DJ AKi
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押し入れ宇宙 (THE CLOSET UNIVERSE)
自宅からの DJ配信を始めて早くも2ヶ月が経った。本当に自分1人だけで、DJ、VJ、MCを同時進行で無事に配信出来るのか、疑心暗鬼な状態からのスタートだったけど、あっと言う間に先週土曜日に第8回目を終了した。 毎回自分が配信したアーカイブは何度も見返す。DJのMIXの甘さや選曲の並び順、動画の選択や並べ方、カメラのスイッチのタイミング。ミスや反省点を自分自身で確認し消化して、次の配信に繋げる繰り返しの日々。24年前にDJを始めて日中問わずターンテーブルに向き合っていた頃の自分と全く同じで、競技は変われど何年経っても人の根本は変わらないと改めて自己を知る機会になっている。 そんな状況の中、この押し入れスタジオが世界へと繋がったし、次々と作品を産み出す瞬間とクリエイティブが心底楽しくて、不眠不休で時間を費やし、この2ヶ月間充実感に満たされながら、新しい自分を探求している。 今回は初めて配信にテーマを掲げてみた。"押し入れ宇宙 (THE CLOSET UNIVERSE)"。アポロ11号が月面に着陸したのが1969年。60年、70年代生まれの人達なら少なからず宇宙に対する幻想を抱いて生きてきたはず。自分も漏れ無く宇宙に対する壮大な想いを感じて育った。そんな自分のバックグランドもあって、お一人様 DJ配信のコツが掴めてきたから、自室の押し入れで宇宙を表現してみようと考えた。 もう1つの裏テーマもあった。今までの配信では、過去に自分のイベントでVJをしてくれて共に成長してくれた、複数の映像作家達から映像提供をしてもらった。これはかなり特殊なようで、VJ間で自分が製作した映像を共有する事例がなく、自分はかなり恵まれた環境の中、配信を成立させてきた。その反面、VJ達から映像を提供してもらえていなかったら配信出来無いのか?と考え始めた。そこで、この第8回目はオンライン上で公開されているフリー映像素材を集めまくり、それらの映像をメインに配信の挑戦をしてみた。要は自分で見つけた映像だけでも上手に料理すれば、それなりの形で自己表現ができる可能性があると、配信をしてみたいDJ達に提案したかった。 DJ配信はつまらないと言う人も沢山存在する。そもそもダンスミュージックは、フロアーで爆音を浴びる音楽。家のスピーカーやヘッドフォンで音楽を聴きながら、オンライン上の1つのカメラの前で淡々とDJをする姿を見せて、視聴者に退屈だと思われても仕方がない。でも、コロナ禍が全く解決していない今、現場でDJをする機会は少なくとも年内は絶望的だし、新しい活動の場所は此処だと信じている自分にとって、DJ配信はつまらないと言われる概念を破壊したい気持ちが強く高まっている。 そして、DJと言う行為自体、プレイヤーが最も楽しんでいないと、フロアーのお客さんを楽しませる事が出来ないのと同様で、DJ配信も配信側の自分が最も楽しんでこそ、視聴してくれるみんなに音楽の魅力と自分の創造力が電波すると確信している。 それと同時に、与えられた機材を駆使して配信に挑んでいる現状。天気が良ければ森や山に出掛け昆虫採集する自分。デジタルと自然の狭間で生活している、現在の自分のリアルな生活と自分自身を配信を通じて表現して行きたいと考えている。訳も分からず押し入れに機材を組んでから2ヶ月経って、DJという殻を破り、少しアーティストとして成長したのかも知れない。 こんな気持ちになれるのは、いつも視聴してくれる皆さん。サポートし続けてくれる皆さんのおかげです。自分の創造力の限界がくるまで、毎週必ず配信を繰り返し、成長しながら期待に応えていきたい。たかだかDJ配信、されどDJ配信。DJ配信は音楽を垂れ流すだけでは無く、1つの作品作りであると証明していきたいから。 次回の配信は、7月18日(土) 18:00-20:00 #09 DJ AKi STREAM _ A JOURNEY TO EXPLORE THE BRAIN https://www.twitch.tv/djaki_06s
