの責任に出来ない。文句ばかり言っても何も変わらないし、始まらない。もはや自分は基本的にポジティブな話しかしたくない。だって、今は新しい価値観を産む時代だから。

コロナ禍になってから、家族以上に、日中問わず24時間体制でやりとりしている相棒 YELLOCK a.k.a Gakちゃん。彼とは曲も制作し、PVも作り、様々なプロジェクトを動かしている。いくら稼ぐかの為ではなく、自分達のアーティスト性をこの時代にどれだけ高められるか。そこのマインドセットがお互い全くブレない。自分からみて17歳年下の彼だけど、年齢は関係なく人間としてフラットに感性やクリエイティブを共有し、刺激しあいながら作品を産み続けている。

彼と進行している楽曲は既に数曲あって、DJ AKi STREAMを9回配信した事で、とある海外音楽プロデューサーからコラボレーションの依頼も訪れた。過去の日本と海外のダンスミュージックシーンの遅延感はとてつも無くあったけど、コロナ禍によって、本当にフラットになったと実感する。有名だとか無名だとか関係ない。次の時代に向けたスタートラインにみんなが同列に並んでいる。今やれるのか、やれないのかを問われている状態だ。

ISOLATED  HUMANISM(隔離されてしまった人間性)と言う楽曲は、そもそもYELLOCKがラフスケッチした形があった。今シーンで旬なローラーズ系の雰囲気でありながら、キャッチーなピアノのリフがイントロにのっていた。そこに自粛生活から脳内に渦巻き始めた、自分の考え方を楽曲制作に織り込もうと話し合った。何故なら考え方として、リモートで人と話し合うようになってから、相手の人間性が実際に会っていた時よりも、明確に見えるようになっていて、そんな中で、自分の本来の人間性も素直に表現したい欲求が高まっていたから。遠隔操作が主流のこんな時代だからこそ生まれたコンセプトを楽曲に埋め込んだ。そして、そのメッセージをYELLOCKが歌い、イントロ明けのファーストドロップは、より軽快なグルーブを組み込んで2部構成の曲に仕上げる方向で着地させた楽曲。正に2人の感性を融合させた1曲になり、今月06S RECORDSよりリリースした。

過去の事例では、当然クラブでリリースパーティーだ。でも、今の時代だからこそ実現出来るオンラインリリースパーティーを敢行すると決めた。出演者は今後リリースするREMIXを担当したDJ達。彼等と、映像をコントロールする VJが遠隔操作でお互いの家やスタジオから乗り込んで新しい形を産み出す挑戦を試みる。この形が成立すれば、今までフロアーに集ってくれた人達も、演者も安全が保てて身を守れる環境で好きな音楽を楽しめる。そして、今まで日本に招聘していた海外のアーティストもオンライン上で出演してもらえる可能性が生まれる。これは未来であり、少なからずもまだ不安が漂うクラブシーンに新しい形の提案が出来る。また、DJ達を支援出来る形を作り上げて、新たな世代のアーティストの発掘の場所にも成り得る。

コロナ脳と揶揄したい方はどうぞ。でもはっきり言うと、古い価値観や過去の栄光に縛られていては何も変わらない。そこを強く受け入れないと自分も含めシーンそのものが後退してしまう。パラダイムシフトは起こって、時代は一瞬にして完全に変わった。仮にワクチンが出来たとしても、もう昔のようには戻らないのは明らか。今回は1曲のリリースパーティーだけど、この価値観の中、オンライン上で自分は進んでいく。今まで築いたシーンやコミュニティーの為に、次の時代とステージを切り開いていくのが、自分の新しい目的地だから。 

https://www.twitch.tv/djaki_06s

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ISOLATED HUMANISM _ DJ AKi & YELLOCK PV _ 06S RECORDS



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