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ヴァイス 麻布警察署刑事課潜入捜査:深見真:真の善人、悪人は面白いが、偽善者、チンピラはウザイだけ

「ヴァイス 麻布警察署刑事課潜入捜査」(108/2022年)

久しぶりに素敵な悪な主人公に出会いました。酷いね、彼、悪いね、非常に、でも面白い、実にかっこいい。突き抜けた悪には爽快感が伴います。

麻布警察署、仙石が主人公。彼の業務は事件を解決してもみ消すこと。司法に委ねる前に処理すること。警察官が「本気」で「真剣」に悪いことをしようと思えば、この位のことが出来そうな気がするクライム・ファンタジー的なノリがやばい。

薬物事件なんかは余裕、殺人事件だって無かったことにしてしまう。暴力団やその他犯罪組織とも持ちつ持たれつの関係を維持。命のやり取りをも辞さない覚悟をしてしまえば、やっぱ最終的には「警察」の勝ち。
唯一の弱点は、本人の親族、友人等の「関係者」の命だけ。逆に言えば、関係者が皆無であれば無敵なんです、それが仙石さん。

善と悪とは何なのか、という大きなテーマがあります。形式的には日本は法治国家なので、法を破れば「悪」であります。あだ、守っていれば「善」ではありません。
そして、これはルールで定められているだけのものです。法なんて人為的に変えられますから。ルールはチェンジします。宗教だって人為的なルールの一種と考えれば、善悪なんて意外と軽薄な概念なのかもしれません。

仙石、基本的にいいやつなところがヤバイ。この設定の妙、非現実的ですが、そういう作品があってもいいじゃないですか。シリーズ化してほしいです!


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