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DJ AKi STREAM 自宅押入れから生配信
それは長年の友人から送られてきた1通のメールで始まった。AKi君の家からの配信が観たい。DJとしてこの時代を生き抜いて欲しいので、必要な機材を送りますと... 正直自分はプロフェッショナルDJでありながら、この20年間自宅にDJブースを組んだ事が無い。明確に言うと組む必要が無かった。何故なら2000年から渋谷のクラブWOMBに身を置き、そこから10年近く当時WOMBの3階に常設されていたDJブースが自分の道場だったから。 相当マニアックな話になるけど、そこに搭載されていたサウンドシステム "PHAZON"は、90年代に世界一だった伝説的なニューヨークのクラブ "TWILO"のサウンドエンジニアであった神様 STEVE DASHが設計した、唯一無二の神の領域である日本最高峰の DJブースが存在した。 平日深夜の営業がまだ無かった無人のWOMBに週3、4日通い続け、振動でも針飛びしない様にゴムで吊るされていたターンテーブルとUREIのロータリーミキサー。渋谷のど真ん中でありながら深夜にあり得ない爆音を浴びてDJの鍛錬を続けられた日々。今考えるとこれ以上無い最強な環境があったDJキャリアの裏側は、幸運にも程が有ったと思う。 その後もニューヨーク時代からの親友が、代々木上原にあった完全防音のスタジオに籠っていたので、その場所で楽曲を制作し、当然DJもしまくっていた。丁度そんな時期に、自分達が愛して止まない音楽をストリーミングと言う新しい媒体を使って配信すれば少なからず誰かに電波して、日本のシーンを拡大出来るのでは無いか?と言う話になり、DJ AKi STREAMを開始した。 そして現在まで112回、およそ10年に渡って毎月番組を継続してきた。USTREAM → FACEBOOK → TWITCHとプラットフォームを変えながら、イベント前の2日前は公開スパーリングをするぞ!と言う意気込みで10年。 しかし、このコロナ禍到来で身動きが取れなくなり、家にDJ機材も無いし配信も終わりかなと思いかけていた矢先に、冒頭のメッセージが届いた。そして、スピーカー、マイク、カメラ、ミキサーと追随された愛が自宅に届き、あっという間に配信用の機材が揃った。 こんなにありがたい話も滅多に無いけど、自分は配信をする上で、今まで基本的に DJをするだけの人任せで、配信に必要なOBSと言うソフトウェアを触った事すら無い... でも、届いた愛に応え無い訳にはいかない。OBSなる初めての未知なる相手と格闘しながらこの3日間弄くり回してみると仕組みを理解し始め、久々にDJ以外のクリエイティブ脳が起動し始めた。30秒弱とはいえ、自分にもこんなティザー動画が作れるようになるなんて考えもしなかった。 奇しくも20年前に帰国して間も無く、ニューヨークから持ち帰ったDJ機材を組んだのも、今このブログを書いている目の前にある押入れ。当時まだ健在だった父親にうるさい!と怒られた記憶も蘇る。今回愛に満ち溢れ届いた機材達を同じ場所に20年後に設置するんだよと、まだ血気盛んだった30歳の自分に言ってもお前何言ってんだ?となるだろう。 同じ場所で運命は繰り返され、新しい形で自分を表現出来る可能性を探求し、実験する時がきた。 長年の活動で形成された大切なコミュニティーを守り、音楽を通して多くの人々とコミュニケーションが取れる場所として、DJ AKi STREAMをリニューアルする。1人だけでも表現出来る、オンライン越しに見える遠隔された本来の人間性をTwitchにて伝えたい。2020年5月22日金曜日19時より配信開始。 https://www.twitch.tv/djaki_06s