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愛と悔恨のカーニバル:打海文三:徐々に一枚の絵になっていく

「愛と悔恨のカーニバル」(85/2021年)

最初に。万人に進めることが出来る作品だとは思いません。この作品は読者を選ぶと思います。今まで打海文三作品を何か読んだことがあって、打海作品を好きならば、是非読んでくださいとしか言えません。ちゃんと読めば実に深く、芯の通った素敵な物語です。が、こういう系に拒絶反応を示す方も多いと思います。ご注意ください。

お恥ずかしならばシリーズものとは知らずに読み始めました。それでも十分に楽しめました。逆に、これから前を辿れると思うとワクワクします。

主人公、姫子が突然事件に巻き込まれる。拉致され、殺されそうになる。前半は、一体何が起こっているのか、この物語のコアは何なのか分かりにくいので、読むの飽きるかもしれませんが、ちょっと我慢してください。様々なピースが徐々に一枚の絵になっていきます。人によっては徐々にではなく、突然にその瞬間がやってくるかもしれません。そして、その先の怒涛の展開に震えるわけです。そして、今までの非人道的な行いの中に一筋の光が見えてくるかもしれません。

エッセンスはラブストーリーなんですが、過剰な暴力的描写があるので、そっちに気を取られてしまいます。そのほかにも過剰な部分が多々tあるのですが、その過剰さが少年少女の切なさを際立たせます。

打海の過剰な暴力表現が近未来を感じさせる不思議で魅力的な作品です。チャレンジしてみませんか?



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